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189. 筆ペンの代わりに

頻度はものすごく低いが、祝儀袋や不祝儀袋を用意しなくてはいけない機会がある。
祝儀袋は筆やサインペンを用いて真っ黒い文字で名前等を書くことになる。
一方、不祝儀袋は色を薄めにしたすなわち「薄墨」で書くことが一般的となっている(もちろん、薄墨でなかったからといって怒られることはない)。

書道から離れて久しい

さて、筆で書こうとしても現在は書道を習っているわけではないので、筆どころか硯も墨も墨汁もない。
小学生や中学生が身近にいれば、ちょっと貸してもらうこともできるが、あいにくその年頃の人は近くにいない。

筆ペンの儚い一生

結局、筆ペンを買っていた。
しかし使うのは数文字を書く時だけ。
その後、筆ペンはほとんど出番なく過ごす。
気づくと筆ペンのインクはカラカラに乾き、文字を紡ぐことは不可能な状態になっている。

今日、久しぶりに筆ペンを使おうとしたら案の定、インク切れである。
そして筆ペンを買ったら、また同じことの繰り返しではないだろうかとふと思った。
むしろ、筆、硯そして墨を買って、必要になった都度使う方が良いのではないだろうかとも思ったりした。

硯や墨を単独で買ったことなんてなかったな

ホームセンターの文房具コーナーに赴いた。
筆の値段はピンきりであることを知っているのであまり気にしないのだが、硯や墨は思っていたよりも高かった。
すっかり買う気が無くなった。
作るのにそれなりの労力がかかっているので、妥当な値段であるのだろうと、これを書きながら思う。

多種多彩な筆記具

そこで、お絵描きペンコーナーを見たところ灰色のペンを発見した。
しかし、試し書き用の紙は近くに設置されていないので色の濃さを知ることができない。
財布の中に箸袋が入っていることを思い出したのでそれを取り出して試し書き。
筆ペンで書いたと言っても信じてもらえそうな色の濃さだった。
そして、「筆で書いた場合のとめ、はね、はらい」が再現できそうな柔らかいペン先だった。

「これで十分だ」と判断し、購入。
帰宅後、家族が不祝儀袋に書いた結果を確認したところ、全く問題なかった。

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