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桜は見ていた

物凄く甘いです。はい、冷雅が紅夜に告白するシーン!めっちゃ甘々なので楽しんで御覧ください!羨ましがっちゃだめですよ!(自分で書いたくせに物凄く冷雅と紅夜が羨ましくなった人ここに在り)

「紅夜。あの、その……その、疑ってすまなかった。それと、嫌でなければだが……また、その……」
 冷雅が耳を真っ赤にしている。桜がはらはらと舞い降りてくる。紅夜はそれを見ている。ただそれだけなのに、その時間はなによりも大切なものだと紅夜は思った。


「また、付き合ってくれないか」
 紅夜は頬を染めた。なんて典型的な感情の現れ方なのだろう。しかし、紅夜はそうとしか反応ができなかった。
「はい」
 そして、典型的な答えしかできなかった。


 まっすぐ冷雅を見つめた。冷雅の鋭く冷たい瞳が恥ずかしさのせいかすこし潤んで見える。外套がはらりと風に舞う。ああ、この人が好きなのだと紅夜は心の底から思った。
この人が好きだ。好きで好きで仕方がないのだ。愛している。そうだ。愛しているのだ。
 今ならまっすぐ彼を見つめられる。今なら、彼を正直に愛せる。

 冷雅は目の前で頬を染め、こちらを見上げる紅夜を見つめていた。彼女の凛とした瞳がこちらを見つめている。いつもきゅっと結んでいた唇がかすかに開いている。彼女の濡れ羽色の髪が風に舞う。君が必要なのだと冷雅は自分の心が叫んでいるのを聞いた。彼女が欲しい。彼女が好きだ。いいや、彼女が大好きだ。いいや、違う。愛しているのだ。彼女を愛している。愛する紅夜。
 彼女を見つめることを許されている自分がいる。彼女を見つめていいのだ。彼女に触れていいのだ。今なら彼女を愛することを許されている。

 桜の花びらが二人の姿を覆い隠すように一際激しく舞い散った。決して二人の唇が重なり合っているところが見えないように。


みなさん、桜の気持ちになってみましょう……
「うわ、恥ずかしい!!!!」
目の前で見目麗しい2人が相手のこと好き好き思ってるよ!
少々居心地の悪い桜の木の妖精さんでした笑

これから甘々の冷紅(冷雅と紅夜)が少なくなるので互いに愛し合ってるんだなって思っていただけると嬉しいです!


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