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読書ノート643「おてあげ」第1号、第2号を読んだ

掲載内容すべてを読んだわけではないので読書ノートにカウントしてよいものかどうか迷ったが、備忘録と宣伝をかねて。
この雑誌を知ったのは、主宰している大手出版社の編集者3人のうちの一人と知り合ったことがきっかけ。
彼らが「困っている人文編集者の会」(略称、こまへん)というものを作っていて、いわばその機関誌といったところ。
簡単にどこででも入手できるわけではないのだが、ようやく下北沢のB&Bに残っていた(1号は最後の1冊)ものをゲットした。
書店や出版社について書かれた本というのはこれまでに数多くあったが、編集者について書かれた本や雑誌というのは確かになかった(あっても少なかったのではないか)。
最近では、医学書院の白石さんが話題になってたり、ちょっと前は筑摩書房の松田さんとか、ハヤカワ書房の塩澤さんとか、名物編集者と呼ばれる人は何人かいたが、書き手に比べれば編集者というのは、あくまでも黒子というか影の存在といった感じでしかなかった。
この雑誌にも誰かが書いていたが、僕自身も編集者黒子説を支持していて、たとえば、スペース96(エンパワメント研究所)の刊行物には出版社や編集者への謝辞などいっさいない。
そういう謝辞のたぐいは読者とは無関係のものと考えていて、たとえ著者が原稿の末尾に謝辞を書いてきてもすべて削除していた(事情があって、今度、そのルールをやぶった1冊をだすが・・・)。
「おてあげ」に書かれている内容は編集あるある話といったところ。
自分自身も70点か80点くらいは本を出版したから、そういう意味では編集者のはしくれだったかもしれないが、こういうのを読むと、自分はつくづく世間の本の作り手とは異なった形で本を作っていたんだなあという感じがする。
書店としてのスペース96についても同様で、書店について書かれた本を読むと、スペース96は本屋ならざる本屋だったんだなあといつも思わざるをえなかったが、それと同じ感想を抱かされた。
ただ、ダメな書き手に困らされる話、苦労話は共通していたのには苦笑させられた。
「おてあげ」というタイトルも意味深でいいし、"お手上げ"状態のカニのイラストもいい。
そういえば、この手のものをZINEと呼ぶとは知らなかった。
遅れてるな、自分。
この雑誌に関心のある方は下記などを。
“本のまわりの困りごと”を共有するZINE『おてあげ』が目指すものhttps://note.com/honno_hitotoki/n/n777db6fa7af2



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