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ベルリン飛行司令/佐々木譲

第9回はベルリン飛行指令/佐々木譲です!東西ミステリベスト100(国内版)91位の本書を読了。レビューします。
※尚、予告後にネタバレがあります。


1.基本データとあらすじ

1-1.基本データ

1-2.あらすじ

1940年、欧州戦線で英国スピットファイアに苦汁をなめていたドイツ空軍は極秘情報を入手した。日本で画期的な戦闘機が開発されたというのだ。驚異的な航続距離を誇る新戦闘機、その名は“タイプ・ゼロ”。三国同盟を楯に取り日本に機体移送を求めるドイツ。日本海軍の札付きのパイロット安藤、乾の二人に極秘指令が下った。張り巡らされた包囲網の下、零戦は遥かベルリンの灯を目指す!

新潮社サイトより

2.主観的評点と向き/不向き

2-1.主観的評点

主観的評点は以下の通りです。

2-2.向き/不向き

向いているひと
・胸がアツくなる冒険小説が好きな人
・歴史ミステリが好きな人
・零戦やスピットファイアと言った、航空兵器が好きな人

向いていない人
・館モノやクローズド・サークル等本格ミステリしか読まない人
・兵器の名前、世界地理、歴史に興味が無い人

3.ネタバレと感想

以下、核心の部分に触れておりますので未読の方はご注意ください。











3-1.ミステリの結末

ベルリンに辿り着く事が出来たのは安藤大尉のみ。乾曹長は、イラクの英空軍襲撃の際に被弾し、零戦が故障。追っ手英軍機の囮となり、安藤を逃した。

その後、トルコ/イタリアと巡行を続けた安藤はドイツに到着。以前、航空技術を学び合ったグラーフ大佐と再開。捻り込みを披露。

零戦のドイツ空軍への展開については装備面、設計思想の点から不採用。ナチスドイツに零戦を完璧に解剖されてしまった帝国海軍は情報漏えいを懸念し、公式文章から一切を削除。

安藤と乾の存在は歴史の表舞台から消える。

3-2.ネタバレ感想

東西ミステリベスト100国内版のうち、ベスト3に入るのがこの『ベルリン飛行司令』です(2回読みました)。

日本人の魂(ソウル)である零戦をしかも日独伊三国同盟締結化にベルリンまで飛ばす。こんな気宇壮大な物語(パイロットだけで無く裏方の努力も描かれます)にただただワクワクしっ放しの読書体験でした。

冒険小説は一応、ミステリに入るのだけれど、殺人事件が起きる訳でも無く、館に閉じ込められる訳でも無い本作と出会えた事は僕の読書体験の幸運でした(本質的に僕はミステリ好きと言うより冒険小説が好きだとも気付けた)。

自宅の地球儀とGoogleマップを手元に置いてじっくりと読了しました。

途中、個人的には不要と思われる恋愛要素も有るのだけれど、割引くとしてもその位じゃないでしょうか。

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