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アメリカ英語の音声的特徴や音の変化について、あなたはどの程度知っていますか?

アメリカ英語を話す人たちの音声には、イギリス英語やオーストラリア英語にはない独特の響きがあります。
これは、彼らが音声を鼻音化して発音しているからです。

また、彼らの ʃ や tʃ の発音時の呼気の勢いは、かなり強いです。
これは、彼らが舌の後部(奥部)を盛り上げ、舌と上あご(軟口蓋)の間を狭くしておいて発音しているからです。

butter や water の t の発音が、dɚのように聞こえるのは、t の前の母音に強勢があって、terが自然に弱形になるために起きるアメリカ英語独特の発音現象です。
t は、強く発音すれば破裂音になりますが、弱くすれば この場合では有声音(d音)になります。
この現象が起きるのは、アメリカ英語だけです。なぜなら、舌への力の込め方が他の英語とは違っているからです。
強勢のない t は、前後の発音によってさまざまな影響を受けやすくなっているのです。

train や try 等の語頭の t が、 t ではなく tʃのようになるのは、 t の後の r が大きく影響しています。
英語、中でもアメリカ英語では、子音が連続した場合、後の子音の構えを先にしておいてから前の子音を発音します。
そして、アメリカ英語では r や j の発音の構えをする場合、非常に強い力が舌に加わります。
tr~の r の場合も同じです。舌に強い力が加わっている状態で t を発音すれば、通常の t の調音位置まで舌先が届かないため、少し手前の上部に調音位置がある tʃ が t の代わりに発音されます。

これは、meet youやlet youの場合(t·j)も同じです。

また、多くの日本の英語学習者にとって year の発音が難しいのは、正しい j の発音の構えができていない(舌への力の込め方が足りていない)からではないでしょうか。


internet や twentyの発音が[inənet]や[tweni]のように聞こえるのは、鼻音の n の後の t が強勢のない母音の前ある場合には、アメリカ英語では 極めて自然に鼻音の n に吸収されます。
アメリカ英語では、鼻音は n だけでなく t も鼻音で発音するため、より一層  t は n に吸収されやすくなっています。

cotton や curtain の t が閉鎖音になったり、t と n の間の母音の発音を省略したりするのには、それなりの理由があります。
まず、t と n は調音位置が同じだということです。
そして t と n の間にある母音には強勢がありません。すると t は、弱く発音することになります。
歯茎に軽くタッチして弱く発音する t の後には、歯茎に舌先を押し付けて発音する強い鼻音の n があります。
アメリカ英語では、子音を連続して発音する場合、先に後の子音の構えをします。この場合は、 前の t の構えよりも、 先に 後にある n の構えをします。
すると、強勢のない t は 舌先を歯茎に付けたままで発音することになります。
つまり、この場合の t は、閉鎖音の t の発音になるということです。
t と n の間の母音の発音は、省略することで、全体をリズミカルに発音できるようになります。



今日は、この辺りで終わります。







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