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コントラストについて

上の画像は,人のシルエットと海に伸びた夕焼けの光が強い”コントラスト”を生み出していて,目を惹きますね〜.構図も良いです.
イラスト関連の動画や配信を見たことがある人は,やたらと「コントラスト」という単語を耳にすると思います.コントラストというのは,対比や対照という意味で,イラストでは明度差を指す言葉としてよく用いられます.このnoteでは,イラストの出来に大きく寄与するコントラストについての自分なりのまとめになります.最近「君のイラストはコントラストが弱いね(要約)」といったことを言われたので,コントラストを高めるにはどうするか?何を気をつけるか?についてのnoteになります.

構図におけるコントラスト

コントラストを高めて良いこと

  • 目が惹きつけられる

  • 情報が読み取りやすくなる

  • 前にあるように感じる

コントラストを高めると,主に焦点をコントロールすることができる,イラストを見たときに瞬時に見せたい部分に目をやってもらえるのが一番の利点であり目的.逆に,主体となる部分以外には,コントラストを高めない方が良い.

色価(バリュー)

詳細は参考動画[1].要するに,色と明度は独立はないよってこと.色価を視覚的に表したものが図1.これで気をつけることは,背景を暗くし,キャラクターを目立たせたい時に,ピンクや黄色っていう色価的に明るい色を使うと,キャラクターを暗くしないとコントラスト弱いことになる.

また,どの明度でその色がもっとも鮮やかになるのかも意識したい.青や赤は明度が低い部分でもっとも鮮やかになるが,黄色や緑は明るいところで鮮やかになる.

図1 マンセル表色系

まとめと意識すること

彩度を排除した明度で絵を見る。そして好きな絵を分析しよう(彩度を排除した分析方法については参考動画[1])。
実際に描く際には以下を意識.

  • 彩度を排除したバリューで絵を見た時に良い感じか?

    • この良い感じは自分の目指してる絵と比べると良い

  • 焦点がコントラストでちゃんと作れてるか?

 明度で絵を見るには、実際に下の図2のように、好きなイラストをトーンで分解した絵にしてみると理解の助けになります。馬鹿馬鹿しいですが、慣れないうちはやったほうが理解できると思います。キャラ以外に高い明度を持っている部分を消してみるとどうなるか…?みたいな試行実験もでき、良い構図の理由も見えてきます。

図2 2015年冬にCUFFSの通販で販売された穹ちゃんのタペストリーを明度で見た絵。元の画像へのリンクは(http://www.cuffs.co.jp/main/store/201512w/)

参考動画


キャラ作画におけるコントラスト

コントラストを意識した構図で絵としてはなんだか良い感じに.そして,キャラクターに目を向けてもらえたら,ここでもコントラストを意識して,見せたい部分に目をやってもらおう(顔,PIPI,OSIRI,etc..).以下,箇条書きで自分が指摘されたこととか気づいたことのメモ.

  • 見せたい部分にコントラストを意識しよう

    • 髪の毛の前髪部分にハイライト,1,2影を入れて明暗差を作ろう.

    • 乳首,脇,鎖骨,とかエチチな部分に照り返しやハイライトを入れて目立たせよう

  • 思い切って影を入れよう

    • 大きい範囲に,明暗差のついた影を入れよう(明暗差がないと描いてないのと同じになっちゃう).

    • 髪の毛の堕ち影をパッキリ入れてあげよう

      • パッキリ入れると,日差しの強さが分かる

  • キャラの前髪とかに2影を入れてパッキリさせよう.見栄えが上がる.

コントラストのある部分に目が行くので,キャラクター彩色をするときも,メリハリを付けようという話

参考動画

意識すると絵が良くなるかも知れない習慣

好きなイラストをモノクロにし,コントラストを分析する

構図でもキャラ作画でもコントラストが大事っぽいけど,具体的にどれくらい明暗差があればいいのかわかんない時に効果的.
また,暗い影色の色選びは難しいが,その部分の彩度とか色相はどうなってるのとかもカラーに戻して確認してみると良い.
(余談:アイデア収集のためのインプットも良いが,技術的に課題を感じてる部分のインプットはより大切に思う.Twitterぼけ〜と見たり写真雑誌ぼけ〜っと見るの楽だからやめられねぇ..最近はロングスカートのシワを上手く描いてる絵を収集してます)

ラフの段階で明度・ライティング・ポージングを考え,ちゃんとコントラストがついてキャラが魅力的に描けるか意識する

キャライラストは,高コントラストで,キャラがばばん!と目に飛び込んでくるのが王道に思います.清書を進めていって,後でコントラストを調整しようとしても,ラフの段階で勝負がついてることが多いです.明るい背景を考えた時,キャラが少しうつむいてたりすると顔に影を落としやすく,背景とのコントラストを狙えますが,そうじゃないと背景を暗くするか?とかになります.背景に使う色も,色価の影響で暗くできないとかあるのでカラーラフで理詰めするのは大事です(まあ,背景あんま描かないキャラ絵とかなら気にしなくてもいいですが).

トーンカーブを使ってコントラストを調整しよう

今までトーンカーブとかいう機能を使ったことがなかったが,コントラストを調整するのに主に使われるそう.気になる人は「クリスタ トーンカーブ」とかでググってみよう.自分はProcreateを使っているが,ちゃんとあった.

オーバレイなどのコントラストを調整するレイヤーモードを意識的に活用する

オーバーレイ,ソフトライト,ハードライトとかがそうらしい.右上から光を当てるキャラ効果を入れる時とかに,活用してみると良いかも.


仕上げ処理でコントラストが弱まってないか注意する

完成した後,全体に黄色やピンク色の明るい色を全体にオーバーレイでかけたりするのですが,この時に,コントラストが弱まってないかは気をつける必要があります(色価を考えると,明るい色をオーバーレイで加えるということは,全体をスクリーンで明るくする処理に近い行為だから).
これを気をつけるには,全体ではなく,暗くする部分には消しゴムを入れたり,ここは暗くする!明るくする!みたいなのをメモしておいて確認したりすると良いかも(カラーラフに直接書き込んだり)

エッジも大事

キャラ以外は,多少ぼやぼやさせるとエッジが緩まり,奥にあるように見えます.冬のイルミネーションは,明るいけど,エッジが弱いからキャラを邪魔しない,みたいな表現ができます.
キャラ作画では,キャラをぼやぼやさせないようにパキっと影を入れるように心がけます.

終わりに

明暗差のコントラストについて触れてきました.明暗差を意識できたら,次は色ですね..色で大失敗したことはあんまりないですが,成功したこともない気もします.色価にも触れましたので,明暗差を使いこなせれば,自然と色も上手く扱える気もしますね.


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