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情シスの副業案件増えて欲しいという記事

Twitter(現X)で見て色々を思うところはあったものの、どうしても強い言葉しか浮かばなかったこちらのスレッド。

他でも「経験を積みたいなら一人情シスがベスト」みたいな論調も見るので、まとめて自分の考えを書いておこうと思います。

ちなみに私は部下もいなけりゃベンチャー企業で働いたこともないので、実態と大きく乖離してるはずです。
なので最後に「知らんけど」ってつけておきますね。


役割に沿った動きをしよう

まずマネージャーがタスク受け取った時点で選択肢はメンバーに振る、以外にないと思ってます。
もちろん様々な要因で手を動かすことはあるとしても、OOTBよろしくまずはその役割の定義をベースに考えたほうが良いですね。

役割は会社から任命されるものであり、役員から期待されている動きですから、そこから外れることは直接的な言い方をすると「評価されない」動きになります。
なので、役員からマネージャーにタスクを渡す=「君が作業してね手段は任せるので完了まで責任持って推進してね」ということのはずです。

更にメンバーが対応できるかどうかを判断条件に置いていることに違和感があって、まずメンバーにどの領域を主体的に担当させるということがなさそう印象を受けました。
できる人にやる、で進めると属人化の要因になりますし、意欲はあるけどできるか分からない人がチャレンジして経験を得る機会を奪うことになります。
それはマネージャーというメンバーのキャリア形成に責任を持つ立場としては健全ではない気がします。
なので、上記のようなことが発生する原因はざっくりと2つの理由がありそうかなーと思いました。

  • マネージャー視点

    • 自分の立場を把握できていない

    • メンバーの担当領域を決めていない

  • メンバー視点

    • 自分の立場を把握できていない

    • マネージャーとの信頼関係が不十分

なので、マネージャーのミッションというよりは、そもそもチームのミッション・バリューが定まってないのでは?という感想です。
上記の伝え方ではなんか言い訳がましく聞こえる(=真意が伝わらない)メンバーもいそうだなーと思いますねー。

「マネージャーに固有の業務があろうとなかろうと、XXの領域を担当しているのはメンバーなのでこのタスクは任せる。勿論分からないところはマネージャーがサポートするけれど、最終的にどうするかを決めて推進するのはメンバーだ。それによる成果評価はメンバーのもの。失敗した時の責任はマネージャーのもの。」という話をするのが大事かなと思いました。

知らんけど。

経験が得られる機会は意外と少ない

ここからは横道にそれます。

そもそもコーポレート関係の業務は何かしらのシステム導入や運用改善が主な領域にも関わらず、一度実施されると再び経験する機会がほぼ社内では発生しない業務が間々あります。

オンプレミスとクラウド

システムのリプレイスなどですね。
オンプレミスの場合は数年おきに保守の関係でリプレイスの機会があったと思いますが、クラウドの場合は明らかに機能面に不満が出たり余程費用対効果の良い製品が出ない限りリプレイスすることはほぼ無いなぁというイメージです。

社名変更など

会社名変更によるドメイン変更作業などは本当に運と巡り合わせによるので、経験できる母数が少ない上に得られるものも希少性が高いです。
更にまとめてアウトプットされるとなると貴重さに拍車がかかるわけですね。

IPO(新規上場株式)対応

IPOもベンチャー企業に在籍していれば機会はあるかもしれませんが、そもそもベンチャーなので上場するか(出来るか)はまた別の話。
事業が軌道に乗らなかったり、上場前に買収されたりしますからね。まぁそれはそれで貴重な経験ではありますが。。
この辺りは本当に一人目の情シスとして参画しないと出会うのは難しい気がします。

地理的な事情

都市部と地方でもまるで求められるスキルが違いますね。
これは簡単に言えば経営者のリテラシーなどが大きく影響していると思います。

一人で何でもやるのが良いのか?

じゃあ一人で全部やるのが果たしてベストなのか、という話をしたいと思います。
所謂一人情シスと言われるやつですね。

当然何でもやるので経験値がかなりたまります。
二人目やチームがある程度出来ている会社で得られる経験値とは雲泥の差があります。
なので、経験出来るならできる限りやったほうが良い、というのは一定説得力のある話。

とはいえ、一人情シスだと単純に課題に対してのリソースが圧倒的に足りませんし、ヘルプデスクなどの定常業務も大事大事です。

そうすると、課題解決に割くリソースは自ずと限られます。
定常業務についてはジョーシスなどの製品が出てきているので、うまく活用する必要はあります。
(導入・運用まで経験できたものの、運用のリソースが剥がれなくて徐々に定常業務が圧迫してくるパターンもありますからね。。。)

課題があるとすると、当人のパフォーマンス以上の成果は絶対に出てこないということですね。
企業として組織を長期運営する上で屋台骨であるコーポレート部門が自身のパフォーマンスのせいで企業の成長が頭打ちになるのはなるべく避けたいものです。
なので、一人情シス自体は様々な要因で発生してしまうことはある種仕方ないものの、チームで取り組めるならそれに越したことはないと思います。

どうせ経験するなら効率的に

ここからはベンチャー企業など情シスをこれから採用する、もしくは部署として立ち上げようとする方向けに考えてみました。

ダイジェストとして個人的には以下3点を抑えたいなと思ってます。

  • ヘルプデスクやPCキッティングなどはある程度外注

  • 企業の課題を解決することにリソースを全力

  • シニアレベルを一人副業でつける

定常業務の外注

勿論ヘルプデスクやPCキッティングも大事ですが、作業内容を把握しているのであれば外注するなり業務委託などに任せるので十分ですね。
自動化も大事ですがやはりイレギュラーは起こってしまうものなので、育成等考えると自動化だけが正義でない感じですね、この辺は好みやウェイトを置いているポイントが影響しそうです。

課題解決へのアプローチ

正社員である以上、生産性のある業務をして欲しいものです。
情シスはプロフィットセンターではないですが、会社に深く関わるメンバーとして課題解決による全体の底上げに貢献することはできます。
なので、定常業務を遅滞なく回すのと同じかそれ以上に大事なのが課題解決ですね。
自力で課題を見つけ、手上げして解決までやりきったのであれば、必ずその経験が貴重なものになります。(転職とか)

なぜシニアをつけるか

やはりベストプラクティスや経験に基づく無用なハマりは回避しておくに越したことはないためですね。
自分で脳みそに汗かいて調べたり考えるのも良いですが、攻略本片手にベストプラクティスを見つつ、自社にあった構成を考えるのが良いです。
ベストプラクティスを探すので精根尽き果ててしまって、その方法がマッチしているかまでチェック出来なかったら非常にもったいないですねー。

リソースがもったいない!!!!

こればかりは資格勉強とかそういう類のもので得られるわけではなく、純粋に業務経験でのみ得られるものだと思います。
世の中にはベンチャー企業で情シス立ち上げを行っては別の企業でまた同じことをしているつよつよベテラン勢がいますので、そういう人に期間限定で業務委託すると大きく外れることはないかなと。
もしくは、ある程度チーム体制が出来ている中堅・大企業の中の人を副業でお願いする、ですね。立ち上げ経験はなくともゴールが見えているのでゼロベースよりはずっと方針が決まりやすいです。

なぜ副業なのか

意図的にリソースを絞ることで擬似的な一人情シスの環境を整えられると思います。
これがどちらもフルタイムだとマイクロマネジメントのリスクや責任の分散などが生じるため、運用の安定化という意味では良いのですが若手の育成という観点ではどうしても劣ってしまうかなぁと。
企業としては二人も(もしくはシニアは)雇えないベンチャーなどは積極的につよつよ勢を副業で取り入れていくのはアリよりのアリ。

副業する側としても、単純にその時環境を構築すればOKってわけではないのはわかっているはずなので、ナレッジをその企業に残すという意味でもドキュメント以上にプロパー人材に知見を渡せるのはwinwinですねぃ。
(偏見ですがこのあたり本業コンサル勢よりは本業情シス勢の方がちゃんとしているイメージ)
日中は本業があるので作業はNGでも非同期コミュニケーションによるコンサル業務ならOKな人は多いと思います。

とはいえそんな人脈ないよ、、という方は、改めてTwitter(現X)で探してもいいですし、質が不安なら仲介業者を挟むのが良いでしょうね。

CTOやCISO希望だったり、そこまでじゃなくても部長職がほしい場合はそのまま正規登用を交渉するのもありかもですねー。

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