なんで自分は生魚が苦手なんだろうか、っていうただの雑談

生魚が苦手です。


「どうしても食べられない。食べたら吐く。死ぬ。」というほではないけど、「食べるのは罰ゲーム」というほどには嫌いで苦手。


でもさ、なんで苦手なのかすごく疑問に思うんだよね。


生魚。まあようするに刺し身や寿司なんだけど、あのむにゅむにゅした食感と舌触り、生魚独特の香り、味、どこをとってもまずいと感じてしまう。

でも、じゃあ食における自分のこういった感覚が平均的な人と大きく乖離しているかっていうとそんなことはないように思う。
だって、生魚を除けば、やっぱり高いもの美味しいとされるものを食べると美味しいと感じるし、食について感想を述べるとむしろ食に対する解像度や言語化能力の高さを褒められるくらいだ。

食に対する感覚自体がおかしいわけではない。
全くの味音痴で美味しい・まずいの感覚が普通の人とまるきり違う、ってわけではないっぽいのだ。


でも、普通の人にとって寿司や刺し身はごちそうで美味しいもの。
ここの感覚だけが合わない。


生魚っていうのは確かに原理的に考えたら、焼き魚や煮魚と比べて食あたり等のリスクが高い食べ物なわけだから、それを体が危険と感じて「まずい」という感覚が発生するのは自然であるように思える。

幼少期それらを口にする機会が少なかったゆえに、その本能的な部分を払拭できなかった、という理屈を考えれば、それは一見筋が通っているようにも思える。
でも、そういった事情が同じであろう外国人にも寿司を美味しく食べている人が多いことを考えると、どうもそれでは説明不十分な気がしてしまう。


そりゃ誰しも好き嫌いはある。
何かが特別苦手ってことがあってもおかしいことではない。

でも、みんなが美味しいと感じるものに対して、自分は味も香りも食感も全てが「まずい」と感じるのに、それでも全体としては食に対する感覚が異なるわけではない、というのがどうも理屈が合わない気がしてスッキリしない。

いったいなんなんだろう。
釈然としない。

どういう理屈で何が起こっているんだろうか。



そういえば、別の話になってしまうんだけど、こういう人気食材が苦手だっていう話をすると「もったいない! それは本当に良いヤツを食べてないからだよ! 一回高いの食べてみなよ!」って言ってくる人が多いよね。

いや、そりゃ高いものを食べれば安いものより良いっていうのは感じられるよ。
ああこれはすごく良い食材仕入れてるなとか、すごく丁寧にきちんと調理してるなっていうのは、たとえ食べたものが苦手でも感じられる。分かる。

でもさ、あなた達にとっては「スーパーで買えるやつでも70点。だからお高いものだと90点」ってなるんだろうけど、ぼくにとっては「スーパーで買ったら1点。お高いものでも30点」みたいになると想像されるわけさ。
だったらまだ70点のトンカツでも食べた方が良くない??
5万円の寿司を食べても自分にとっての価値が45点しかなかったら、本当に金と時間の無駄だし、料理人・食材・他のお客さんすべての人に対して失礼だよ。


だからぼくは今日も寿司を食べない。刺し身を食べない。

飲み会でいつも出てくるそれらをうらめしく見守りながら。

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