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育児休暇制度メリットとデメリットって?

~アンコンシャスバイアスを肯定する動物脳~

育児・介護休業法が改正され2022年4月から段階的に施行、10月には「産後パパ育休制度(出生時育児休業)」が施行されています。産後パパ育休が取得できるのは女性の産後休業中の時期に当たるため、「男性版産休」とも呼ばれています。

①男性育休者側のメリット
・夫が育児に参加することによって、妻の負担が減り、産後うつの予防効果あり。
・普段から育児に参加することによって、子供と父親の距離が近くなる。
・妻は復職を早めることができるなど、育児によるキャリアロス期間を短縮できる。

②会社側のメリット
・国や地方公共団体の認定制度によるイメージアップ
・社員の帰属意識の向上 ⇒育児休業を長く取れる組織ほど帰属意識・仕事の意欲向上のデータあり。
・業務の効率化 ⇒業務の棚卸し・見える化による、業務快善効果大。
・社員のキャリア開発⇒生産性向上による、仕事や人生の充実。

③メリットを妨害する「動物脳」の拒否反応
・「アンコンシャスバイアス」もよく知られる言葉となってきましたが、そういった無意識の偏見がなぜ起こるかというと、「今まで通り」の行動を守ろうとする「動物脳」の変化への拒否反応があるためです。
⇒悪気があるのではなく、単純な変化への脳(動物脳)の拒否反応が起こるだけと、お互いに知っておく必要があります。
・制度の形骸化も、制度に関する知識が少ないから起こるものではありません。むしろ「今までに無かったもの」に関しては、たとえメリットが大きくても、取得することは「大きな変化」であり、それは動物脳にとって「大きな違和感≒不安・恐怖」に繋がります。そのストレスを感じることを回避することが、良いことのように感じやすいともいえます。
④柔軟な発想、新しいことへの対応は「社会脳」を鍛えると便利
動物脳はそもそも「生命維持」の役割が強く、私たちが「今まで通り」に安心・安全に暮らせることを第一に応援する機能を持っています。しかし私たちの現代の生活は、すでに安心・安全が守られた状態といえます。さらに組織の中で、ルールや制度を守る風土が強く、業務に関してもしっかりと分業された手順や技術通りに、行動することが多い場合には、「変化」「違い」に対してのストレスや拒否反応が大きくなってしまうことがわかっています。
一方で、私たちが他者と関わったり、相手の立場も想像して思いやりを持ったり、他者の事情を理解して対応したり予測をする脳は「社会脳」ですが、それは「多様な考え」「多様な人」「様々な手法」といった多角的で、柔軟性の高い人間らしい脳の機能を動かす役割を持っています。
男性でも、女性でも、既婚でも、未婚でも、子どもがいても、いなくても、いろんな人には、それぞれの生き方や、考え方、価値観があることをまずは「当たり前」と捉えられるようにすることが、社会脳を鍛え、みんなが協力し、新しい制度の運用に慣れることへの一歩となると思います。

★制度の運用は大切ですが、まずは「社会脳」を鍛え、変化や新しいことに対応できる状態を作ることから始めると、拒否反応を生み出さず、スムーズに進めていけると思います。

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