♯3:理想の万年筆
皆様ごきげんよう、KIRCHAです。
♯0〜♯2まで、私の万年筆の変遷を書いてきましたが、今回の♯3はその続きから現在のお話。また長くなりそうなので気長にご覧くださいませ。
カレンを手に入れ、もうこれで自分に合う万年筆はないであろうと思っていました。スーべレーンM600系やメトロポリタン等色々と入手し、ここまでで自分に合う万年筆はほぼ全て触れてきました。
ところが、ふと頭をよぎる存在があったのです。
万年筆に触れはじめた頃、盛大に勘違いをしていたある物。
モンブラン マイスターシュテュック149です。
情報を集める限り、大多数の人が理想とする最高の万年筆です。が、高い・・・。
こればっかりはよく考えて決めないといけない。もし買うにしても、相応の覚悟が必要であると。
なので、ふだん私はあまりしないのですが、いちど試筆をしてみようかと。店舗に赴いて試してみました。
・・・。
・・・?
・・・ん?
・・・あれ?
なんか、思ってたのと違ったのです。
書いてる感じはそれまでとは違い、とても良かったのです。いい万年筆なのは分かったのです。が・・・。なぜか違う気がしました。
もし私が書く仕事をしていたなら、これを選んだのかも知れないですが。いやでも、そうであったとしても、私は選ばなかったかもしれません。
書くことに関しては素晴らしいのですが、私らしさがないような気が、この表現が正しいかどうかは難しいところなのですが、私はこの万年筆が「面白くなかった」のです。これをずっと使い続けられるだろうかと考えると、私は飽きそうだなと思ってしまいました。
やはり、私はペリカンなのかなと、ふと思い立ってスーべレーンM800を試してみました。
・・・あれ、これも・・・違う。
M600はすごく気に入っているのです。よく使っています。ですが、M800を試筆してなんとなく気づいたことがあります。
私は、柔らかめのペン先が合わないのだと。
マイスターシュテュックやM800系は比較的タッチが柔らかく、故に万人に選ばれる万年筆としてその名をよく知られています。
ですが、筆圧の弱い私とは相性が悪いようで、それが理想にはならなかったようです。
これで確信しました。私に合う万年筆はこれしかないと。
私の理想を完全な形で叶えている万年筆。AURORA オプティマです。
重量も丁度良く、センチュリーに近いけど独自の書き心地を持つこれが私の感覚に一番合いました。
実はこのオプティマですが、知ってる人も多いかと思われますが、軸が折れる万年筆でちょっと有名です。
インク窓の部分から首軸が繋がっている箇所がキャップの切り欠きになっているため、強く締めるとその勢いで折れてしまうことからこの話が出てきています。ちなみに現行のオプティマは切り欠きとインク窓の間が少し空いているため、以前よりは折れにくくなっています。また締めるときに注意することで問題なく使えるので、上記の噂を気にされている方もご心配なく。
アウロラの万年筆はその独特な書き心地から、シャリシャリしているとよく言われます。私は研ぎたての鉛筆で書いた時の感覚に近いのかなと思っています。またこれが書いていてとても心地良く、「書く」という実感と達成感をとても良いバランスで実現しているなと思います。オプティマだけでなく、他のアウロラ製万年筆は同じような独特感がありますので、気になった方はエントリーモデルから触れてみるのも良いと思います。イプシロンが手頃かなと思います。
インクは同じメーカーのフラコーニアウロラ100 ブルーネロを使っています。
ブラック系と同じくらいブルーブラック系のインクも大好きで、このブルーネロは黒に近いブルーブラックの中では渋めで気に入っています。こちらのシリーズではないアウロラのブルーブラックもありますが、それより黒が強めです。少し青が強い方がいい場合は通常のアウロラ ブルーブラックをオススメします。
以前も書きましたが、私は筆圧が弱いため、どうも軟調系のニブがやや苦手の傾向にあります。人気のあるパイロットのエラボーやいわゆるフレックスニブがこれに該当します。
ニブの硬い万年筆は一般的に筆圧の強い人に向くのですが、逆に筆圧が弱いと軟調ニブではまともに書くことができないため、筆圧の弱い人にこそ、硬めのニブを私はオススメしたいです。
さて、私の万年筆の歴史を巡る物語(そうだったの!?)は現在のところまで辿り着きましたので、ここから先はその時に出会ったものや他の事をネタに書いていこうと思います。少々長いのが曲者ですが、これからもどうぞお付き合いくださいませ。
では、本日はこの辺で。
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