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191028 国立国会図書館

日本には「国立図書館」は3館しかありません。東京・永田町にある国立国会図書館と、国立国会図書館関西館、上野公園に隣接する国際子ども図書館です。一般に「図書館」として利用される図書館は市町村立図書館で、都道府県立図書館は、規模が大きく、市町村立図書館のサポート役としても機能します。社団法人や財団法人などが設立する私立図書館は、全国で19館しかありません。他に大学図書館、学校図書館(図書室)がありますが、「公共図書館」に該当するのは都道府県立図書館、市町村立図書館、私立図書館です。国立図書館や学校の図書館は「誰でも利用できる」訳ではないため、「公共図書館」とは呼ばれません。各省庁にも図書館が置かれますが、法案調査用で、これらが一体となって国会図書館を成します。法案作成のサポートが主目的であり、一般市民へのサービス提供は副次的に発生しているため、やはり「公共図書館」ではありません。

そんな特殊な国会図書館ですが、更に特殊たらしめる要素の一つであるのが、国内すべての出版物を受け入れる納本制度。必然的にここにしかない貴重な資料も多数存在するため、貸出は行いません。資料は基本的に利用者が手に取ることができない書庫に置かれ、請求に応じて職員が取り出し、カウンターで受け渡すことになります。一般の図書館でイメージする、書架の資料を直接手に取って選ぶことができる開架式と対比し、閉架式と呼ばれます。随分閉鎖的と思われるかもしれませんが、半世紀ほど前迄は、日本の図書館は大半がこの方式でした。数少ない閲覧席を確保するため、開館前には夏の炎天下でも長蛇の列ができるのが常でした。とか言いつつ、僕もその時代は知らないのですが。「講釈師見てきたような嘘を言い」僕は講釈師でもないし、嘘でもないけど。

とは言え、18歳以上であれば誰でも登録手続きを行い、利用することができます。資料の持ち出しを防ぐため、手荷物はロッカーに入れ、貴重品など携行したいものは備え付けの透明なビニール袋に入れる必要があります。非接触型ICカードでもある登録証で自動改札のようなゲートを通り、新館に足を踏み入れると吹き抜けのロビー。建物全体が巨大な書庫とも言えるため、閉鎖的な旧館では「自分が今どこにいるのかわからない」という声が寄せられたこともあり、自然光を取り入れた設計となっています。

入ってすぐには国会図書館の紹介を行う部屋もあります。所蔵する特徴的な資料や、蔵書検索をオンライン上で行えるようになる前に使われていた目録カード、カードサイズに最適化したコピー機など、図書館の歴史、本の歴史を実物を通して感じることができます。本館と関西館、国際子ども図書館のミニチュアも展示されており、震災が起きた時にどんな状況にあって職員はどこにいたかなどの話を聞くこともできました。

「見てきたような嘘を言い」という感じで書き連ねてきましたが、一般的な利用より踏み込んだ体験ができたのは、司書講習でお世話になった先生に案内いただいたからです。同じく講習の修了生が20人近く集まり、ちょっとした同窓会気分。「お久しぶりです」確かにそうなのだけど、一月半間隔でお会いできるとは夢にも思いませんでした。この後懇親会も開かれましたが、僕はちょっと野暮用があったので、図書館見学後は早々に退散しました。どこへ行ったか? 続きはまたの機会に(あるかしら?)

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館内は撮影禁止なので、外だけ。こんな距離感です

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