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リビングウィルについて考える

 先月、NHK BSでやっていたドラマ『ダイアリー』を見た。
シングルマザーの母が、ある日、突然、脳出血で倒れて、
そのまま意識不明の状態となってしまう。
主人公である娘は、母がリビングウィル(尊厳死宣言書)を
用意していたことを知り、母が高校時代の友人たちと続けていた
交換日記を持って、故郷の金沢へ行く。そしてその友人たちや、
祖母に会って、関係がうまくいっていなかった母の愛を知るという話だ。

 私の母も尊厳死協会に入っている。
その母は昨年、入院して手術した。
難しい手術ではなかったけれど、でも何が起こるかわからない。
実際に 高齢になればなるほど、元気だったとしても、
いつ何が起こるかはわからないのである。

 手術前にバタバタと書類を出して、ちゃんと読んでみた。
なんとなく知っているようで、知らないこと。
そして、これが自分のことではなく、たとえ親とはいえ他人のことなのだ。
もしもの時には このリビングウィルに従って母の命を
決めなくてはならない。

 何でもない時には、回復の見込みのない延命治療をしないのは
当たり前と思って、簡単に行動できると思っていたのだが、
もし実際にそういうことになったとしたら、
簡単に他人の命に 白黒つけることができるだろうか。

このドラマでは、母の母(主人公の祖母)が、
どんな状態でも生きていてほしいと、
人工呼吸器をつけてほしいと懇願する。
この気持ちも、昨年の母の手術を経た今は わかる。
頭ではわかっていても、なかなか受け入れることは難しい。
だからこそ本人の意思を宣言しておく。
たとえ家族であっても、家族だからこそ迷うし、
迷い続けても決断するのは難しい。

 ドラマは4回と短かったので、駆け足で終わってしまった感じだった。
もう少し長くじっくりと見たかったが、丁寧に作られた いいドラマだった。

 母は 手術も無事に終わり、その後も順調に回復して、
ありがたいことに、リビングウィルの出番はなかった。
そうすると、途端にあの息苦しいような気持ちを忘れてしまうのだが、
こうして母も元気なうちに、ちゃんとリビングウィルについて
もっときちんと 深く知っておこうと思う。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
雨ばかりの毎日ですが、明後日からは晴れの日が多くなる予報です。
天高くの空を見たいです。
よい毎日でありますように (^_^)


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