六道慧の花暦 - 2月(3)落語あれこれ
六道慧の花暦です。
本編には、落語が登場します。私が子供時代を生きた昭和には、落語というのはとても身近な娯楽でした。土曜日や日曜日の午後は、落語だけを放送するテレビ番組があったのを覚えています。母が洗濯物をたたんだり、アイロンかけをしたりするのを手伝いながら、今で言うところの『ながら見』ですかね。やっていた記憶があります。
粋や洒落がわからない子供にとっては退屈な番組でしたが、それがDNAに刻み込まれていたのでしょうか。
物書きになった後は、ごく自然に取り入れられるようになっているのではないかと(本人の勘違いかもしれませんが)思います。
好きだった落語家さんは、古今亭志ん朝さん。だったという過去形でおわかりのように、61歳だったか、62歳だったか。亡くなられてしまいました。驚きでしたね、ただただもう吃驚でした。
華と上品な色香(いろか)を併せ持つ稀有な落語家さんだったと思います。こう、襟をぬいた仕草で女性を演じるときに、なんとも言えない品がありました。
「いやだよ、おまえさん」なんて言いながらね。仕草や話し方がもう、すごくよかった。もっと長生きしてほしかったなあ。そう思っている方、多いのではないかしら。
最近は落語だけの番組などは、なくなりましたね。たまにNHKで演っていることがありますが、後で気づいたりして、録画もできなかったりする。ここにきて、また、落語と講談ですか。静かなブームがきているように感じます。
昔ながらの演芸は、続いていってほしいですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?