年間2800冊 たぶん日本一マンガ読んでるぼくが選ぶ2021年マンガBEST10

こんにちは。
今年新たに読んだマンガの数は約2800冊。読了済みのマンガの読み直しも含めるとおそらく4000冊以上。
たぶん日本で一番マンガを読んでいる、おてつです。


今年2021年に新刊が発行されたマンガのうち、これは面白かったと思うBEST10を選んだので発表していきます。


BEST1『ルックバック』

★4.7
才能を持ち本気で打ち込み続けた人間に起こることを描いた作品。周囲からの否定、挫折、立ち直り、成功。その先にあるドラマ。
藤本タツキ先生という天才が己を塗り込め、魂を込めた最強の短編。
もしあなたが何かに「本気で打ち込んだ」経験があるなら、心揺さぶられ涙すること間違いなし。


BEST2『チェンソーマン』

★4.7
圧倒的な力を持つ「悪魔」がはびこる世界で、自身も悪魔に変身する力を持つ主人公デンジが、悪魔を退治するデビルハンターとして生きていく話。
独特な世界観、トボけた日常、強すぎる悪魔との激しい戦いが魅力。
物語が終盤に向かうにつれ一層迫力を増していく中、迫りくる恐怖の世界にあなたは打ちのめされずにいられるだろうか。読み終わると間違いなくグッタリするので、後ろに予定がないときに読もう。
今年完結。全11巻。


BEST3『葬送のフリーレン』

★4.6
魔王を倒して50年後。パーティのうちただ一人のエルフが当時の仲間をたどり旅に出る物語。
そよ風のようにさわやかで心地良い雰囲気に満たされた作品。クスッと笑える日常、芯の通った演出の戦闘、ときにしんみりしてしまう物語と世界観はどれをとっても一級品。ファンタジー嫌いでなければ是非。
連載中 既刊6巻。


BEST4『3月のライオン』

★4.6
ハチミツとクローバー』を描いた大御所 羽海野チカ先生が描く。史上5人目の中学生プロ将棋棋士となった主人公桐山零が内気で孤独を抱える中、温かい一家と出会い変わっていく話。
こたつのように温かく自分の家よりもくつろげるような一家川本家の描写と、本気で圧巻の迫力ある棋戦の描写。あまりに対照的な2つの要素が、単体でもベストセラーになるレベルの圧倒的なクオリティで同居する、ありえない作品。
誰にでも勧められるマンガ第一位。とりあえず読んでほしい。
連載中 既刊16巻。


BEST5『僕の心のヤバイやつ』

★4.5
根暗な主人公市川と、モデルやっててスタイル抜群の美人だけど天然で抜けてる山田の、いわゆる両片思いラブコメ。
ボソボソとキモい返答をしてるだけなのに、なぜかどこまでも積極的に近づき楽しくさせてくれる山田のかわいさと、頻繁に陥るピンチのアップダウンを楽しめる。
Webで1話公開されるたびバズる。特に学生時代にキラキラの恋愛ができなかった陰キャ男子にメチャクチャぶっ刺さるマンガ。
連載中 既刊6巻。


BEST6『アオアシ』

★4.4
プロサッカー選手を育成するクラブユースに主人公のアシトが誘われることから物語は始まる。主人公のアシトは、クラブユースの才能ある選手達と比べると、シュートもパスもドリブルも下手で、足も速くなく、はっきりいって落ちこぼれ。でもただ一つ圧倒的に優れた「俯瞰」の能力により、フィールド上の全選手の位置が把握できる。このことを生かし、選手として成長し活躍していく物語。
主人公のとがった才能を生かした活躍ぶりと、レベルの高くしっかりしたサッカー戦術論がたまらない作品。
スポーツものではピカイチ。
連載中 既刊26巻。


BEST7『ワールドトリガー』

★4.4
異世界からの侵略者とその防衛組織との戦いを描くバトルもの。
侵略者との戦闘には、彼らの技術を応用した「トリガー」と呼ばれる武器が使われる。「トリガー」の性能を発揮するためには「トリオン」と呼ばれる生体エネルギーを豊富に持つ才能が必要だが、主人公の三雲修はトリオンに恵まれず、運動能力も高いわけではない中で、工夫して活躍する道を模索していく。
主人公の三雲修に限らず、皆が戦いの中であらゆる知略と工夫をこらす様や、数多くの魅力的なキャラクター達を楽しむ作品。
バトルマンガといえば今はまずコレ。
連載中 既刊24巻。


BEST8『よつばと!』

★4.4
どこまでも元気で明るく楽しい主人公「よつば」と、父親、お隣の綾瀬家の姉妹達との日常を描く作品。
魅力的なキャラクターのみならず、まるで本当にそこにあるかのようなどこまでもしっかりとした日常の描写は他の追随を許さない圧倒的なクオリティを誇る。ただ一枚の花びら、一本のペンに至るまでスキがなく、かといって描き込みすぎていない自然で完璧なバランスで、絵を見ているだけでため息がでるほど。
今年3年ぶりにようやく新刊が出ただけの作品を挙げるのはどうなんだという気もして非常に悩んだけど、マンガとしてのレベルの高さは脱帽するしかなく、ここに名を連ねることにした。
連載中 既刊15巻。


BEST9『ブルーピリオド』

★4.3
高校二年生の主人公矢口八虎やとらがいきなり美術に目覚め、無謀にも日本一の難関 東京芸大受験を目指して奮闘する話。
あまりにも高いハードルに立ち向かう中で、自分と向き合い、美術とは何か学び考え、周りの人の影響を受けながら成長していく姿が熱い。何かに懸命に打ち込む者の姿を描き、共感を呼ぶという点では『ルックバック』とも類似する。
美術好きなら必読のマンガ。
YOASOBIのヒット曲『群青』はこのマンガにインスパイアされたものなので、『群青』好きもきっとグッとくる。
連載中 既刊11巻。


BEST10『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』

★4.3
患者から採取された組織をもとに診断をくだし、他の医師の仕事を支える病理医。病理医としては天才的で診断は正しいが、コミュニケーションに大きな難アリの主人公岸京一郎が、様々な医師とともに患者に向き合っていく物語。
一般読者置いてけぼりな専門的レベルまで描くことで演出される圧倒的なリアリティと緊迫感。胸が引き裂かれるような患者さんの苦しみと、それに向き合う医療従事者の思いやプロフェッショナリズムを、どこまでもしっかりとドラマチックに描いている物語。一人一人自然に飛び跳ねるかのように豊かなキャラクター。適度にギャグを挟むことで、より医療部分のシリアスさを際立たせる、見事なまでの構成。
現代医療マンガの不動の頂点。すべての医療従事者、すべてのビジネスパーソンに読んでほしい。
連載中 既刊21巻。


BEST11~14

惜しくも僅差でBEST10に入らなかった4作品。


『後ハッピーマニア』
★4.3
45歳にして夫が浮気して離婚することになってふざけんなー!!っていうマンガ。
安野モヨコ先生らしく生々しいキャラクターとセリフ回しが魅力的な作品。

「改めて見ると陰毛濃そうな人だな~~」

こんなセリフが出てくるマンガ、他に絶対ない。

なお前作『ハッピーマニア』と地続きの世界観ではあるが、前作を読まずとも問題なく楽しめる。

連載中 既刊2巻。


『実録 保育士でこ先生』
★4.3
保育士の先生がすごい勢いで子どもたちに振り回されるギャグマンガ。
Twitterマンガではあるものの、ギャグのシンプルさや分かりやすさ、勢いでは連載中のギャグマンガでトップといえる。
子供のかわいさ、それを取り巻く大人のほほえましさとともに、パワフルなギャグを楽しんでほしい。
連載中 既刊4巻。


『メダリスト』
★4.3
フィギュアスケートのマンガ。プロスケーターを諦めたコーチ司と、11才になるまでスケートをやる機会に恵まれなかった少女いのりの物語。
フィギュアに対するいのりのひたむきさと、へこたれながらも頑張る美しさ、そしてほどよく質の高いギャグとのバランスが素晴らしく、泣きながら笑える名作。
連載中 既刊4巻。


『フランケン・ふらん Frantic』
★4.3
マッドサイエンティストならぬマッドドクターの天才ふらんが、人々の望みを叶えるため、倫理観ゼロでヤバすぎる人体改造を行うマンガ。『フランケン・ふらん』の続編シリーズ。
グロが平気でブラックジョークと皮肉が好きなら絶対にハマるオススメ作品。
連載中 既刊5巻。


その他イチオシの11作品


『あたしゃ川尻こだまだよ』
『川尻こだまのただれた生活』

★4.0
今年バズったTwitterマンガ家といえばこの人。川尻こだま先生。
自身の自堕落な生活をつづったギャグマンガ。
川尻こだまのただれた生活』のシリーズはTwitter投稿そのままの内容だがすべて無料で読める。『あたしゃ川尻こだまだよ』の方は加筆修正や追加エピソード、注釈などが追加されているので、気に入ったらそちらもどうぞ。


『異世界失格』
★4.2
太宰治が異世界転生した話。
ステータスは激弱でチートスキルも持っておらず、敵に襲われている女性を助ける気力もなく、スキあらば自殺を試みる、史上最弱主人公の物語。
主人公の役立たずっぷりに笑いながら、周りの人の活躍を見守って楽しむ作品。
連載中 既刊5巻。


『科学的に存在しうるクリーチャー娘の観察日誌』
『織津江大志の異世界クリ娘サバイバル日誌』

★4.2
スタンダードなファンタジー世界への異世界転生モノでありながら、ファンタジー上の生物に対して生物学的な理屈付けをしたり、武器や道具に対して偏執的なまでに有効性・正当性をきっちりと説明していく、異色のマンガ。説得力と納得感、それらによるリアリティがすごい。
『織津江大志の~』は『科学的に~』のスピンオフ作品だが、魅力は勝るとも劣らずオススメ。
類似の作品としては同作者の『ふかふかダンジョン攻略記 ~俺の異世界転生冒険譚~』も非常に面白い。
連載中 既刊9巻+3巻。


『アルスラーン戦記』
★4.2
1986年に刊行された田中芳樹作のファンタジー小説を、『鋼の錬金術師』の荒川弘先生が描く、面白くないわけがないマンガ。
侵略により王都を追われた王太子アルスラーンが、その人望を持って優秀な部下とともに王都奪還を目指す。多彩なキャラクターと気持ちのいい物語が魅力の作品。
連載中 既刊16巻。


『はじめの一歩』
★4.1
133巻にもおよぶボクシングマンガの金字塔でありながら現在もいまだ連載中の作品が、今年ついに電子化! とりあえず読んでおこう。
連載中 既刊133巻。


『神クズ☆アイドル』
★4.1
全くやる気がない男性アイドルに女性アイドル幽霊が乗り移っちゃた話。
男性アイドル仁淀のやる気ゼロっぷりが面白い。
連載中 既刊4巻。


『灼熱カバディ』
★4.0
鬼ごっこみたいな感じのインドのスポーツ、カバディの高校部活動の話。
ひたすらに真剣。熱いマンガが好きならダントツオススメ。
連載中 既刊20巻。


『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』
★4.1
とにかくひたすらに犬と猫がかわいく面白いTwitterマンガ。
かわいい。かわいいとしか言いようがない。
連載中 既刊7巻。


『惰性67パーセント』
★4.2
自堕落な美大生の男女4人がひたすらだらだら、ときどきエロく過ごしているマンガ。ある意味、青春?で居心地が良い。
連載中 既刊8巻。


『ゆるキャン△』
★4.2
女子高生たちが一人やグループでキャンプするマンガ。
キャンプ好きの人もそうでない人も、自宅で手軽にちょっとだけキャンプの気分を味わえる。キャンプに行きたくなっちゃうかも。
連載中 既刊12巻。


『ダーウィン事変』
★4.1
チンパンジーと人間のハーフ、ヒューマンジーのチャーリーが高校に入学し、学校生活のみならず、ヴィーガンテロリストまでが関わって世界が動いていく話。
チャーリーがヴィーガン否定派の同級生に「なんで人間だけ・・は殺して食べちゃだめなの?」と反論する思想的な側面や、テロリストに対してチャーリーが圧倒的な運動能力で対抗するアクションシーンなど、様々な要素が混ざり合い立体的で面白いマンガ。
連載中 既刊3巻。


参考

↓ 昨年のベスト5


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