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くりきんとんがゆく vol.20「なぜ、町工場が自社製品?その2」

「くりきんとんがゆく」は、毎月第一金曜日、FM川口が午後7時からお送りしているラジオ番組「メタリックフライデー」で、DJおやっさんが担当するコーナーです。ここには、そこでお話した内容を記録していきます。

2023年5月5日放送分より。。。

きょうのBGMは、ヒール・ザ・ワールド / カシーフ・リンド。原曲はマイケル・ジャクソンでおなじみ。こどもの日にかけるのにふさわしい名曲かな?と。カバーしているカシーフ・リンドは1990年代から活躍してるジャマイカのレゲエシンガーで、2012年に『A Reggae Tribute To Michael Jackson』というアルバムを出していて、その中から選んでみました。

なぜ、町工場が自社製品?

テーマの「なぜ、町工場が自社製品?」ですが、一昨年、2021年の10月、第3回目のくりきんとんがゆくで同じテーマでやっていて、今回、その2です。

前回は、いわゆる町工場、ものづくりの中小零細企業が、わざわざお金と時間と労力をかけてまで、自社製品ブランドを展開しようとするのか。というお話でした。それは、もちろん、ヒット商品を出して一儲けしたいという気持ちがないわけじゃないけど、でも、世の中そんなに甘くはないわけで、これはいいぞ!と思った製品も、たいていは、頑張って開発した割には、なかなか売れない。そもそも売り方も知らないし、ほぼほぼ、自己満足で終わっちゃうのが関の山。それでも、町工場だって新しい仕事を得ようとするならば、売り込みとかPRは必要なんだけど、持っている技術を見せるっていうのが難しい。なぜなら、出来上がった製品をサンプルとして見せるというのは、お客様の機密情報をばらしてしまうことになるから。そこで、自社の技術を最大にアピールできるのが、自社製品だと思う。というようなことをお話したかと。

裏テーマ、町工場は自社製品開発をやるべき!とは言えない

今回は実は裏テーマっていうのがあって「町工場は自社製品開発をやるべき!と必ずしも言えない」っていう、ツイッターでつぶやいたことなんですけどね。前に言ったことと真逆じゃんて思われそうですけど。

とりあえず、請け負い加工屋としてしっかりと稼げていて利益出せていて、ちゃんと将来的に向けて安定が望めているなら、わざわざ自社製品開発なんてやることはないってことなんです。逆に、本業がおぼつかないからって、自社製品でもやって起死回生を狙うっていうのも、やめておいた方がいいです。っていうか、それはそもそも無理だし。

遊び半分で、面白いもの作ったよ~とか、自分の欲しいものを隙間時間で作ってみたっていうのは、いいとして。ものづくりの工場やってるんだから、環境も整っているし、そもそも、何かを作り出すこと自体好きなわけだし。まずは、自己満足でもいいじゃない。お気に入りのものができたら、お披露目して、ほめてもらえたら素直にうれしいし、意見とかアドバイスをもらえたら技術の習得につながるかも。

結果とは商品の売上だけじゃない

そこから一歩踏み込んで、事業を拡大しようとか新規開拓につなげようとかという、自社製品開発に期待とか目的とかを持つのであれば、相当な熱量を注がなくてはいけないということなんですよ。やるとなったら、結果出るまでやり抜く覚悟決めて。(ただし、ここでいう結果とは商品の売上だけじゃないんですけどね)

時間とコストかけてでも、新たな道に進むべき!との決意があるならば、ぜひ町工場の自社製品開発、やりましょう。自社製品をもって、自分の会社の活性化につなげていこうって決めたなら、ぜひ、町工場プロダクツに参加してほしいです。町工場プロダクツの考え方っていうのは、生業としてのものづくりは勝った負けたの世界じゃない、誰かを負かして利益をあげる商売はしない。そのうえで、自社製品開発だけが唯一の道とも思っていない。自社製品は、未来を切り拓くきっかけのひとつだってことです。

もし、お時間あれば、5月いっぱい、渋谷ロフトで全国から集まった町工場の魂込めた製品を見ていただきたいです(買ってもらえたらなおうれしい)

9月のギフトショー、こちらは3日間の展示会になりますけど、ここでは、熱い思いを持った町工場の皆さんと直接会ってお話もできますし、日本中からありとあらゆる商材が集まる大きな見本市のなかで、1社1社は小さな町工場ですけど、その力が結集して大きなパワーを生み出している様子をご覧いただけたら、と思っています。

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