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心理学検定キー7ワード第5章【臨床・障害】5.1‐2(精神分析と精神分析療法(後編))★★★
続編です
前回は精神分析療法と精神分析の概要(定義含む)についてでしたが
今回はより細かい部分でのお話です。
といっても重要なキーワードは前回にほぼ集約されております。
特にフロイトの紹介、説明部分とフロイト以降の学者と心理学については超重要です。
また、自由連想法における基礎概念も理解しておく必要があります。
さて、今回は続編という事で精神分析と精神分析療法の内容をより細かく説明したいと思います。
それでは、まとめの方いきましょう。
→フロイトによる原法
フロイトの精神分析は古典精神分析と呼ばれ
現在の対面法による精神分析療法とは区別されます。
特徴としては
・被分析者は寝椅子に横になって、4~5日通って自由連想する
・期間中は禁欲規則を守る
・神経症を持つ個人に限られる
・時間的、経済的な負担が大きく期間も長い
というものでした。
フロイトは神経症の原因について
幼児期での大人の性的誘惑と主張していましたが
力動的要因説へと修正しました。
前回キーワードとして挙げたエディプス・コンプレックスは個人を理解する中核的概念としてとらえられ
本能的な性愛的エネルギー(リビドー)と自我との葛藤こそが神経症の原因とみなされました。
フロイトの定義で精神分析は
「かつてエスであったところを自我にしなければならない」
無意識である様々な願望欲望を意識化することを目指すものです。
エス、自我についての詳しい説明は次回にやります。
→精神分析療法の流れと起こる現象
ここでは精神分析療法で起こる抵抗と行動化という現象についてお話していきます。
自由連想によって治療をしていくのですが
やがて無意識の葛藤の洞察に必要な自由連想に対して拒否したり、治療に反発する言動を示したりと
意識化を妨害する逆説的な現象が生じることがあります。
これを抵抗といいます。
また、記憶や葛藤を言葉で連想する代わりに行動で示すことがあります
これを行動化といいます。
上記の現象についてフロイトは
自我による無意識の防衛によるものとし、エスが反復強迫(苦痛な体験が繰り返される無意識に固有の現象です。)を働かせるだけでなく
超自我も罪悪感や処罰欲求から抵抗に貢献すると認識するようになりました。
つまり
抵抗や行動化については
自我、エス、超自我がかかわっているという事です。
抵抗という現象を解釈することで
精神分析の治療技法と理論の発展に大きな役割を果たすことになりました。
→抵抗から転移への結びつき
精神分析治療で特に重要なのが
転移をともなう転移抵抗
と呼ばれるものです。
転移の意味は前回にも記載しましたが
具体的には
過去の重要な人物との関係で体験された感情や行動が
現在の対人関係や治療者との関係で再現されるというものです。
転移という現象は普段からも起きることがありますが
精神分析療法では精神分析状況に特有の幼児期への退行を促進する構造場面で治療者に被分析者の関心と期待が集中してしまうため
特に起こりやすくなります。
その結果として転移神経症が起こってしまいます。
自己愛、性愛的、攻撃的願望を治療者に向けてしまい、治療の進展を阻止する抵抗となります。
→徹底操作について
転移と転移神経症については
治療者が被分析者が転移の中で示すさまざまな言動が強迫的に繰り返されることを阻止して
それを連想の為の話題とします。
そして、被分析者の抵抗が何度も解釈されて(積極的に取り上げる)て
知的な気づきと情緒を伴った記憶が想起されることで
初めて抑えつけられていた観念の内容が自我に受け入れられ心の再組織化が促進されるという治療変化をもたらします。
この治療変化をもたらすまでの
治療者と被分析者双方の継続した分析作業の事を徹底操作といいます。
→本日の内容‐箇条書きまとめ
・フロイトの精神分析は古典精神分析と呼ばれる
・禁欲規制や時間的経済的負担が大きいしんどいもの
・現在の精神分析は対面法によるもの
・フロイトは神経症の原因を初期は幼児期での大人の性的誘惑だと主張
・その後、リビドーと自我との葛藤が精神症の原因とした
・フロイトによる精神分析の定義は「エスを自我にすること」つまり無意識の願望と欲求を意識化することにある
・精神分析療法で起こる現象で抵抗というものがある
・抵抗は連想することに対する拒否や治療へ反発する言動などで意識化を妨害することである
・原因として、自我による無意識の防衛、エスによる反復強迫、超自我がある
・抵抗で重要なのが転移に結びつく転移抵抗である
・特に転移は精神分析治療で起きやすい
・また、転移神経症が起こることがある。
・治療的変化をもたらすために、被分析者(クライエント)を何度も解釈し積極的に取り上げることで心の再組織化を促す
・治療的変化をもたらすまでの治療者と被分析者双方の継続される分析作業を徹底操作という
以上、本日は精神分析と精神分析療法の続編でした
次回は心的装置論について
こちらを説明することで本日の内容がより深まるかと思います。
それではまた次回。
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