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育休に入る際の引継ぎをスムーズにする4項目

育休を取る前の引継ぎの段取り

引継ぎの仕方・タイミングは人によりけりです。その中で、基本的なポイントについて個人的な経験からまとめます。

今回の内容を踏まえた上で育休を開始するタイミングも図りやすくなると思います。

引継ぎのみに当てはまることではありませんが、業務を行っていくうえで念頭に置く必要があるのは;

  1. 自分の 業務環境 を明確にする。

  2. 自分の 業務担当 を明確にする。

  3. 自分の 業務要領 を明確にする。

  4. 自分の 業務計画 を明確にする。

と言うことになります。

これらは、引継ぎをする以前に、自分自身の業務遂行にあたり理解しておく必要がある事柄です。

引き継ぐ相手

本記事では引き継ぐ相手については詳しくは触れません。

どの様に引き継ぐ相手を選定するのかは別途記述したいと思います。

業務環境

これは平たく言うと、自分自身が業務をする際の周辺環境についてです。

組織図

普通に仕事をしていると、組織図というものが少なからず存在するはずです。存在していない場合は、作成しましょう。

社内の組織図、プロジェクト単位での組織図、社外のステークホルダーとの相関図 など、自分自身が業務上関わる人間・会社について、言語化し(= 組織図化し)常に最新のモノを保っておきます。

これは引継ぎ以前に日常の業務を行っていくうえでも必要になる機会は多いと思います。

業務の場所

いつも出社して定位置で働くという方もおられるでしょうし、出張がある方やリモートで働く方など働く形態は様々でしょうが、これらはリスト化しておくのが良いです。

リスト化する際には Where (どこで)、When (いつ・頻度)、Who (誰と)、Why(何をするために) を明確にすることで理解が深まります。

システム

業務においては社内のシステムを使用することもあります。
普段の業務で使用するシステムは何があるのか、これもリスト化します。
リスト化の際には What (何のシステムを)、When (いつどの頻度で)、Why (何をするために)、How (どの様に使う) を明確にします。

業務担当

自分自身の担当業務について、リスト化することも重要です。
普段の業務はルーティンになっていると思いますので、なかなか明文化する機会は意識しない限り有りません。そこで、育休の引継ぎは良い機会になると思います。

カレンダーに業務の記録を残し確認

自分自身の担当業務についてリスト化するには、一ヶ月ほど業務にあたった記録を outlook のカレンダー でも何でも良いので、記録として残します。

打ち合わせなどが多い方や普段の業務の予定を管理されている方は日常的に Outlook などのカレンダーに予定を入れて管理されていることでしょうが、突発的な業務の対応など、ルーティンから外れるものについても記録することで見えてきます。

これらの記録を集約し、分類し、自身の業務内容を言語化します。

業務の頻度

また、1ヶ月ほど記録をすることで、業務の頻度が見えてきます。
ここで言う業務の頻度とは;

  1. 毎日実施するもの

  2. 週次で実施するもの

  3. 月次で実施するもの

  4. 四半期で実施するもの

  5. 年次で実施するもの

という整理になります。これに加えて 週に複数回や隔週などの頻度もあるかもしれません。

一ヶ月ほど業務の記録をすることで、1. ~ 3. までは 記録で明確にすることが出来ますし、4.~5. についても 思い出したものを記録することが出来ます。

繰り返し実施している業務について、その頻度を改めて確認することで、引継ぎを行う際の要否を判定することが出来ます。

例えば、四半期に一回の作業であれば、2ヶ月の育休中には発生しない。ということも有りえます。

これらの中には 定例の会議なども見えてくることでしょう。
それらを振り返ることで、毎日毎週毎月の限られた時間の中で如何に多くの時間を費やしているものがあるかがあぶり出されます。

業務要領

業務要領はひいては自分自身のRole & Response にも関わってくることですが、業務担当で確認した頻度毎の項目に対して、業務要領を言語化してみます。

ビジネスプロセス

物凄く厳密にかつ真面目に 業務の要領を言語化しようとすると、BPMN 手法での表記をすると良いのですが、これだと ビジネスプロセスを作図することが目的になってしまいがちなので、簡易的に作成するだけも良いです。

普段の業務は未だ人間系の作業が多くあります。
社内のシステムを使用しているようで、データの出し入れは人がやっていたり、システムの外で人が色々考えたり、手を加えたりしていることは多々あります。


話が少しそれますが、スムーズな引継ぎとは「人間系の作業を極力なくすこと」に尽きると考えています。


業務要領書

業務要領書(Procedure)は会社によっては既に存在し、それに従って業務を行っていることもあるでしょう。

一方で会社としての、部署としての 一般的なところは記載されていても、個人が属人的に担っている部分(ある意味個々人の価値が試される部分)というのは明記されていません。

上述の 環境・担当 に関わる情報をまとめることで、要領書の補足が整うと最高です。

要領書が無いような業務についてはこれを機会に作成するのが正攻法で良いと思います。

業務計画

計画としていますが、今回は引き継ぐことを前提にしていますので、「あれはこうなる予定です。」と言う形の内容になります。

業務上の記録を残す

議事録などを毎度毎度きちんと残しているという方はそんなに多くないと思います。

プロジェクト系の業務をやっていく上では議事録を残すことは必須ですが、そうでない業務をやっていると議事録などはあまり馴染みがないのかもしれません。

一方で、業務上の記録として例えば検査用紙、契約書、覚書、見積書、メールなどなど、「これを見れば公式なやり取りの内容が分かりますよ」というものは必ず存在します

業務の引継ぎをする際に、これらの公式な証跡があるものについては引継ぎをする必要がなくなります。「記録はここにあります」で済みます。


個人的には「○○さんのときには、こうなってました。今からは変更できません。」と言う既定路線・事なかれは好きではありません。

もちろん、話が決まった当時は関係者間で議論され、検討されての現在の方針であり、段取りにかかった労力を考えるとガラガラポンをしたくない気持ちも良く分かります。

ただし、既定路線が変更できないという風潮・慣習になると、変更修正の効かない凝り固まった組織になってしまうため、基本的には如何なる時も最適である変更案は優先される。とするべきです。

さて、育休の為の引継ぎという文脈で言うと、可能な限り計画済みは避ける が提言となります。

後任者は欠勤者と同等の知見と能力を持っている。(と言う前提)なので、ガチガチに将来(自分の育休中)の計画まで立てて引き継ぐのは 百害あって一利なしと言えます。


引継ぎの究極系

今回は育休を前提とした引継ぎの話となりましたが、実際の仕事生活の中では育休以外の理由で引継ぎが発生することがあります。
転職・退職・忌引・病休 などなど、いつ何がわかるかは想定できません。

自分がいなくても回る組織を作ることが最大の貢献

プロジェクトマネージャーをしていると常にこのことを念頭に置いています。
自分がやっている、自分がいないと回らない。という思い込みをしてしまうこともあるかと思いますが、そんなことはありません。

組織の中で仕事をしている以上、誰か欠員が出たことで全体の機能が失われることはありません。それが組織と言うものです。
例えが悪いですが、社長が急死しても会社としては動くというのが組織です。

自分がいなくても誰かがやります。ただ、引継ぎというのはその誰かが自分のポジションにどれだけスムーズに入って来れるかを引き上げる要素です。

日常の業務で少なからず関わっている人は要るかと思います。それらの人が上述の環境・担当・要領・計画 を把握していることで、引継ぎ書自体も少なくて済みますし、普段からの言語化がされていることは業務の正確さにも関わってきます。

また、育休中も会社からの問い合わせには適宜対応したら良いと思います。
その理由は、問い合わせ対応分は仕事をしていることになるので、積もり積もれば数日分の労力になるかもしれません。それは育休明けに公式なり非公式に有給として還元してもらえればよいです。

私の場合は育休取得の計画を上長と話す際に、この条件についても明記しましたので、有給を全て消費する育休ではありますが、数日間の代休を貰うことになりました。

引継ぎはゼロでもだめですが、全てを完璧にしようとしても駄目だというのが結論です。

そのためには、育休取得間際にバタバタしないように 早め早めの宣言と計画から、明確な引継ぎ内容の作成で実施することが大事です。


#男性育休
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