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梨泰院クラスの日本版、六本木クラス、第一話のデキが悪すぎて逆に面白いと俺の中で話題に

※この記事は梨泰院クラスおよび六本木クラスのネタバレを含みます。

※基本的に六本木クラスの悪口なので、このドラマがお好きな方はご覧にならない方が良いかもしれません。


大ヒットドラマ「梨泰院クラス」の日本版、「六本木クラス」が始まりましたね!

オリジナルの梨泰院クラスは大好きなので、早速六本木クラスの第一話を観てみたんですが、もうワンシーンごとに「なんでや!!」「おかしいやろ!!」とつっこみたくなることしきりだったので、一部抜粋して時系列順に並べてみました。


麻宮葵(チョ・イソ)と宮部新(パク・セロイ)の顔つきがピンとこない

顔の問題を指摘するのも申し訳ないのですが、正直、麻宮葵(チョ・イソ)役の平手友梨奈さんはソシオパスで高知能な顔つきに見えないですし、宮部新(パク・セロイ)役の竹内涼真さんは信念を持ち押し通す頑固さやパワーがある人の顔つきの人に見えないです。

やっぱり日本人の顔を見慣れすぎてる=顔から中身のイメージを強く持ててしまう っていうのが大きくていかんともし難いのはあるのですが、「いや、見たらわかるけど、そういう性格の人じゃなくない?」とどうも観ていて引っかかってしまいます。


浮浪者(?)の強引さが際立って、優香(オ・スア)が冷たく見えない

浮浪者(?)が優香(オ・スア)の腕をつかんでお金を恵んでもらうようお願いするシーン。

原作だと「君」と声をかけた上で軽く腕をつかむ感じなので、まあ韓国だとこのくらいあるかもしれないし、スアの対応もちょっと冷たいかもな、と思えるシーンですが‥‥

六本木クラスだと、普通に歩いてる女子高生にいきなり「バシッ!!」(かなり強い効果音)で浮浪者みたいな人が力強く腕をつかみお金をねだってきます。普通に怖いです。振りほどくのが当然。っていうか怖くて声を出せなくてもおかしくないくらい。これは警察に注意されるレベルでしょう。こんなことをされているのに対応して、ただ振りほどいただけなわけですから、優香(オ・スア)は何ら冷たい人間であるように見えません。
いきなりつかみかかってお金をねだってくる、汚い身なりの人って、少なくとも日本ではかなりの要注意人物ではないでしょうか。
こんな人に親切にしようとする宮部新(パク・セロイ)の方がおかしい、お人好しとかそういう話じゃない、と思ってしまうシーンです。


演技がクサい

日本ドラマらしい、芝居がかった不自然な演技が散見されます。
開始4分、相川京子(カン・ミョンジョン)と宮部信二(セロイの父)の電話が始まったあたりから、一気に際立ってきます。
誰のどの演技も終始芝居がかっていてクサい一方で、そのわりに訴えかけるものは弱く、なんともいまひとつです。


長屋龍河(チャン・グンス)と桐野雄大(イ・ホジン)がワープしてる

長屋龍河(チャン・グンス)が桐野雄大(イ・ホジン)をいじめるシーン。

先生がドアを閉めて退席した次の瞬間、一瞬で桐野雄大(イ・ホジン)がふっとばされ、すぐそばに長屋龍河(チャン・グンス)が立っています。どう考えてもワープ(笑)。
(オリジナルはちゃんとワンクッションあって、時系列的におかしなところはなく、ワープはしていません)

そもそも日本の学校のシステムだと、このタイミングでトマトジュースを買ってきて渡すなんてことはありえないはず。
ちょうど買いに行っていて戻ってきたというのはおかしいし、事前に買いに行っていたのならその時点で怒り出していないとおかしいです。
ゆえにありえないシーンです。

ついでにいうと、いじめが起きている状況でみんながわざわざ後ろを向いていじめを堂々と見つめているという演出もおかしいでしょう。
このいじめは日常なはずで、日本人なら見て見ぬふりをする、前を向く方が自然。大半の人は前を向き、眉をひそめながら後ろをチラチラ見る程度になるはずです。(梨泰院クラスではそうなっています)


長屋茂(チャン・デヒ)の演技が軽い。弱そう。

息子が殴られたことで学校に長屋茂(チャン・デヒ)が初登場するシーン。
もうこの冒頭から、長屋茂(チャン・デヒ)の声が高く、迫力がなく、威厳がなく、重みを感じられません。
いかにも弱い人が虚勢を張っている感じがします。

申し訳ないのですが、梨泰院クラスの俳優さんや吹き替えの竹本和正さんの演技と比べるとあまりにも見劣りすると思いました。

このドラマの最終ボスのはずなのにメチャクチャ弱そうです。もうお話自体がショボくなってしまう、致命的な問題点でしょう。

このシーンの他にも演技に問題があると感じられるシーンがあったので、それについても後述します。


宮部信二(セロイの父)の歯が白すぎる

いやこれも俳優さんの見た目の問題で大変恐縮ですし、こんなこと多くの視聴者の方は気にしないと思うのですが、父の歯がキレイすぎる、白すぎると感じました。

セロイの父って、こう朴訥とした、家族を大切にしながらも一生懸命仕事に打ち込んできた、真面目な感じの人じゃないですか。
こういう人の歯ってこんなに極端に白い歯をしてないんですよ、少なくとも日本人は。

ここまで歯の色を白くホワイトニングしているのは、いつも人に見られる仕事をしている人ですね。あるいは、人から見られる見た目をすごく気にしている人。
セロイの父がメチャクチャ見た目を気にしてて月1回ホワイトニングに通ってたりしたらちょっと嫌じゃないですか?
いや個人の自由なんですよ、自由なんですけど、お前そういうキャラじゃないだろ、って思わないでしょうか。

一介のサラリーマンではなく、アナウンサーや歌手といった華やかな役柄であればピッタリな方だろうなと思いました。

いや、すみません、本当にほとんどの人は気にしない部分だと思いますが、個人的にはすごくひっかかったので、挙げてみました。


宮部信二(セロイの父)が事故に遭うシーンでジャブが入っちゃう

宮部信二(セロイの父)が事故に遭うシーン。

六本木クラスではなぜか父のバイクを後ろから車が追いかけているカットが入ります‥‥。

いやいやいや、ここは高校退学と仕事クビっていう親子が逆境に負けず頑張って頑張ってようやく生活が軌道に乗って幸せな気持ちで生きられるようになって、よかったーって視聴者が油断しているところをいきなり「ドカン!」で絶望の淵に叩き落とすシーンでしょ!!??
父の後ろから車が追いかけるカットいれたら「ああなるほどここで事故に遭うのね」って事前に分かってしまいますよ。落差が生まれません。
せっかくのお膳立てが台無しになってしまうカットです。


父が事故に遭った後も元気

父が車にはねられて転げ落ちたあとも、わりと元気です。
「これは骨くらいは折れてるかもしれないな」というくらいで、死にそうには見えません。

最期、死んだ瞬間をスローにすることで、無理矢理「死にました! 念のため言いますが死んだって意味ですので! 死んだって思ってくださいね!!」って伝えてきます。ショボ‥‥。

オリジナルと見比べてみると、演技・演出ともその差が非常に際立つシーンです。


警察が書類を置いていかないので説得力が弱い

警察が交通事故の犯人を告げるシーン。
オリジナルでは警察が書類を置いていくので、スアが少しずつ真犯人に確信を持ち、それをセロイと共有していく様がスムーズかつ情緒的に描かれますが、六本木クラスでは警察が書類を持っていってしまうので、ひどく不自然でわざとらしい描写になってしまっています。

まあ日本の警察は書類を置いていくことなんてしない、という意図なんだろうとは思いますが‥‥、リアリティを気にするなら警察の演技の方をなんとかしてほしいなと思ってしまいました。


あるべきシーンの省略

あるべきシーンの省略その1

父が死んだ後に父を思い出すシーンがないため、父を失った悲しみが強調されません。

あるべきシーンの省略その2

長屋龍河(チャン・グンス)が父を殺したことを知った宮部新(パク・セロイ)が、長屋龍河(チャン・グンス)を探すシーン。
オリジナルでは学校を訪れるシーンが挟まれるので、色々と探し回ったり聞いて回ったりしたあげく病院にたどり着いたのだろうと読み取れますが、六本木クラスではいきなり直行で病院を訪れるので「なんでそこにいるって分かったの!?」と疑問符が浮かぶシーンになってしまっています。

あるべきシーンの省略その3

同じく、宮部新(パク・セロイ)が、長屋龍河(チャン・グンス)にトドメを刺そうとするシーン。
六本木クラスでは、いきなり銃声がパーン! 唐突に警察が現れるので「どっから出てきたの!?」って笑ってしまいます(笑)。めちゃくちゃシリアスなシーンなのに。
オリジナルではスアが警察を呼び、共に追いかけるので、「間に合うか!? 間に合わないのか!!??」と思わせる、きちんと緊迫したシーンになっています。


宮部新(パク・セロイ)のキャラクターが演技で表現しきれていない

パク・セロイは感情的な人間です。

だからこそ、どんなに不利な状況に置かれようとも信念を貫き通す。
それがパク・セロイのかっこよさです。

第一話終盤の葬式で呆然自失とする様や、長屋龍河(チャン・グンス)を殺そうと怒りに狂う場面は、まさにパク・セロイの感情的な一面を表すシーンなのですが、やはりオリジナルに比べると演技の迫力が劣り、パク・セロイの感情的な一面が見えてきません。
演技でキャラクターが表現できていない状態になってしまっています。


長屋茂(チャン・デヒ)の演技でイマイチになってしまったシーンその2

学校でのシーンに続き、長屋茂(チャン・デヒ)の演技について。

刑務所に入った宮部新(パク・セロイ)を長屋茂(チャン・デヒ)が訪れるシーン。
梨泰院クラスも六本木クラスもセリフはほぼ同じですが…。

オリジナルでは、チャン・デヒがパク・セロイという敵を牽制し攻撃しに訪れることで、チャン・デヒという人間の抜け目のなさや強さを示すと共にお互いの因縁を強化するシーンとなっています。

ところが六本木クラスでは、長屋茂(チャン・デヒ)という小物が、宮部新(パク・セロイ)をただただからかいに行っているようにしか見えません。
このシーンは一体なんなんだ? と思ってしまいます。


長屋茂(チャン・デヒ)の演技でイマイチになってしまったシーンその3

次に、長屋茂(チャン・デヒ)が優香(オ・スア)に奨学金を申し出るシーン。
ここも冒頭のセリフが省略されている以外はほとんどセリフは同じですが、、

オリジナルでは、チャン・デヒがスアにメッセージを伝えプレッシャーをかけつつも、決してその痕跡は残さないところまでしか踏み込まずスッと引く、見事な駆け引きが描かれています。
これによって、チャン・デヒという人間の偉大さと恐ろしさを描くシーンになってるわけです。

ところが、六本木クラスではもう長屋茂(チャン・デヒ)が言いたいことが丸見え。長屋茂(チャン・デヒ)の心の内は優香(オ・スア)にも視聴者にも看破され、逆にその無能さが強調されるシーンになってしまっています。

ただこれは長屋茂(チャン・デヒ)の演技の問題だけでなく、二人の座り方と優香(オ・スア)の演技の問題もあるでしょう。
オリジナルではお互いが向かい合わせに座るのではなく、互いが横に座り、90度違う方向を向くような形で座っています。この状況で、チャン・デヒはスアを一方的に見つめプレッシャーをかける一方で、スアは前を向いたままチャン・デヒの方を見ることができず萎縮していることが伝わってきます。圧倒的優位に立つチャン・デヒがこうして描かれているわけです。
しかしながら、六本木クラスではお互いが向かい合わせに座っています。優香(オ・スア)も一歩も譲らず相手の目をしっかりと見つめており、まるで負けていません。
この結果、長屋茂(チャン・デヒ)の考えは見透かされているように見えますし、小娘すら押し切れない、弱い人間であるように見えてしまうわけです。


まとめ

以上、梨泰院クラスと比較しながら、六本木クラスを解説してみました。
正直、六本木クラスは作品として見るとイマイチだとは思いますが、ここまでとなると、逆に見比べるのが楽しくなってきました。

みなさんも、六本木クラス、梨泰院クラス、ぜひ両方観てみてください。

https://www.netflix.com/title/81621398

ちなみに六本木クラス公開翌日の2022.7.8現在で、Netflixでは
(2年も前に公開された)梨泰院クラスが第5位
六本木クラスは圏外となっています。


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