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キンプリ最期の日に寄せて

5月22日。
遂にこの日を迎えてしまった。FC動画でのあの発表を受けてから、どれだけこの日が来なければと願ったことか。現実は残酷だと改めて思わされる。
発表から半年が経ったが、一向に現実を受け止めきれないでいる。
『Venue101』でのメンバーの涙を観ても、平野のあの「ありがとう」を聴いて涙しても、心のどこかで嘘だと思いたい自分がいる。
ツイッターでその想いや、彼らへの想いを延々と叫び続けようと思ったが、何字になるか分からないので、noteに粛々と書き綴っていきたいと思う。

それまでジャニーズはおろか、アイドルには縁遠かったアラサーの男を5年間も夢中にさせたKing&Princeというグループは、改めて恐ろしいグループだと思う。
私がキンプリに初めて触れたのは『花のち晴れ』だった。そこで平野紫耀というタレントを初めて認識した。
たしかに容姿は整っているが、特別演技が上手いワケでもなく、声はガサガサ。またあの事務所のゴリ押しか。
それが私が彼に抱いた第一印象だった。
そのようなどこか捻くれた印象だった為、当然、彼が演じる神楽木よりも、中川大志演じる天馬と音ちゃんがくっつくべきだと思っていた。
しかし、その認識を覆したのはCDTVだった。たしか『シンデレラガール』を初披露する回だったかと記憶している。
そこで披露したパフォーマンスに、私の目は釘付けになった。
圧倒的なフレッシュさと華やかさ。その中にたしかに見える各々のパフォーマンスの実力。『花晴れ』の時にはノイズにしか聞こえなかった平野の声は甘く、王子様然とした曲のコンセプトに深みを与えていた。
眩いくらいの輝きを放つ若者たちの姿がそこにはあった。
『この子たちはとんでもないスターだ』
初めて彼らを見た時にそう直感した。ジャニーズ素人の男にさえ、そう思わせるたしかなパワーとスター性が彼らにはあった。
一瞬で心を奪われた私は、彼らのことをもっと知りたいという衝動に駆られた。
気がつけば、彼らのジュニア時代の動画をYou Tubeで漁っていた。『情熱の色』や『PrincePrincess』など、少クラの動画を何回も繰り返し観た。
あれだけの人の心を掴むパフォーマンスができるのに、当の本人たちは揃いも揃って天然揃いという面白さを知ると、彼らがより一層、魅力的に見えた。
次第に『花晴れ』を観る目も変わり、回を重ねるごとに天馬よりも神楽木を応援している自分がいた。
彼らを観れば観るほど、その魅力の虜になっていった。
気がつけば、私はすっかりオスティアラになっていた。

あの出会いからもう5年が経った。
この5年間、彼らにはいい夢を見させてもらったような気がする。
元気がない時に彼らの歌を聴き、パフォーマンスを目にすると、『彼らも頑張っているのだから自分も頑張ろう』と自分を鼓舞することができた。
前職が辛くて、辞めたくても辞められずに躊躇していた時は『君を待ってる』に背中を押されて、退職をすることができた。そのお陰で今は楽しく生きることができている。
キンプリが居なかったら、きっと今の自分はないと断言することができる。
そのくらい、私にとってキンプリとの出会いは大きなものだった。
しかし今、その彼らとの別れの時が来てしまった。
永瀬・髙橋は残るが、私は5人のキンプリ…いや、もっと言えば、6人のキンプリが好きだった。
名前は残っても、当初のメンバーの2/3がいなくなってしまうとなれば、それはもう別物として感じてしまう。
正直に言って、新生キンプリを、そして退所組をこの先、応援することができるかどうか、今の時点では自信がない。
この5年間があまりにも楽しくて、彼らに心躍らされ、勇気づけられてきたいくつもの思い出が消えないからだ。
明日の私は何を思っているだろうか。二人だけになったキンプリを観て、どんな心境でいるのだろうか。それは今の私には分からない。
しかし、たとえ彼らのことを『応援』はできなくても、『尊重』はしたいと思っている。
彼らは分裂について、あまり多くのことを語ってこなかったが、これからのキンプリを背負っていく永瀬・髙橋、去っていく平野・神宮寺・岸、それぞれがそれぞれの想いを抱えているはずだ。
その想いを尊重して、静かに見守っていきたい。
どんな気持ちであれ、それだけは持ち続けていきたいと思う。

今思えば、彼らに抱いていた感情は、初恋によく似た感情だったように感じる。
と言っても、私はセクシャルマジョリティで、女性にしか恋をしたことはないが。
初恋のように、人生に突如入り込んできて、それまでの人生では思いもしなかった彩りを与えくれた存在。
そして、初恋のように、何年か経った時にふと、「あぁそういえば5人のキンプリを推してたこともあったな」と思い出すような、自分の中にいつまでも残り続ける存在。
それが私にとってのキンプリという存在だったのだと思う。
初恋のように、彼ら5人を推していた時間をふと思い返しては懐かしみ、その思い出の一つひとつを慈しんでいきたい。
正直に言えば、この先もずっと、5人揃ったキンプリを応援したかった。
だが、それはもう叶わないことで、この日を迎えてしまった以上は、そのような形で、この5年間を大切に想い続けるしかない。
彼らの未来と想いを尊重しつつ、過去の時間を慈しむ。
それが一ファンとして、私ができる最大のことのように感じる。

気がつけば、自分語りが過ぎる、かなり痛々しい長文になってしまったので、そろそろこの駄文を締めたいと思う。

歩む道は違えど、彼らはそれぞれのステージで変わらぬ輝きを見せてくれるだろう。どうかその輝きをいつまでも絶やさずに居てほしい。
そして、いつかパワーアップした5人がどこかで再共演する日が来ることを気長に待ちたいと思う。
何よりファンとして最も願うことは、5人がそれぞれの人生を幸せに歩んで行ってくれることだ。それに尽きる。
キンプリに出会い、応援することができて、本当に幸せな5年間だった。

キンプリに心からの賛辞と感謝を。
彼らの未来が、希望と愛に満ち溢れた輝かしいものであることを祈りつつ。
本当にお疲れ様でした。

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