毒親ができる経緯がわかったかもしれない

こんにちは。
先ほどツイッターで
〝「子供の金銭感覚を養おう」と思ってお小遣いを少額に留めていたら、子供が小金欲しさに振り込め詐欺の受け子のバイトに手を染めてしまい、大学は中退、実刑判決で刑務所へ……みたいなケースがあまりにも多い〟という旨のツイートを見かけました。

この話を見かけたときにぼくは
「バイトしまくるならわかるけど、そこで犯罪に走るわけがわからん。
時給いいから?でも犯罪はしちゃいけないって自制働かんか?」と思いました。
金が欲しいからといって犯罪行為に走るのはいろいろすっとばしすぎだろうと。
しかし、その後に
「当たり前だけど他人は俺が思うような理屈で動くわけじゃないからなぁ」と言うことにも気づいたのです。
そして「自分が思った思考回路と違う行いをする子どもに対して、それは違う!と否定するのが毒親なのではないか」という考えに至りました。

もちろん今回のケースは犯罪行為という許されない行為で、それを行う人間に対して「他人にもその人の感情・理性・信条というものがあり、どういう理屈で動いているかは他の人間にはわからないから、どうこう口出しするのはおかしい」というのを当てはめる事例ではないです。

ですが、これが犯罪行為でも他人に迷惑をかける行為でもないときに
子どもの考えや適性や好みを無視して親がこうしろああしろ、あれをするな
とした場合、これはいわゆる〝毒親〟になるでしょう。
親のその発言・行動の考えが子どもにとって益のあることであったとしても。

具体例を出しましょう。

勉強がすきではない子どもに「将来苦労するからもっと勉強していい大学にはいれ」と多大な量の勉強を強制する。
まぁ親の気持ちもわからんではないけど、本人がそれを望んでいないなら強制はするべきではないでしょう。

収入が不安定な職業に就こうとしている子どもに「安定性のある公務員や教員にしておけ」と迫る。
これも親の言い分もわかるにはわかりますが、本人が就きたい仕事がそれ以外であるなら迫るべきではないでしょう。

この「子どものためを思ったらこうさせるべきだ・正しい道に自分がコントロールしなきゃ」が悪化すると
「子どもは自分にとっての道具」になり、
それが自分の学歴コンプレックスの解消の道具になったり老後の世話をさせる道具になるのでしょう。

親が「将来のことを考えたらこうした方がいい・こういう仕事をしたほうがいい」と考えてると同時に、
子どもも子どもなりに自分でそれを考えています。
親としては子どもが小さいうちはその考えが地に足がついていない、拙いものにしか見えることはあるでしょうが、子どもも同じ人間なのでその人格を尊重できると親・子ともによいのではないでしょうか。

しかし子どもは自分の考えを論理立てて言葉で紡ぐことが(特に幼いうちは)難しいはずです。
そこで親が「特にこの子は何も考えていない(考えていないのではなく大人相手に説明できる能力がないだけ)、私がコントロールしなきゃ」となってしまうのではないでしょうか。
そしてこれが積み重なると毒親の誕生なのでしょう。

子どもサイドからすると、考えを一生懸命に伝えたところで家の中での生殺与奪の権を親が握っているわけですから丁寧に伝えても「誰が金だしてると思ってるんだ!」という禁止カードを出されたら面従腹背するしかないわけです。
これまた厄介なことに一度でも屈服すると毒親のほうは「ほら見ろ、私のほうが正しい」とつけあがったり「あなたのことを想って色々いったのにやっぱり子どもは理解してくれないもっと締め付けないと」と締め付けを強化するのではないでしょうか。

では毒親にならないためにはどうするのか。
〝相手を信じる〟ということなのではないでしょうか。
いや僕子育てしてませんけれども、これはなにも子ども相手ではなく、会社の上司・学校の教員など自分が指導者・目上になったときにもいえると思うのです。
「この部下(生徒)、思うように動いてくれないなぁ」ではなく、彼らは人格も理性もある人間なわけですから、新入社員で仕事が拙かろうと、子どもで考えが及ばない部分あろうと彼らなりに考えて動いているはずです。
それゆえ、「思うように動いてくれないから無能。そんな彼らを私が管理しよう」という考えに及んではいけないと思います。
相手を信じて、でも経験の浅さゆえに起きる拙さや誤りには都度フォローをいれるというのが理想なのでしょう。


とはいえ、仕事や教員は会社や学校を離れれば終わりですし、10年20年も同じ相手を育てるわけではありません。
一方、子どもという存在は自分から社会的に切り離すことができず、家に帰ってきたら居て、10年20年子育てをしなければいけない相手で部下や生徒とは勝手が少し違うのかもしれません。
そう考えるとやっぱり僕には子育ては無理そうだなぁと思った昼下がりでした。



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