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くりきんとんがゆく vol.18「ものづくりとまちづくり」

「くりきんとんがゆく」は、毎月第一金曜日、FM川口が午後7時からお送りしているラジオ番組「メタリックフライデー」で、DJおやっさんが担当するコーナーです。ここには、そこでお話した内容を記録していきます。

2023年3月3日放送分より。。。

きょうのBGMは、La La Means I Love You / アルトン・エリス。オリジナルは1960年代後半から1970年代前半に活躍したフィラデルフィア・ソウルのボーカル・グループ、デルフォニックス(The Delfonics)で、その代表曲、邦題は「ララは愛の言葉」で、ジャクソン5などがカバーした名曲です。

アルトン・エリスは、ジャマイカ出身の歌手、ソングライターで、ジャマイカで発祥したポピュラー音楽ジャンル、ロックステディを確立したミュージシャンと言われています。

NHK朝ドラ、舞い上がれ!のすごい盛り上がり

さて、今日は「ものづくりとまちづくり」というテーマでお話します。NHK朝ドラ、舞い上がれ!が終盤にさしかかってすごい盛り上がりを見せていますよね~。東大阪の町工場、ねじ工場イワクラの娘の舞ちゃんが、地元の町工場を巻き込んで盛り上げようと奮闘しているんですけど。

ごくごく一部では、イワクラのモデルは栗原精機なんじゃ?とささやかれたりしてて。もちろん一切関りはないんですが、たしかにオープンファクトリーをやったり仲間の自社製品開発を後押ししたり、そう思う人がいてもおかしくないくらい、やってることが似てるのはたしかです。これで、舞ちゃんが地元のラジオ局でものづくり応援番組でも始めたらますます怪しいっていわれますね。

実際、東大阪で町工場を盛り上げるために活動している人はいて、知り合いだったりしますし、町工場プロダクツにも大阪の会社さん多数います。こちら川口では商工会議所さんもいっしょに製造業、町工場を活性化するために力を合わせているいろいろと仕掛けています。

川口まちこうば芸術祭

ちょうど、いま、頑張っているのは、来週の水曜日、8日から始まる川口まちこうば芸術祭というイベントでして、川口市内の町工場5社と各界で活躍中のアーティストさんがコラボして、この芸術祭のために新たな作品を制作して皆さんに見ていただこうという、アートギャラリー・アトリアで開催します。一部の作品は、商品化を目指して開発していて、購入してもらうこともできるように準備してます。

川口は江戸時代から続くものづくりの町なのだけど

そもそも川口は江戸時代から続くものづくりの町なんですが、近年は廃業する工場が多く、その跡地には住宅、マンションが立ち並んで、町の様子はどんどんとかわってきています。むしろ、住みやすい街のランキングで1位に輝いたり、工場が立ち並んでいた時代とはまったく異なるイメージになっていますね。

ただ、人が増えてにぎやかになっただけでは町の活性化にはつながらないと思います。そこに住んでいる人たちが自ら地域環境をよくするために動かなくては。そのためにはそこに住んで生活する人たちに、まず、地元愛を持ってもらう必要があります。

川口にはとくに象徴的な観光資源があるわけでもなく、古くから培ってきた町の文化を新しい住民になじんでもらうのは難しいのかもしれないです。川口の歴史、文化を育んできたのはものづくりであり、町工場だったし、今でも脈々と受け継がれているわけで、これを地域の資産として、まちづくりの
ベースにしていきたいと思っているんです。

NHK跡地の広大な土地に、スキップシティに続く新しい施設が建設される計画があって、ここが、地域の産業支援の拠点になるという話を聞いています。これには、ぜひとも、我々、町工場も参画していきたいし、実際、市の担当の方と意見交換もさせてもらっています。また、コロナで中断してそのまま終わってしまいそうになってる川口のオープンファクトリーも、朝ドラ効果で復活するかもしれないし。どんどん、そういう輪を広げていきたいと思いますね。

ただ、一方では、地域貢献なんて余裕のある力のある会社じゃなきゃむり。忙しくてそんなことやってる余裕ない。そんな声も聞こえてきそうだけど。

将来を見据えて10年後の飯のタネは、今、まいておかなくちゃ

自分の会社の将来を見据えて、10年後の飯のタネは、いま、まいておかなくちゃいけないっていうのが自分の持論で。まちづくりのタネがいつどんな芽を出して花を咲かせるのか、ちゃんと実がなるのか、それは分からないけど、言えることは、種をまかないことには収穫を得られないことだけは確実だってこと。

なにかというと費用対効果って言葉をもちだして、それって意味あるんですか?みたいなこという人もいるんだけど、たとえば、川口まちこうば芸術祭、参加企業の持ち出す金額がハンパないので、それ言っちゃうと始まらない。だけど、お金、金額では表せない大きな収穫があるから続けているわけで、だから、明日の飯のタネにしか興味がない人には、見に来てほしくとは思わないし、心に残る、完成に響くものづくり、そんなキーワードにちょっとでも関心が向く人には、ぜひ、足を運んでもらいたい。作品に込められた我々の技術や思いや熱量が必ず伝わると思いますので。

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