逃げて逃げて、その先で。
離人感に苛まれている。
処方薬が思ったより効いていて、眠剤がまだ残っているのだろうか、ぼんやりして動けない。
夢から醒めたはずなのに、足元と頭が、体の端と端がふわふわと覚束無い。
気圧のせいもあるのだろうか。
まあ、なんでもいいんだけどさ。
貴方の心を連れ出して、逃げて、逃げて。
それでどうしたいんだろう。
俺のわがままの逃避行に付き合わせて、それで、それで?
俺は、死にたいけど、まだ死にたくない。
貴方も殺したくない。
残酷だけど、生きて欲しいと思ってしまう。
逃げて逃げて、現実を忘れて、
辛くなった時、
逃げて、好きなだけ逃げて、力を貯めて、また化け物みたいな現実に立ち向かう力を培えれば。
そうして少しづつ、俺らでそれぞれの化け物を壊していって。
いつか、化け物が完全に壊れて消えてしまえば。
誰も苦しまなくて済む、優しい世界が出来上がるのだろうか。
ひどい妄言。戯言。
でも、夢見るだけならいいじゃないか、なんて。
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