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【遊戯王マスターデュエル】忍者デッキの紹介


1.はじめに

クロモットと申します。「忍者マスター HANZO」が出たころからの古参忍者使いです。
この度遊戯王マスターデュエル(以下、MD)にて新規忍者が実装されましたので、MDでの忍者デッキの解説記事を書いてみることにしました。この記事を通して忍者デッキとはどういうものかというのをお伝えできればと思います。
なお、以前もOCGのほうで忍者についてのnoteを書いているのでよろしければそちらも読んでみてください。

どうやら2023年5月30日からこの記事を書き始めていました。とっとと実装されるかと思いきや全然そんなことはなく、その間に環境もレギュレーションもどんどん変わっていってしまいました。そのため、記事内で少し前の環境について触れていることもありますが、今更修正するのも面倒くさいのでそのままにします。間違ったことは言っていないと思うので、その部分に関しては、こういう環境もあったなぐらいの感覚でお読みいただければと思います。

2.構築の紹介

まずは構築紹介です。展開型、コントロール型、罠型と様々なデッキタイプがありますが、今回は新規を使ったコントロール型を紹介します。
実装当初ということもあり、私自身MDではまだ回したことがないので、OCGベースのサンプル構築になります。実際にMDで回していく内に段々と内容は変わってくると思います。

3.忍者デッキの特徴

採用カードの説明に移る前にそもそも忍者デッキとは一体どのようなデッキなのかというのを説明しておこうと思います。

①妨害が豊富
なんといっても裏守備が特徴的ですが、破壊、除外、効果無効といった妨害と呼べる効果を一通り有しています。場面場面でこれらを上手く使い相手を妨害しながら戦っていきます。

②ライフカットが早い
「戎の忍者-冥禪」の効果により忍者モンスターはダイレクトアタックができるようになるため、いちいち相手モンスターを除去する必要がなくなります。比較的展開力に優れたデッキなので、一度に忍者を複数体並べ、一気にライフを削り取ることができます。とはいえワンキルデッキではないので、コントロールデッキの中では早いといった感じです。

③着地狩りが得意
忍者には場に出た時に相手を妨害する効果を持ったモンスターが多く、忍法のおかげでそれらを好きなタイミングで出すことができます。相手がモンスターを出した瞬間に裏守備や除外で妨害できるので、相手の展開を許しません。

④手札は増えない、場が増える
忍者デッキで手札が増えるのは、「忍者マスター HANZO」のサーチ効果と「隠れ里-忍法修練の地」のサルベージ効果のみです。対して、デッキから特殊召喚やセットする効果を持つカードは数多くあります。フィールドはめまぐるしく変わる一方、手札はほぼ増えることはないので、手札から展開を繋げるのではなく、フィールドにあるカードを駆使して盤面を形成していくことを意識する必要があります。

⑤時間をかけて盤面を作っていく
忍者での主なアドバンテージの獲得方法は、「忍法 分身の術」による大量展開や「戎の忍者-冥禪」による毎ターンの忍者の特殊召喚です。ただし、前者は罠カードゆえ1ターン目に発動できず、後者は相手依存なのでこちらも1ターン目での発動が約束されているわけではありません。回りだすと一気に盤面を形成していけますが、そこに行くまでには少し時間がかかります。基本的には1ターン目の出力は低いデッキですので焦らずに展開していくことになります。
実際、手札5枚使って盤面がモンスター1体、魔法罠2枚なんてこともよくあります。

⑥後手は弱い
忍者に限った話ではないので、例に漏れずといったところです。
具体的に弱い理由は以下の2点です。
1.一対多交換できるカードがない
⇒地道に一々交換していく効果しかないため、複数妨害を構えられると手数が足りずなすすべなしです。
2.1ターンでの展開に限界がある
⇒⑤に書いた通り、徐々に出力を高めていくデッキであるため、基本的には1ターンでは大した展開ができません。こちらが3ターンかけて10点満点の盤面を作っていこうとしているのに相手が初手で10点満点の盤面を作ってきたらどうしようもありません。
とはいっても後手でも展開札が多ければそれなりに動けますので粘ることも可能です。その際は1ターンで捲りきるとは考えずにしっかり急所を潰すことを意識するのが大事です。

⑦そこそこ事故る
「重の忍者-磁翁」というカードは効果は強力なのですが、手札に来ると処理に困ります。常にこのカードを素引きしてしまうというリスクを孕んでいるのは忍者の悩みどころです(さらにこの構築では「PSYフレーム・ドライバー」まで採用しています・・・)。
また、忍者というデッキは1枚で動けるカードが「忍者マスター HANZO」しかありません。それ以外で動くには忍者×2か忍者+忍法の組み合わせが必要になります。ここが上手く噛み合わないとモンスターセット、ターンエンドなんてことも起こりえます。

⑧対象に取れない相手が辛い
忍者の妨害の多くは対象を取る効果です。そのため対象に取れない相手に対してはほぼ無力になります。メジャー所でいうと、「ガーディアン・キマイラ」や「スプライト・エルフ」のリンク先のモンスターといったところでしょうか。対象耐性を付与するカードがあるならば先に処理する、それが無理なら処理は諦めて「戎の忍者-冥禪」の効果で上から殴りにいくというプレイングが求められます。

⑨自由枠が少ない
忍者デッキでは、妨害の起点となる忍者モンスター、忍者・忍法へアクセスする忍法魔法、展開の起点となる忍法罠と各カテゴリーのカードが満遍なく投入されます。テーマ内で有用なカードが多いのは嬉しいことですが、その分枠を圧迫されます。手札誘発を入れるスペースぐらいはありますが、そこから更に「三戦の才」、「抹殺の指名者」、「拮抗勝負」といった汎用系のカードを入れるスペースまではありません。テーマカードの採用枚数がほぼ固定されてしまっているので、残りの枠で上手くやりくりする必要があります。

⑩他テーマ混合は難しい
忍者モンスターは複数体存在しますが、基本的に共通項は忍者ネームのみで、種族、属性、レベルはほとんどバラバラです。一つの特徴にサポートを寄せるとそれ以外の組み合わせの時に腐るため、他のテーマを混ぜるのが非常に難しいです。例えばデッキの要である「忍者マスター HANZO」のサポートをするため、戦士族サポートカードを投入したとすると、「忍者マスター HANZO」以外の忍者とサポートカードを合わせて引いた時、サポートカードはまず腐ります。
また目指す盤面が忍者のエクストラモンスターであるというのも他テーマを混ぜづらい点の一つです。忍者のエクストラモンスターは平たく言うと召喚条件が忍者×2なので、忍者ネームを持っていないということは「戎の忍者-冥禪」等に繋がらないということを意味するため、それだけでマイナス評価になってしまいます。
そしてさらに相性の悪さに拍車をかけるのが忍法罠の存在です。忍法罠は基本忍者がいないと発動できません。「忍法 落葉舞」は裏守備もリリースできますが、せっかく入れたサポートカードをわざわざ「忍法 落葉舞」でリリースする動きが強いのかというと決してそんなことはありません。
もし他テーマのカードを混合する場合、採用枚数にはかなりシビアな調整が必要です。

ざっと思いつく限りではこのような感じですが、他にも思いついたら適宜追記していこうと思います。

4.採用理由・採用枚数について

ここからようやく、各カードの採用理由について説明していきます。
一枚一枚説明していきますが、前回記事と同内容になってしまう部分があることはご容赦ください。

①メインデッキ

<モンスター>カード
・「宙の忍者-鳥帷」×3枚

「忍者マスター HANZO」をリリースして「忍法 分身の術」を発動した際に必ず2枚出したいと考えています。表と裏でそれぞれ出すことで、融合効果も使え、融合で出した「戎の忍者-冥禪」を戦闘から守れます。手札効果も優秀でダブついた忍者を出力して展開に繋げられます。総じてどの効果も使い勝手がよく、展開に寄与してくれるカードなので3枚採用しています。

・「蟲の忍者-蜜」×2枚

「戎の忍者-冥禪」を立てることを重要視しているデッキにおいて、このカードと他の下級忍者だけで簡単にそれが達成できるため3枚採用したかったのですが、「クシャトリラ・フェンリル」準制限実装に伴い、1枚枠を譲る形で2枚採用にしています。
初手でこのカードがあった場合、効果無効の妨害を構えるよりは、「戎の忍者-冥禪」や「忍者マスター SAIZO」の素材にしてしまうことのほうが多いです。
効果無効効果は有用ですが、相手ターンに「忍法 分身の術」や「戎の忍者-冥禪」の効果で場に出す場合、「若い忍者」や「重の忍者-磁翁」のほうが優先されることが多いので、無理して狙わず、余裕があれば出す感じです。

・「若い忍者」×2枚

「忍法 分身の術」で出して「宙の忍者-鳥帷」と一緒に融合し、②の墓地効果を誘発するのが主な役割です。先攻の展開補助として①の特殊召喚効果を使うこともあります。先攻展開で消費した後も「忍法 分身の術」で特殊召喚したいので2枚採用としています。このカード単体では展開できないので、多く引きすぎても事故に繋がるため3枚採用にはしていません。

・「獣の忍者-獏」×1枚

デッキからサーチした際に特殊召喚する効果は使い切りと考えています。「忍者マスター HANZO」からサーチしてそのまま①の効果を使用することが多いです。その後は墓地に送ってから、「忍法装具 鉄土竜」の効果で使い回します。展開に必要なので1枚は必要ですが素引きが嬉しくないカードなので、1枚のみの採用にしています。

・「銃の忍者-火光」×1枚

1枚から融合モンスターを立てられるのは非常に有用です。ただし、「忍者マスター HANZO」と召喚権を喰い合ってしまうので1枚のみの採用としています。
OCGだとしっかり意識していないと墓地効果は結構忘れがちなのですが、MDだとチェーン確認で教えてくれるので便利ですね。

・「忍者マスター HANZO」×3枚

自慢のロイヤル

デュエル中は常に握っておきたく、初手でこのカードを持っているかどうかで勝率が変わるくらい影響力のあるカードです。登場は10年以上前ですが、いつの時代もサーチは強いということですね。文句なしの3枚採用です。

・「重の忍者-磁翁」×1枚

起こさせない裏守備という忍者最強の妨害持ちの忍者です。相手を裏守備にするのが基本ですが、自分のモンスターを裏守備にして、リバース、反転召喚時効果を再度使えるようにすることもできます。
①の効果に目が行きがちですが、②の効果も非常に有用です。「蟲の忍者-蜜」や「若い忍者」で簡単に誘発して、1妨害追加できます。
素引きリスクを嫌って1枚の採用にしています。
ただし、手札に来てしまった際の処理方法はわりとシビアで、強力な妨害を失ったのとほぼ同義なので、最初の内は2枚で回していくのをおすすめします。

・「クシャトリラ・フェンリル」×2枚

これ1枚で打点、妨害、展開補助の役割を担ってくれる、余程の理由がなければ必ずデッキに入るカードです。特徴のところで忍者は他テーマ混合が難しいと書きましたが、このカードだけは例外です。コンボを組み込むわけではなく単体で完結しているため、忍者デッキでも無理なく採用できます。
制限実装かと思ってましたがまさかの準制限でした。ただ、そう遠くない将来制限になりそうな気がします。

・「増殖するG」×3枚、「灰流うらら」×3枚

定番の汎用誘発枠です。特に言う事はないです。

・「PSYフレームギア・γ」×2枚、「PSYフレーム・ドライバー」×1枚

単純な後手札としても十分強力ですが、忍者には「宙の忍者-鳥帷」や「異譚の忍法帖」といったフィールドが空の時にも発動する効果を持ったカードが多いので、「増殖するG」や「灰流うらら」を誘うカードとしても使えます。中でも特に有用なのが、相手ターンに発動した「忍法 分身の術」(※)、「異譚の忍法帖」、「忍法 落葉舞」(対象は相手の裏守備)に対する「灰流うらら」を無効にできることです。これが通るか通らないかで戦局が大きく変わるので、このカードに対する評価は高いです。
また忍者ならではのテクニックとして、「PSYフレームギア・γ」と「PSYフレーム・ドライバー」の特殊召喚成功のタイミングで手札の「若い忍者」の特殊召喚効果を起動することで、どちらか1体を裏にできます。裏になったほうはエンドフェイズに除外されなくなるため、相手ターンに発動した場合、次の自分のターンに場にモンスターが2体いる状態からターンを始められます。
※「忍法 分身の術」は発動時にコストで忍者をリリースするため、発動した瞬間に場が空になり「PSYフレームギア・γ」の発動条件を満たす

<魔法>カード
・「増援」×1枚

基本は4枚目の「忍者マスター HANZO」です。状況に応じて「若い忍者」や「銃の忍者-火光」をサーチすることもあります。

・「金満で謙虚な壺」×1枚

「忍者マスター HANZO」へのアクセスを最重要視しているため、アクセス率を上げるため採用します。
「戎の忍者-冥禪」、「クロシープ」、「ヴァレルソード・ドラゴン」は基本的に除外せず、それ以外からの選択になります。「忍者マスター SAIZO」と「冑の忍者-櫓丸」は1枚程度でしたら除外してもさほど影響は出ないので、コストにすることが多いです。

・「月の書」×2枚

単純な1妨害として機能するだけでなく、忍者においては「忍法 落葉舞」と合わせて使うことで、相手の盤面を除去しながら自分が展開できるようになるサポートカードになります。
忍者デッキと非常に相性がよいのですが、後手でリンク相手には効かないため、2枚の採用に留めています。

・「墓穴の指名者」×2枚

「灰流うらら」がきついデッキであるため、最大の2枚採用しています。

・「異譚の忍法帖」×3枚

1枚から2枚を生み出せるおかげでリソース勝負に非常に強くなれます。こちらも文句なしの3枚採用です。
セットしたカードはそのターン使用できないため、次のターンどのカードを使えば強く動けるかを意識してセットするカードを決めています。
先攻1ターン目に発動できる機会は少ないですが、2ターン目に発動しても十分強力です。
ときには1枚しかセットできない状態でも発動するという判断も必要になります。

・「忍法装具 鉄土竜」×1枚

除去に使用したり、忍者扱いにして「戎の忍者-冥禪」と一緒にダイレクトできるようにしたりと用途は様々です。デッキからのアクセス、墓地からの再利用の手段は豊富にあるので、1枚のみの採用としています。
このカードを装備した相手モンスターや、このカード自身を対象に破壊効果を使えば、すぐに③の効果を使えるようになります。よく使うので覚えておくと便利です。

・「隠れ里-忍法修練の地」×1枚

自慢のロイヤル

回収と破壊の肩代わり効果によって、リソース勝負に非常に強くなれます。自身も忍法で肩代わりの対象でもあるため場持ちもよいです。手札が増えづらいこのデッキにおいてサルベージで手札補充ができるのは大変重宝します。特に毎ターン「異譚の忍法帖」を発動&回収する動きは非常に強力です。とはいえ忍法の要はやはり罠であり、サーチ先としては第三、第四候補にあたるため1枚のみの採用としています。

<罠>カード
・「無限泡影」×2枚

汎用枠&手札誘発枠です。誘発の枠を「PSYフレームギア・γ」と分け合う形で2枚の採用になります。

・「忍法 分身の術」×1枚

アドバンテージの獲得源です。
レベル4⇒1+1+2(「宙の忍者-鳥帷」×2、「若い忍者」or「蟲の忍者-蜜」)
レベル6⇒1+1+2+2(宙の忍者-鳥帷」×2、「若い忍者」、「蟲の忍者-蜜」)
に変換することが多いです。
1回の発動でデッキから出したい忍者はほとんど出せ、「忍者マスター HANZO」から優先してサーチするプレイングを行っているため、1枚のみの採用としています。

・「忍法 落葉舞」×2枚

素引きが強い忍法です。「忍者マスター HANZO」、「重の忍者-磁翁」にアクセスできるようになるのが非常に強力で、「月の書」との組み合わせが初動兼妨害になります。強力な効果持ちですが、後手での被りが弱いため2枚の採用としています。

②エクストラデッキ

・「冑の忍者-櫓丸」×3枚

自分ターンで出すのに1枚、相手ターンで出すのにもう1枚は必須です。3枚出すことはまれですが、リソース勝負の長期戦になった時など的確に盤面除去できるこのカードの存在は非常に大きいため3枚採用しています。

・「戎の忍者-冥禪」×3枚

攻めと守りの要です。このカードを維持することがそのまま勝ちに繋がります。
3枚使うことはあまりないですが、このカードのダイレクトアタックが明確な勝ち筋である以上、3枚目がなくて勝ちを逃すということは避けたいので、最大の3枚採用としています。
ビーステッドの流行によりバトルフェイズにいきなりモンスターが出てくることが増えましたがそれすら無視できるのは非常に優秀です。

・「アクセルシンクロ・スターダスト・ドラゴン」×1枚

「PSYフレームギア・γ」からのシンクロ先です。墓地蘇生が阻害されなさそうであれば、このカードを経由して「フルール・ド・バロネス」の着地を目指します。

・「PSYフレームロード・Ω」×1枚

「PSYフレームギア・γ」からのシンクロ先その2です。基本は「アクセルシンクロ・スターダスト・ドラゴン」経由の「フルール・ド・バロネス」を優先したいのですが、イシズギミックやビーステッドの流行により蘇生が難しい環境なので、警戒するならこちらを出します。

・「フルール・ド・バロネス」×1枚

「PSYフレームギア・γ」効果発動からこのカードの着地まで成立するため採用しています。自分ターンに「PSYフレームギア・γ」を発動し、墓地蘇生も阻害されない場合にしか出せないですが、その代わり出せれば強力です。忍者デッキで魔法罠無効の役割を担ってくれる唯一の存在です。

・「クロシープ」×1枚

融合モンスターを出しやすい、特殊召喚時に効果を発動できるモンスターが多いという理由から好相性です。「戎の忍者-冥禪」をリンク先に出して効果で「忍者マスター HANZO」を蘇生し、サーチした「蟲の忍者-蜜」や「獣の忍者-獏」と合わせて「ヴァレルソード・ドラゴン」を出す展開をよく行います。

・「スプライト・エルフ」×1枚

1ターン目に「戎の忍者-冥禪」+αの盤面を構えられる場合に+αの要員として出すことがあります。毎ターン墓地から「若い忍者」を供給できるのは強力です。出たターンにリンク素材にできないため、キルしたいターンには「クロシープ」より優先度が低くなります。
OCGで禁止カードなので、最近このカードの使い方を忘れてきています。

・「忍者マスター SAIZO」×2枚

自慢のロイヤル

維持すれば毎ターン忍法を供給できるのですが、「戎の忍者-冥禪」への中継役になることが多いです。主な使い道は1ターン目に「戎の忍者-冥禪」+忍法を作るために忍法罠をセットする、中盤以降キルを狙うために「忍法装具 鉄土竜」にアクセスすることの2点です。この2つの役割をそれぞれ全うしてもらうため、2枚の採用としています。

・「召命の神弓-アポロウーサ」×1枚

先攻でフル展開した最後に蓋をするために採用しています。出せれば強いですが、基本的には決まった手札で相手の妨害をくらわなかった時しか出ないため、出す機会はあまりないです。

・「ヴァレルソード・ドラゴン」×1枚

「忍法装具 鉄土竜」を装備した状態で「戎の忍者-冥禪」と並べることで、2500+3500+3500=9500のダイレクトダメージをあっという間にたたき出すことができます。「クロシープ」のリンク先に「戎の忍者-冥禪」を出すだけでこの状態を作り出せることが多く、忍者の一番の勝ちパターンであるため、積極的に狙っています。
現環境で言うと「ティアラメンツスクリーム」で打点が下がった状態でも一気に8000削り切れるのは「アクセスコード・トーカー」にはできない芸当です。

③その他の採用候補カード

・「隠密忍法帖」
手札で捌ききれない忍者を忍法に変えるカードです。忍者版「スモール・ワールド」のような働きを見せてくれます。すぐに忍者を墓地に送れるため、後手の際にすぐ「異譚の忍法帖」の蘇生先を作れたり、「若い忍者」の墓地効果を誘発できるのもよいです。

・「機甲忍者ブレード・ハート」
素材となるのは「忍者マスター HANZO」と「銃の忍者-火光」のみですが、これらが場に並ぶことは少なくありません。これと「戎の忍者-冥禪」だけで7200のダメージを叩き出せ、「忍法装具 鉄土竜」があればワンキルも可能です。なくてもなんとかなるけど、あればいざという時便利なカードに分類されると思います。ロイヤル加工が手に入ったら、私も投入すると思います。

・「転生炎獣アルミラージ」
主な役割は「若い忍者」を素材にして即墓地効果を誘発することです。他にも「宙の忍者-鳥帷」を素材に出した後、「異譚の忍法帖」で「宙の忍者-鳥帷」をセット、それを対象に効果を発動すれば、表でも裏でも効果破壊されない強固な「宙の忍者-鳥帷」を誕生させることができます。

・「崔嵬の地霊使いアウス」
2023年9月現在、これだけ「クシャトリラ・フェンリル」が大流行し、このデッキにも投入されているわけですから、採用してもよいかもしれません。デッキ内の地属性は多いため、出すのも難しくないです。

・「リンク・スパイダー」
「PSYフレーム・ドライバー」を素材に出せます。「PSYフレームギア・γ」と合わせて上記の「崔嵬の地霊使いアウス」に繋がります。シンクロセットからこちらのリンクセットへ切り替えてもよいかもしれません。

④不採用カード

採用カードの紹介をしましたが、主に忍者・忍法カードで不採用としたカードの説明も行っておきます。

・上級忍者(「黒竜の忍者」、「黄竜の忍者」、「白竜の忍者」等)
なにより上級ということがネックです。「重の忍者-磁翁」素引きのリスクを抱えた上で更に上級を追加するのは事故のもとです。効果や特殊召喚制限に一癖あるものが多く、シンプルに妨害は「重の忍者-磁翁」で事足りることが多いので採用を見送りました。

・「成金忍者」
効果でデッキから即「忍者マスター HANZO」にアクセスでき、展開が大きく伸びるのですが、コストとなる罠がデッキにあまり入ってなく、さらには誘発の受けが最悪です。「灰流うらら」1枚で手札消費マイナス1で攻撃力500のモンスターが棒立ちということにもなりかねません。リターンは大きいのですが、それ以上にリスクが大きいため不採用としています。

・「忍法 変化の術」、「忍法 超変化の術」
「忍法 落葉舞」がほぼほぼ同じ役割を担っています。忍者以外のモンスターを出せますが、カテゴリー外カードを混ぜるとこれまた事故に繋がりやすくなるのでリスキーです。
「忍法 超変化の術」の場合、相手モンスターの除去もできるのですが、出し先にいい頃合いのモンスターがいないのが難点です。
また、新規カード群ではモンスターをセットする効果が多く、表側表示のカードを参照するこれらのカードと相性が悪いです。
今後使いやすい下級のドラゴン忍者などが出たら、「忍法 超変化の術」も採用するかもしれませんが、上記理由から今はともに不採用です。

・「スモール・ワールド」
これだけ忍者・忍法カテゴリーではないですが、現在OCGでは主に「剣神官ムドラ」を中継役としてこのカードを採用しているため、MDではなぜ採用しないかを説明しておきます。
一つ目はPSYフレームセットの存在です。「PSYフレームギア・γ」は「若い忍者」経由で「忍者マスター HANZO」に繋がるのでまだ役割があるのですが、「PSYフレーム・ドライバー」からはほとんどのカードに繋がりません。そうなると「スモール・ワールド」と「PSYフレーム・ドライバー」の重ね引きが死に札になり、それは許容できないと判断しました。
二つ目は環境の違いです。OCGでは「剣神官ムドラ」を素引きした際に「剣神官ムドラ」から「忍者マスター HANZO」への中継役として「幻創龍ファンタズメイ」を採用しています。現在とあるリンクモンスターがどのデッキにも入るくらい大流行中で、「幻創龍ファンタズメイ」はあまり腐ることはないのですが、MDではリンク召喚しないデッキも多々見られます。そんな中、「スモール・ワールド」のためだけに召喚条件が限られたこのカードを採用するのはややリスキーに感じました。
MDではPSYフレームセットと「クシャトリラ・フェンリル」によって枠を取られてますし、そもそもからしてこれらのカードが強力なので、「スモール・ワールド」がなくてもなんとかなるのではないかと思います。

5.忍者デッキの回し方

ここでは忍者デッキの回し方を説明していきます。回し方と言うより立ち回り方のほうが適切かもしれません。プレイする際に何を意識するかということの説明になります。

①メイゼン大事に
採用理由にも書きましたが、「戎の忍者-冥禪」がこのデッキの好守の要です。「戎の忍者-冥禪」を早期着地させ、維持することが勝ちに繋がります。忍法の効果でリリースすることもありますが、その場合も次のターンにすぐに次の「戎の忍者-冥禪」を出せるような、とにかく常に盤面に「戎の忍者-冥禪」を残すプレイングが重要になります。

②メイゼン+忍法が理想
忍者というデッキはデッキからぽんぽん忍者を出して妨害を構えられるのが優秀です。
そしてそれを一番適切かつ確実に行えるのが「戎の忍者-冥禪」+忍法であるということです。もちろん理想ですので、常にこれができるとは限りません。そういった場合にもこの状況に少しでも近い盤面を作ることを意識しておくことが重要です。

③妨害の基本はジオウ
まずは「重の忍者-磁翁」の妨害を当ててから動けと言っているわけではなく、「重の忍者-磁翁」の効果が一番わかりやすく、強力であるということです。まずは「重の忍者-磁翁」の効果を当てることをベースに妨害を考えていきます。実際に裏守備にするだけで機能不全になるデッキは多いです。使っていく中で、「重の忍者-磁翁」以外の妨害が優先されるタイミングや「重の忍者-磁翁」の前に他の妨害を構える方法などもわかってきます。

④使うゾーンは真ん中か両サイド
展開前にメインモンスターゾーンにモンスターを出す際は、真ん中及び両サイドを使用します。この位置が「忍者マスター SAIZO」のリンク先になるからです。「忍者マスター SAIZO」の効果を安全に通せるようにするため、忍者を出す場所も意識する必要があります。

⑤盤面除去は一つずつ
特徴にも書きましたが、一対多交換ができるカードはありません。一つ一つ相手の急所となる部分を潰していきましょう。とはいえ、自分のデッキだけでなく、相手のデッキに対する理解も必要になってくるので、一番難しい部分だと言えるでしょう。

⑥時間をかけてアド差を開く
こちらも特徴に書きましたが、基本的に1ターンでの出力は低いです。先攻1ターン目で制圧盤面を敷くのではなく、時間をかけて盤面を形成していくことを心がけます。

⑦中盤は無理に動かなくてもよい
忍者で展開が伸びるのは忍法罠が絡んだ時です。「戎の忍者-冥禪」だけだと、妨害用の忍者(「重の忍者-磁翁」、「蟲の忍者-蜜」)を出すかアドバンテージ獲得用の忍者(「獣の忍者-獏」、「銃の忍者-火光」)を出すかの二者択一を迫られ、だいたい妨害用の忍者を出してターンが返ってきます。次のターンに忍者を引ければ動けますが、そうでもなければ盤面は広がらないので、素直にダイレクトでダメージを与えてターンを返しましょう。「戎の忍者-冥禪」が生き残りさえすれば次の相手ターンにまた動けるようになります。
個人的な基準としては「戎の忍者-冥禪」込みで忍者が3体いれば動く、2体以下なら動かないです。忍者が3体いれば「戎の忍者-冥禪」を残した状態で「忍者マスター SAIZO」を立てられるため、そこから忍法にアクセスして動いていけます。

参考例です。相手ターンにこのような場面は結構あります
ドローが忍者、忍法でなければ動けないので、このターンは素直に殴ってエンドします。次のターンに相手の動きに合わせて「戎の忍者-冥禪」の効果を発動し展開していきます

⑧隙を見て一気にライフを削る
しっかりと妨害が決まれば相手の盤面はだいぶ脆くなっています。そこで一気にライフを削り取ってしまいましょう。上記⑦で動けるパターンの時にあたります。忍者を複数体並べるでもよいですし、忍者にもワンキルパターンは存在しますので、そちらを利用してもよいでしょう。ワンキルパターンは次の章で紹介します。

⑨フィニッシュはメイゼン+ヴァレソだけではない
「戎の忍者-冥禪」がいる状態で「ヴァレルソード・ドラゴン」に「忍法装具 鉄土竜」を装備し、2体でダイレクトアタックしてライフを削りきる。よくあるパターンで実際私もよくやり、次の章でも紹介しますが、忍者の勝ち筋はこれだけではありません。「戎の忍者-冥禪」のおかげで忍者は全てダイレクトアタックができるわけですから、忍者で殴ればよいのです。低レベルの忍者ですと打点は低いですが、レベル3以上の忍者であれば平均打点は2000ぐらいあります。すなわち忍者を4体並べればよいのです。一見難しそうにも見えますが、「戎の忍者-冥禪」や忍法が絡めば案外簡単に達成できます。忍者だけで殴ればエクストラデッキの消費も抑えられ、バトルフェイズ中に忍法罠から追撃を行えば、メインフェイズ中の特殊召喚数も抑えられるため「原始生命態ニビル」のケアにも繋がります。このような利点もあるので、メイゼン+ヴァレソに固執するのではなく、柔軟にフィニッシュパターンを変えていくのがよいでしょう。

6.展開紹介

5章で動き方について説明しましたが、ここでは具体的な展開パターンについて説明します。展開紹介①として、基本的な動きである「忍法 分身の術」の展開パターンを、展開紹介②として特定手札からのいわゆるソリティアのような展開パターンを紹介します。

展開紹介①

「忍法 分身の術」を使った展開の紹介なので、わかりやすいように「忍法 分身の術」をサーチできる「忍者マスター HANZO」を絡めた展開を紹介していきます。

1.「忍者マスター HANZO」+「忍法 分身の術」 パターンA

「宙の忍者-鳥帷」×2、「若い忍者」を出す事で好きなタイミングで融合し、「若い忍者」の墓地効果を誘発できます。「戎の忍者-冥禪」を出す事で更なる展開ができ、「冑の忍者-櫓丸」を出す事で除外効果を追加できます。状況に応じて使い分けます。
個人的に一番よく使うのがこのパターンです。

2.「忍者マスター HANZO」+「忍法 分身の術」 パターンB

「宙の忍者-鳥帷」×2、「蟲の忍者-蜜」を出す事で効果無効の妨害を構えることができます。その後の融合からの展開はパターンAと同じです。「蟲の忍者-蜜」が低攻撃力であるため、相手が効果を発動する前に殴ってくる可能性もあるので、そこは注意が必要です。基本的にはパターンAを優先し、手札に「若い忍者」がいる時にパターンBで展開するように使い分けるのがよいと思います。

3.「忍者マスター HANZO」+「蟲の忍者-蜜」+「忍法 分身の術」
パターンA

「忍者マスター HANZO」と「蟲の忍者-蜜」で「戎の忍者-冥禪」を出してから展開を行うパターンです。上手くいけば忍者の妨害を全て決めることができます。動画内では「戎の忍者-冥禪」の効果発動も含めて展開を紹介しています。

4.「忍者マスター HANZO」+「蟲の忍者-蜜」+「忍法 分身の術」
パターンB

「蟲の忍者-蜜」を出したところで展開を止めるパターンです。次のターンに「忍法 分身の術」から「宙の忍者-鳥帷」×2、「若い忍者」を出す事で、好きなタイミングで「若い忍者」と「蟲の忍者-蜜」の効果を使えます。「蟲の忍者-蜜」の特殊召喚効果に「増殖するG」を打たれた際の止まりどころとして非常に優秀です。

展開紹介②

いわゆるソリティア展開です。先攻展開では制圧盤面を、後攻展開ではワンキル盤面を紹介します。基本「忍者マスター HANZO」が絡まないと成立しません。

・先攻展開
1.「忍者マスター HANZO」+「蟲の忍者-蜜」
展開紹介①と同じなので説明は省略します。

2.「忍者マスター HANZO」+「宙の忍者-鳥帷」

「忍者マスター HANZO」のサーチ先は「獣の忍者-獏」でも同じ盤面ができあがります。

3.「忍者マスター HANZO」+「蟲の忍者-蜜」+「若い忍者」

「忍者マスター SAIZO」の効果で「異譚の忍法帖」をセットしていますが、ここは「忍法 落葉舞」でも問題ありません。

4.「忍者マスター HANZO」+「宙の忍者-鳥帷」+「蟲の忍者-蜜」or「銃の忍者-火光」

「蟲の忍者-蜜」or「銃の忍者-火光」としているのは、「忍者マスター HANZO」のサーチで足りないほうを持ってこれるからです。「召命の神弓-アポロウーサ」がいるので「戎の忍者-冥禪」や「忍法 分身の術」に対する「灰流うらら」をケアできるのは心強いです。
ここまでいかなくても、「クロシープ」のところを「忍者マスター SAIZO」にして、「戎の忍者-冥禪」+「忍者マスター SAIZO」+忍法の盤面でも十分強力です。

5.「忍者マスター HANZO」+「宙の忍者-鳥帷」+「若い忍者」

先攻での最大盤面がこれです。忍法が2枚用意できるのが強力です。「獣の忍者-獏」の効果を特殊召喚時ではなく、リバース時に打つのが味噌です。ただし「獣の忍者-獏」の墓地回収効果が不発になると展開が止まり、妨害も用意できなくなるので注意が必要です。
これも1つ前と同じで、「クロシープ」ではなく「忍者マスター SAIZO」でもよいです。「忍者マスター HANZO」のサルベージを妨害されても「戎の忍者-冥禪」は成立するため、安全度で言えばこちらのほうが高いです。

・後攻展開
1.「忍者マスター HANZO」+「蟲の忍者-蜜」

この組み合わせでのみ2枚でのワンキルが可能です。それ以外では最低3枚揃わなければワンキルは成立しません。「異譚の忍法帖」の発動が必須になるので相手の場にカードがあることが成立条件となります。

2.「忍者マスター HANZO」+「宙の忍者-鳥帷」+「銃の忍者-火光」

「異譚の忍法帖」の発動は必須ではないので「忍者マスター HANZO」のサーチを「忍法装具 鉄土竜」にしてますが、相手の場にカードがあるようであれば、「異譚の忍法帖」をサーチしたほうがよいです。

3.「忍者マスター HANZO」+「宙の忍者-鳥帷」+「若い忍者」

こちらも2同様にサーチ先は「異譚の忍法帖」のほうがよいです。

展開紹介①についてはよく使うというか、基本的にこの動きを目指すのでかなり重要です。
展開紹介②についてはあまり無理して狙うものではありません。元々展開デッキではありませんし、動画上では誘発等のケアも一切していません。ただ、知っていればいざというとき役に立つこともあると思いますので、覚えておいて損はないと思います。

7.忍者豆知識

MDでは自動で処理してくれますし、チェーン可否も教えてくれるので自然にわかることだと思いますが、まあ覚えていて損はないぐらいの感覚でお読み下さい。

①HANZOはタイミングを逃す
「忍者マスター HANZO」は時の任意効果なので、場合によってはタイミングを逃し、効果が発動できないことがあります。このデッキでは具体的に以下の2つのケースの際にタイミングを逃します。
1.チェーン2以降のカードの効果で特殊召喚された時
⇒特殊召喚後にチェーン1の効果を挟むため、タイミングを逃します。起こり得るケースとしては、「戎の忍者-冥禪」の効果による特殊召喚や何かの効果にチェーンして発動した「忍法 分身の術」や「忍法 落葉舞」での特殊召喚です。「戎の忍者-冥禪」は必ずチェーン2以降で発動する効果なので、「戎の忍者-冥禪」で出した「忍者マスター HANZO」の効果を使いたい場合は、裏守備で出して次のターンに反転召喚する必要があります。

2.「クロシープ」のリンク先に融合とシンクロorエクシーズがいる状態で「クロシープ」の効果で墓地から特殊召喚した時
⇒「クロシープ」の効果は上から順に処理されます。シンクロかエクシーズがリンク先にいると蘇生の次に攻撃力変動処理が入るため、これまたタイミングを逃します。このデッキにはエクシーズは入っていませんが、何にせよ「クロシープ」の効果で「忍者マスター HANZO」を蘇生する時はリンク先は融合モンスターだけにしたほうがよいでしょう。

②裏守備は効果無効に強い
表側表示のカードを対象に取った効果無効効果はそのカードが裏になると対象不在で不発になります。「忍者マスター HANZO」の効果に「無限泡影」を受けた場合、チェーンして「月の書」で「忍者マスター HANZO」を裏守備にすれば「無限泡影」は不発になり、「忍者マスター HANZO」の効果はそのまま適用されます。
また、裏守備になるとそのモンスターにかかっていたステータス変化はリセットされます。すでに効果が無効化されている「宙の忍者-鳥帷」が効果を発動した時、チェーンして「月の書」を発動して「宙の忍者-鳥帷」を裏にすれば、効果解決時に「宙の忍者-鳥帷」は裏になっているため、効果無効が解除され融合効果が適用されます。

③里の制約はチェーン処理後から適用
「隠れ里-忍法修練の地」の効果で回収したカード及びその同名カードにはそのターン効果を発動できないとという制約が付きます。しかしこの制約が付くのは「隠れ里-忍法修練の地」の効果発動の一連のチェーン処理完了後からです。
具体的をあげますと、チェーン1で「忍者マスター HANZO」のサーチ効果、チェーン2で「隠れ里-忍法修練の地」の回収効果で墓地の「忍者マスター HANZO」を回収したとします。逆順処理で先にチェーン2の「隠れ里-忍法修練の地」の効果で「忍者マスター HANZO」が回収されますが、すでにチェーン1で「忍者マスター HANZO」の効果は発動されているため、問題なくサーチ可能です。チェーン順が逆になっても同様です。
「隠れ里-忍法修練の地」で回収し終わった後、回収した「忍者マスター HANZO」を新たに召喚すると、制約に引っかかり効果が発動できなくなります。
ついでに言うと制約がかかるのは手札に戻したカードだけです。「戎の忍者-冥禪」等のエクストラデッキに戻すカードには制約がかかりません。効果で「戎の忍者-冥禪」を回収した後に「戎の忍者-冥禪」を場に出しても、そのターンに効果が発動できます(もちろんこのターン効果を使っていない場合に限ります)。

④分身は裏守備の忍者もリリースできる
古くはウイルスカードからある裁定ですが、コストでのリリースであれば裏側表示のモンスターもリリースしてカードを発動できます。「異譚の忍法帖」でセットしたモンスターも問題なくリリースでき、展開に繋げられます。
似たようなカードとして、同じくコストでリリースする「忍法 変化の術」がありますが、こちらは表側表示のカードをリリースと指定があるので、裏側表示のカードをリリースできません。

⑤分身との繋がりは裏になるまで
「忍法 分身の術」は表側攻撃表示または裏側守備表示でデッキから忍者を特殊召喚する効果で、出した忍者を対象に取り続けます。裏側表示のカードも対象に取り続ける珍しいカードです。「忍法 分身の術」と忍者の繋がりが切れるのは出した忍者が裏側になった時です。例えば、「若い忍者」(裏)、「蟲の忍者-蜜」(表)で出した状態で「蟲の忍者-蜜」の効果を発動し、「若い忍者」(表)、「蟲の忍者-蜜」(裏)になったとします。「蟲の忍者-蜜」が表→裏になったことで「蟲の忍者-蜜」のみ「忍法 分身の術」との繋がりが切れます。この後で「忍法 分身の術」が破壊されても、「蟲の忍者-蜜」は「忍法 分身の術」で対象に取られてないので破壊されず、「若い忍者」のみが破壊されます。

裏守備は「若い忍者」。この状態で「忍法 分身の術」が破壊されると、「蟲の忍者-蜜」も「若い忍者」も両方破壊されます
「蟲の忍者-蜜」の効果を使った後の盤面。この状態で「忍法 分身の術」が破壊された場合、裏守備(「蟲の忍者-蜜」)は「忍法 分身の術」との繋がりが切れているので破壊されません。「若い忍者」は「忍法 分身の術」との繋がりが残っているため破壊されます

⑥ジオウの表示形式変更不可は相手モンスターに与える効果
「重の忍者-磁翁」の表示形式変更不可効果は相手モンスターそのものに与える効果です。効果発動後に「重の忍者-磁翁」がフィールドから離れてもその効果が切れることはありません。ずっと表示形式変更不可のままです。ポケモンの状態異常のようなものだと思ってください(どくどくを打ってきた相手を倒しても自身の毒状態は解除されない)。また、その後なんらかの形で裏側から表側になってもそのモンスターは表示形式を変更できません。そこから再び裏になってようやく表示形式の変更ができるようになります。⑤の「忍法 分身の術」のところで説明した通りです。

⑦落葉舞の特殊召喚効果はカードの発動時のみ
「忍法 落葉舞」を発動してデッキから忍者を特殊召喚できるのはカードの発動時(=セットしたカードを表にした時)のみです。表側表示の状態で新たに忍者を対象に取って、別の忍者を特殊召喚することはできません。MD上で表側表示の「忍法 落葉舞」のチェーン確認が出た時は、2のバウンス効果の確認です。1,2の効果は1ターンにいずれか1つしか使えないのでどちらの効果を使うのか注意が必要です。

⑧落葉舞に対象に取られたら忍者でなくてもリリースされる
「忍法 落葉舞」は「忍法装具 鉄土竜」を装備した(=忍者扱いになった)相手モンスターを対象に発動することができます。この際、効果解決時にそのモンスターの装備が外れていても(=忍者扱いになっていなくても)対象に取られたモンスターはリリースされます。あくまで「忍法 落葉舞」の発動条件が忍者を対象に取るなので、解決時はそうでなくても問題ありません。
似たようなカードとして、「忍法 超変化の術」は発動時に自分と相手フィールドの表側表示モンスターを対象に取りますが、効果解決時にいずれかまたは両方が裏側表示になっていても、どちらのモンスターも効果で墓地送りにされます。

⑨イタンのセットは特殊召喚
デッキ、墓地からセットするというのが聞き慣れないワードなためあまり浸透していないようですが、デッキ、墓地からのセットも特殊召喚です。ですので、「異譚の忍法帖」の発動に対して「灰流うらら」や「屋敷わらし」で無効にでき、「増殖するG」を打たれたら相手に1ドローを許します。また、「クロシープ」のリンク先に融合モンスターがいる状態でもう一方のリンク先に「異譚の忍法帖」の効果でモンスターをセットしても「クロシープ」の蘇生効果は発動されます。

⑩メイゼンは何にでも反応する
「戎の忍者-冥禪」のテキストには「相手が効果を発動した時に発動できる」とありますが、「竜の渓谷」といった発動時に効果の発動を伴わないカードの発動にも反応します。カードの発動と効果の発動が同じタイミングで発生するかららしいです。「竜の渓谷」で言うと、手札からそのまま発動した時、またはセット状態から表側表示にして発動した時にも反応し、手札を切って、デッキからドラグニティモンスターをサーチする効果にも反応します。

英語だと”When your opponent activates a card or effect”と書いてあるからわかりやすいです(効果の4行目)

8.さいごに

いかがでしたでしょうか。
忍者は非常にトリッキーであるため、考えることも多く回すのは中々難しいですが、その分できることも色々あって楽しいデッキです。また、各カードの効果も強力で環境デッキ相手でも十分渡り合えるだけの力を持っていると思います。
この記事を読んで少しでも忍者に興味を持っていただけたら嬉しい限りです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

おまけ

今までは基本的なことの解説でしたので、あまり具体的な説明はありませんでしたが、ここでは具体例を交えて実践的なテクニックをご紹介していきたいと思います。
ラインナップは以下の3点です。
①先攻1ターン目の考え方、動き方説明
②誘発ケア展開方法紹介
③忍者ミラーの戦い方紹介
ここから先は有料とさせていただきます。忍者って実際にどうやって回すのかが知りたい方、気になる方は、記事を購入いただけますと幸いです。

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