日常会話じゃ使えないけど「わかる〜!」っていうことわざ20選

毎週歌会をやるような、いとみやびなみなさんならきっと、当たり前のようにことわざを普段使いしていると思うんですけど、今日は私的に、会話じゃ使いづらいけど「あ〜!わかる〜!」っていうことわざを「あ」から「お」まで選りすぐってみました。

<あ>
相手変われど主変わらず(あいてかわれどぬしかわらず)
何かするたびに相手は変わっているけど、やっていることは、結局は変わってないという意味。人生とはそういうものなのか。

浅い川も深く渡れ(あさいかわもふかくわたれ)
些細なこと、小さなことでも注意して、油断してはならないという意味。「深く渡れ」っていう言い回しが個人的に好きなのでランクイン。

案ずるより産むが易し(あんずるよりうむがやすし)
ものごとはやってみると、心配していたよりもたやすくいくものであるという意味。難しいと思っていたことも、やってみると意外と簡単だった、みたいな。心配事ってだいたいそういうものですよね。

<い>
言いたいことは明日言え(いいたいことはあすいえ)
言いたいことがあってもその場ですぐに言ってしまわず、一度じっくり考えてから言えという意味。そのときの勢いで喋るのではなく、一度冷静になって考えてからでも遅くはないということ。

戦を見て矢を矧ぐ(いくさをみてやをはぐ)
戦いが起こってから慌てて矢を作るという意から、何か事が起こってから慌てて準備をすることのたとえ。下手したら矢を矧ぐことすらしないときあるかも。

一枚看板(いちまいかんばん)
中心役者という意味から、ある組織や団体の中心人物をさす。聞いたことはあるけど意味はよく知らないことわざのひとつかもですね。

一得一失(いっとくいっしつ)
良い点もあるが悪い点もあるということ。「メリットもデメリットもあります。」を「一得一失です。」って言ったらなかなかの豪傑感が出ますよきっと。

夷を以て夷を制す(いをもっていをせいす)
他国同士が敵対関係になるように計らい、自国の安全を保つこと。この戦乱の世で、もしあなたが参謀を務めることになったら言ってやりましょう。「これぞまさに、王安石いわく『夷を以て夷を制す』でございましょう。」みたいな。

<う>
雨後の筍(うごのたけのこ)
雨が降った後、たけのこがあちこちで生えてくることから、同じようなことが次々に起こるということ。たけのこの里を頬張りながら、ふと頭によぎる言葉。そうか、もう春も終わったんだな。

牛に引かれて善光寺参り(うしにひかれてぜんこうじまいり)
たまたま連れられてある場所に出かけて行くこと。また、誰かの誘いで思いがけない良い結果が得られたこと。しかし何なんだこの語呂の良さは。将来、小説書くとしたら(ない)これタイトルにしよう。

右顧左眄(うこさべん)
あちらを見たり、こちらを見たり、どうも決断しかねて迷っている様子。難しい件の決断を迫られたとき「どうも右顧左眄であります。」と言えば、少なくとも頼りない印象は与えないはず。なにせ最後の楔形文字みたいな字が凄そうな雰囲気を放っている。

馬には乗って見よ人には添うて見よ(うまにはのってみよひとにはそうてみよ)
馬は乗ってみないとどんな馬かはわからないように、人もまた、付き合ってみない限りその人の人となりはわからないという意味。

生まれながらの長老なし(うまれながらのちょうろうなし)
生まれた時から経験豊富で優れた人物などおらず、みんな長い間いろいろな経験を経て立派な人間になるのだという意味。飲み屋で後輩に言ってやってください。

運用の妙は一心に存す(うんようのみょうはいっしんにそんす)
戦術や法則はそれをうまく使ってこそ価値があり、活用できるかどうかはその人の心次第だという意味。〇〇戦略とか〇〇の法則とか、やたら振りかざす人への唯一の防衛手段。最強の盾。まさにイージス艦である。

<え>
枝を伐って根を枯らす(えだをきってねをからす)
木を枯らすためには、いきなり根から取り掛かるのは大変だから、まずは手近な枝を切るところからはじめて、次第に枯らしていこうという意。枝を切っちゃったがために根を枯らしてしまったみたいに捉えらそうだが、手近なとこから手をつけて、その上で根本的なところを処理しようという実はゆるーくちょっとポジティブなことわざ。

縁は異なもの、味なもの(えんはいなもの、あじなもの)
男女の巡り合いは予想がつかないものであり、またそれが面白いところだという意味。語呂の良さに惹かれてしまった。朝ドラのタイトルでありそう。いや絶対ある。

選んでかすを掴む(えらんでかすをつかむ)
選り好みしすぎたために、かえってどうでもよいもの、悪いものを選んでしまうという意味。行き慣れない中華料理屋でやりがちな行為。

<お>
負うた子に教えられて浅瀬を渡る(おうたこにおしえられてあさせをわたる)
背中におぶった子に浅瀬を教えてもらい、川を渡ったということから、人は時には年下や経験の浅い者から何かを教わることもあるという意味。

岡目八目(おかめはちもく)
当事者よりも第三者の方が冷静に観察できるため、かえって正確な判断ができるという意味。

遅牛も淀、早牛も淀(おそうしもよど、はやうしもよど)
遅い早いの違いはあれど、行き着く結果は同じであるから慌てても仕方ないという意味。「淀」は京都の淀。遅刻した時の電車の中で自分に言いきかそう。

尾を振る犬は叩かれず(おをふるいぬはたたかれず)
人懐っこい犬は人から叩かれないように、愛想よく振る舞う人は誰からもひどい扱いを受けないという意味。

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