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心的モデルと仮説群

能書き

「意識」や「心」はどのように機能するのか。思いつき仮説メモの発展。
いま活用している心的モデル(作りかけ)の言語化と仮説のまとめ。

古今東西、人の心のモデルは数多く作られてきた。
すべて同じものをあらわしているのではあるが、悲しいことに、言語(記号)の違い、そしてその意味の違い、何より人間は全てをみることがかなわない故、究極のモデルが作られることはおそらく不可能に近いだろう。
過去に生み出された、あるいはこれから生み出されるであろう多くのモデルはすべて機能しえるものでもあり、仮に矛盾するものであっても併存することは確かだろう。高い意識で認識すれば、それぞれの矛盾は包含できることに気づくはずだ。
そのような見解を踏まえながらも、各個人が持つモデルを包含し、さらに新たなモデルを編み出そうとすることも、大きな発達の力動なのだろうか。


古典より

意識

顕在側の視点:存在者の私(観察される側)
潜在側の視点:観察者としての私(観察する側)

例)
顕在意識:オレンジ(意識の客体)
潜在意識:ターコイズ(意識の主体)

顕在前意識:アンバー(下位:行動の客体)、イエロー(上位:思考の客体)
潜在前意識:インディゴ(上位:思考の主体)、ティール(下位:行動の主体)

顕在無意識:マゼンタ&レッド&アンバー(パターン提供)
潜在無意識:ウルトラヴァイオレット&ヴァイオレット&インディゴ(アイデア創出)

集合的無意識:グリーン以降を中心に各段階の未発達部分、個人を超えたところにまで及ぶ



タテの発達プロセス

三位一体

発達は大きく3つに分かれる。
体(肉体):意識の発達⇒第一層(過去ベース)
魂(心):意識と無意識の間に生まれる⇒第二層(現在ベース)
精神(霊):無意識の発達⇒第三層(未来ベース)

それぞれの教育方針は守破離であらわすこともできる。
体―教育:守(五感で得られるもの)
心―支援:破(考えて得られるもの)
霊―自学:離(感じて得られるもの)

色相発達段階解説用

各段階の簡単な解説は「発達段階の諸相」へ。

各段階において想定される脳の発達および活性領域

レベル01:マゼンタ:快不快─交感神経系
レベル02:レッド:感情─視床下部(情動と記憶)
レベル1:アンバー:規則─辺縁系(感覚統合)
レベル2:オレンジ:報酬─前脳基底部(衝動性)
レベル3:イエロー:交流─大脳基底核
レベル4:ライトグリーン:関係─脳梁
レベル5:ディープグリーン:対話─大脳新皮質
レベル6:ティール:連携─中央実行ネットワーク
レベル7:ターコイズ:感知─サリエンスネットワーク
レベル8:インディゴ:綜合─サリエンスネットワーク
レベル9:ヴァイオレット:創造─デフォルトモードネットワーク
レベル10:ウルトラヴァイオレット:統合

第一層:電界
第二層:電磁界
第三層:磁界

発達の流れ

誕生から、意識はレベル01(マゼンタ)から順行(ボトムアップ)で発達する。一方でカウンターウエイトとして、無意識においてはレベル01(ウルトラヴァイオレット)から逆行(トップダウン)で同時発達すると考える。
ここでは、いわゆるDoingを認識する意識と、いわゆるBeingを把握する無意識を綜合して心と呼ぶ。つまり、体と霊の間に心が生まれるということもいえる。これは過去と未来の間に現在があることと同義でもある。

低次意識と高次意識の釣り合わない発達は、そのまま子供の心が安定しないことにもあらわれる。大人になるということは、脳神経の発達(意識)と、それに伴うネットワークの形成(無意識)のバランスが取れるようになったときであり、それは意識発達ではグリーンに位置する。

意識においては、(ライト)グリーンより前を低次、(ディープ)グリーンより後ろを高次とする。
前者は世界を広げるプロセスであり、モノへの執着(Doing)が特徴。
後者は統合へ向かうプロセスで、コトへの気づき(Being)およびモノの手放しの道。
低次と高次の架け橋となるグリーンは、多様性を司るとともに、癒やしを生みだす。

グリーンを超えて高次意識へと成長を進めるためには、多様性を数ではなく質で捉えることが求められる。この移行のためには、低次意識における発達不全の再構築(マズローでいう欲求充足)を含め、意識を安定させるための土台を固める(足を地につける)ことが必要となる。
なぜなら、これ以降の段階は無意識(シャドウ)を意識的に解放し、意識に無意識が侵食するという逆転が起こる過程となる。心的な負担が増大し、場合によっては自我の崩壊を引き起こす可能性も否めない(瞑想でいう魔境など)。

視点を変えると、常識は常識でなくなり、非常識が常識となる。
人生において絶対的であるようにみえる「幸せ」の定義すらも、根本的に覆されるときがくるだろう。

人間には、生体の枠組みの上で認識可能な世界しかみることができない。その枠組みの中で働く創造力は、無限ともいえるパターンの世界を生み出す。世界は有限であるようにみえて、一生のうちに認識できる世界は無限でもある。有限として捉えてしまうと絶望を感じ、無限に感じることで希望をもつ。

発達に対して、どこまで希望をもつことができるのか。
そのゴールは絶望かもしれないが。


ヨコの発達プロセス

前提知識は「体験からどのように学ぶのか」へ。

①体験の認識(遭遇)
・出来事に対して、全レベルが反応するが、最も適した意識レベルが自我となって文脈を読み取る。
・無意識により感情、前意識により思考が表出し、意識が焦点を当てる。

焦点のコントロールは「外部からのアンカリング(焦点化)」または「トレーニング」によって意図的に可能。

②体験の省察(振り返り)
・焦点のあたった感情または思考は「コンプレックス」を形成し、自我と接触する。
・時間をかけることで、自我(I:私)による振り返り、さらに超自我(We:我々)による内省と進んでいく。
・無意識下(観察者としての私)では超自我およびエスによる内的処理も行われる。
・神経過敏の状態では①が繰り返されることとなり、最終的にオーバーヒートを引き起こす。

これらの処理は「安心できる環境」で「落ち着いて行うこと」によって促進することができる。振り返りにおいても焦点のコントロールによって、どの意識レベルまで処理できるのかが変化する。

③体験の統合(経験化:一般化)
・「コンプレックス」と「自我」が統合し、意識が発達(拡大)する。同時に無意識も拡張される。
・体験そのものは記憶として貯蔵される。
・②が完了しない場合は「コンプレックス」が統合不全となった時の意識レベルに残置される。

統合は②における処理がどこまで進んだかによって、学習される内容の深度(多様さ)が異なる。多くの意識レベル(視点)で処理されることが、より意識拡大の範囲を広げ、結果として「深い学び」となる。
ただし、多視点で処理するということは、それだけ体験を細分化するということでもあり、振り返りから統合には多くの時間とエネルギーを使う。

④体験への備え(創造:試行)
・予測される体験に対して、エスから自我へのアプローチ。まだ起こらぬ体験を脳の中で具体化することで、「備え」(または「構え」)とよばれる状態をつくる。
・様々な記憶からエピソードを抜いた本質的な状態が引き出され、パターン(記号)化する。
・創造は、源(ソース:あらゆる無意識)からの記号化されない表出であり、「イメージが湧く(S)」あるいは「アイデアが降りてくる(N)」といった形で体感する。それはまるで無意識から突如として現れる感覚でもある。それを元に自我によって、次の体験における焦点化も行われる。

いわずもがな、高次の意識に達しているほど「構え」のパターンは増え、余裕が多くなる。創造においてはリラックスが不可欠であり、そのためにもエネルギーを多く使用することは避けなければならない。


意識レベルによるヨコの発達への影響

同じ体験であっても、人それぞれに受け取り方(インプット)・判断(アウトプット)が異なる。
これを発達段階(タテの発達)から考えた場合、人は意識レベルによって異なる文脈を捉えるという前提が生まれる。
高次レベルに達しているほど、多視点から体験を捉え、多様な意味を処理し、多彩な判断パターンをイメージすることが可能となる。

例)
【創造】
第一層:過去のパターン想起(経験則)
第二層:様々なパターンの組み合わせ(コラボレーション)
第三層:脱構築

【振り返りにおける視点】
第一層は左のみ。第二層は左と中央。第三層は全てを捉える。

9視点


発達モデルの図示

タテ・ヨコの発達を図式化すると、スパイラルの形状が生まれる。
これらは上方からみることでサイクル(円環)となる。
詳細は「意識のレベルとは」へ。

色相発達段階SP
C-zone&体験学習サイクル&段階

意識と無意識の発達双方を描くと、二重らせん構造に近い形となるのでは。
これはELCとPDCAの関連やダブルループ学習の構図に関連すると考えられる。
詳細は「意識はどこへ向かうのか」へ。

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ただし、ミクロ・マクロ、そしてホロンという文脈から考えると、ダブルループもまた一つの側面でしかない。実際は四象限で描かれるクオドルプルループ、その表裏を加味したオクタプルループは難解であるが表現可能な範囲だろう。また、視点を変えて三位一体を分解したトリプルループ、陰陽を加えたセクスタプルループなど、考えるときりがない。



おまけ


各段階において想定される脳の領域と神経伝達物質、それによる影響

レベル01:マゼンタ:交感神経系:ノルアドレナリン(副腎:尾骨):ADHD
レベル02:視床下部:オキシトシン・エンドルフィン(生殖器:仙骨):愛着障害
レベル1:辺縁系:セトロニン・GABA(腸:下丹田):うつ・自閉症
レベル2:オレンジ:前脳基底部:アセチルコリン(心臓:中丹田):心身症
レベル3:イエロー:大脳基底核:ドーパミン(側坐核:喉):統合失調症
レベル4ー5:グリーン:大脳皮質:ジメチルトリプタミン・メラトニン(松果体:上丹田)
レベル6〜:脳脊髄液:グルタミン酸etc(全身)


環境(チーム)による発達加速<同調>

・より上位の意識レベルとの同調によって、未開の神経回路が構築される。
・同調は2人(個体)以上が体験を共有することで、似た神経回路およびネットワークを活性化させた状態といえる。構成上、全く同じ回路になることはほぼないと考えられる。
・これらは防衛機制として語られる心理的メカニズムが働く結果ともいえる。なお、共有した対象が同じメカニズムを働かせているとは限らない。
・ゆえに同じ作りである人間同士が最も同調しやすいが、他の動物や生物、さらに高次意識層であればあらゆる物事とも、理屈の上では同調可能となる。
・占星術などにおける天体の配置パターンと類似性はあるのか?

言い逃れ

「より高いレベルが望ましい」「自らがどのレベルに位置しているか」と考えることは、低次意識による思考と考えられる。高次意識においては自己への意識よりも全体への意識が強いため、低次意識の欲求は生まれることがない。仮にそのような考えに引かれることがあるのであれば、その思考形態を持つレベルに発達不全(経験不足)が隠れていると考えてもよいだろう。
また、高次意識も低次意識の働きがなければ、実体はない。このnoteのような一連の文章も、仮に高次意識から生まれ出たとしても、表現は低次意識によってなせる技なのだろう。では、その行動を生み出した欲求とは何なのか…そこにも成長のヒントが隠れている。