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『リアル違背実験(社会学的異文化適応指南1)』

異文化生活とは何か?という問いの一つのあり得る答え。違背実験により、自分の移り住んだ文化の中に存在している、暗黙のルールを知り、そのルールに則ることができるようになることで、その文化に適応しようと試みること。

違背実験については、YouTube動画の「ノンバイナリー的ジェンダーの社会学講義1-2」を参照のこと。

皆んなが暗黙のうちに従っているルールは、つまり規範は、それを侵してみることで、どういうものかが分かる、というのが違背実験によりガーフィンケルが示そうとしたこと、だろう。

新しく住み出した家では、前に住んでいた家などなどで求められていた気遣いのやり方を要求されない。それは”How are you doing?”と聞いて、相手の状態を確認して、相手の予定を確認して、現在の心理的負荷などに気づかい、それを日々欠かさず行え、みたいなやつ。もちろん、人により程度はある。

でも新しい場所でも、ルームメイトたちを互いに気遣わない、という訳ではない。例えば、まず、なるべく、相手の邪魔にならないようにする。これは、皆んな一人でいたいことが前提になっていて、その前提がまず、異なると思う。

音を立てないようにする夜10時から朝8時までのクワイエットタイムがある、みたいなことではない。それ自体、規則正しい生活ができる仕事をしていないと、従えないやつだし。ナイトライフがあるここでは、ドラァグのショーは22時以降。合わせられない。しかし、一人はいつも音を立ててるタイプで、もう一人は足音もしない忍者タイプ。忍者タイプは、夜勤の多い仕事してる人に多く、クワイエットタイムありの家にも適応できるけどね。

現在の家では、基本的には、何か出来ることがないか考える、その気持ちを心の片隅にキープしておいてくれて、思いついた時に具体的に何かのオファーをしてくれて、可能な限り何とかしたいから何でも言ってみなと、そういうことを、そのまま伝えてくれる。ものすごくシンプル。

また、無理しては、何もしない、のが前提。これも、何となく分かる。ルールは明文化してあって、なのに分かりにくいより、コミュニケーションの中にアリアリとある方が、分かりやすいというのも面白い。私は率直に言われないと分からないことがほとんどなんだけれど、それは自分の従っているルールと余りにも違うものに従うことを要求されていたから、かもね。

以上のような共同生活の仕方は、何か問題が発生した時に、アイツは「気づかえ、気づかえないなら、仲間でない」というルールに従っていなかったから仲間でない、という結果になるようなコミュニケーションやそのルールとは、逆な気がする。加えて、気づかわなくていいよ、という建前でいながら、気づかえないなら仲間でない、というルールを振り回されるより、ずっと安全。まず、何が気遣いになるのか自体、文化により異なるから、だ。

「まず気づかえ、それを相手の予定や気分の把握によって行え、だからHow are you? が挨拶」という暗黙のルールに振り回されて、本当に疲れた。AFABドラァグも同じルールを使っている。念のために言うと、これまで住んでいたのは、AFABハウジングだった。クイアハウジングでもね。

ここで、ネットワーキングするドラァグの種類も絶対に切り替えるべき。それは、簡単。新しいルーミーに聞けば良い。彼の友だちに繋いで貰えばいい。なんて、ジェンダーバイナリーなんだ。やれやれだわ。第一、AFABならキングなはずって、何やねん。まぁ、今のところ、今のルーミーもそう思っているけどね。それは、少しずつ説明したらいい。

しかし、である。「気づかえ、気づかえないなら仲間じゃない」ルールとは、違うルールに、こちら側の人たちは従っているはずなんである。なので、これを侵すとまた面倒いことになるだろうから、早めに探求することにしよう。

なんだけど、失敗しないと分からないのよね。そもそも論理的にも、最初に述べたように、そうなっている。

明らかに侵してしまう状態より手前で、確認したらいいと思う。ダブルチェック。このダブルチェックというのが、もう一つのキーワード。次には、これについて説明することにしよう。



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