V6の坂本くんに人生救われた話。

ワタクシ、今でこそ

「我こそは鳥ヲタク!」
「推しインコはローリー・ロリキート!」

とTwitterでアピール(?)しておりますが、若かりし頃はやはり推しのアイドルがいて、それなりに好きになったり追っかけたりしてたんですよ。

そう、ジャニーズ。

これは今からかれこれ約20年前の話。
(20年前からバリバリ活動してるV6も相当すごいな…)

私は新卒入社した会社で壮絶なパワハラとセクハラに遭遇し、心を病んで約2年半で会社を退職。今で言うところの引きこもりになりました(当時はまた"引きこもり"という言葉は浸透してなかった)。

今なら過去の私に
「まだまだ若いんだからいくらでもやり直しできる!」
と言ってやりたいところですが、当時は
「私の人生、終わった…。」
と、完全に絶望。

どこにも出掛けられない。
気力が湧かない。
ただただ寝るだけの日々。

そんな生ける屍と化した私を心配した親友のSちゃんが、
「席は悪いけど、良かったら気分転換にどう?」
と誘ってくれたのがV6のコンサートでした。

たいして気乗りしないが、せっかくSちゃんが誘ってくれたんだし、行ってみようかな…。

そんな気持ちで見に行った代々木第一体育館。
席はスタンド2階席後方なのでメンバーはゴマみたいなサイズでしか見れませんが、セット全体の構成が見渡せる見やすい席でした。

歌い、踊り、トークで上手に盛り上げるV6の皆さん。
V6の曲はあんまり知らなかったけど、楽しい!
そしてメンバーのソロコーナーがスタート。
そこで私はまず坂本くんの歌声にやられます。

歌、上手!!!

朗々とバラードを歌い上げる坂本くん。
テレビで見たことが無かった姿に引き込まれてしまう。

今までちゃんと坂本くんの歌を聴いたことがなかった私は、そりゃまあ驚いたものでした。
次に現れた感情は、

この人。すき。

ワイヤーで吊られて代々木第一体育館をヒラヒラ舞う坂本くんを見ながら、
引きこもりはうっかり恋に落ちたのです。

さてその数ヵ月後。
一年近く一人で外出もままならなかった私が、
電車を乗り継ぎ、渋谷パルコ劇場の前に立っていました。
震える右手に握りしめるのは「東京サンダンス」のチケット。

トニセンとしての初舞台、
坂本くんの姿が見たい為だけに、
清水の舞台から飛び降りる勢いで、
田舎の引きこもり視点で言うと人が多すぎて魔窟にすら見える渋谷のスクランブル交差点を乗り越えて来たのです。

舞台は素晴らしかった。
そして無事に家まで帰宅して思った。

「なんだ私、大丈夫じゃん」

それから「V6のため」「坂本くんのため」と、理由をつけてどんどん外出できるようになりました。Sちゃんと一緒に泊まりで大阪や福岡に遠征もできるようになり、今までの貯金だけではままならなくなったので、遠征費用を稼ぎたい私は近所でバイトを始める事に。

気づけば、坂本くんを追っかけているうちに引きこもりではなくなっていました。のちにバイトしながら専門学校に通って資格を取り、転職して正社員に(今現在もその資格を活かした仕事に就いてます)。
なんというミラクル。

そして、そんな私に更なる奇跡がやってきます。
忘れもしない2001年4月7日、東京国際フォーラム。

この日はトニセンだけのコンサート、略してトニコン。
Sちゃんの友達が前から13列目というかなりの良席を当ててくれたので、それだけでもう私は浮かれていました。

コンサート中のリアクションで気づいたのですが、どうやら私の席の右隣二人組はトニセンのファンではなく、トニセンと一緒にツアーを回っていたJrファンの方。ああ、こういう方々もコンサートに来るんだな、と思ったり。

間近に見える坂本くん。歌い踊る坂本くん。
トークが楽しい坂本くん。キラキラ輝く坂本くん。
最高じゃないですかー!!!

というところで夢のようなコンサートも終盤。
トニセンが舞台上からボールやサイン色紙を投げてくれる定番の時間に。
角が当たると危ないので、カッターで丸く削ってある色紙。
今まで一度も貰えた試しがない。かすりもしないしチャンスも皆無。
あまり期待せずに…と思っていたところ。

坂本くんが両手に一枚ずつ持って、同時にぽーんと高く投げた色紙の片方が……え……ちょっと待って………こっち来る⁉️
ちょうど私の右隣、Jrファンのお姉さん2人組の間近に…

すると私が坂本くんファンだと気づいていたらしいそのお姉さん2人組、
色紙を取りに行くどころか、
サッと避けた!!!(なんというお気遣い!)

えっ!!いいんですか!!!

そのまま色紙が落ちるであろう空間に飛び込む私。
次の瞬間、私の両腕には坂本くんの直筆サイン色紙が。

ぎゃああああああ‼️

リアルに叫んだ私は、生まれて初めて
腰 を 抜 か し た
嬉しすぎて、驚きすぎて、立てない。
心配したSちゃんが引っ張り上げて助けてくれたけど、またヘナヘナと座り込んでしまった。
コンサート会場の床にへたりこんで、坂本くんのサイン色紙をがっちり抱き締めながら、
私は泣いた。

あの時のサイン色紙、ちょっと黄ばんじゃったけど、今でも大事に保管してあります。

#いい推しの日 #いまから推しのアーティスト語らせて というハッシュタグを見かけ、あの時の思い出が怒濤のごとく甦ってきたのでnoteに書いてみました。

色々あってファン活動はもうしていないけど、家から徒歩10分の観光地に坂本くんがロケで来てたと知れば「なんで行かんかった自分!」と悔しくて転げ回ったりしてるし、今でも坂本くんをテレビで見かけるたび、つい手を合わせて拝みたくなる心境になってしまう。

推しが尊いって、こういうことか。

本人は伝わらないだろうけど。
どうしても書かずにはいられない。

坂本くん、貴方の存在が尊いです。
私の人生を救ってくれて、本当にありがとうございました。