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沼田元氣のカワイイで憩いの時間

 1月4日の今日は、仕事はじめだった。いつもは、冬休みに子ども達と一緒にいすぎて、スケピコとほかっちゃがケンカするのが面倒くさくなったり、「ひーまー。」と、どこかに行けとばかり言われたり。そうなると、こっちも「もう仕事でもやろうか。」と思う、そんな頃に仕事はじめ。今年は、コロナ休校の影響で明日から子どもも来る。仕事でもやろうか、と思う余裕もなく、冬休みが終了した。

 そんな不登校の子どものような気持ちの朝は、本を読んで気持ちを落ち着けるのが一番。2階の本棚の前に立ってみる。改めてみると、実用本が多いなぁ。夫の仕事本が40%、夫の趣味の歴史や音楽、旅行本が10%。残りの50%の本のうち、シナリオ本が20%、投資本が15%、料理本が5%、残り10%が私の憩いの本。

 その10%の憩いの本から、選んだのが沼田元氣「ぼくの伯父さんの東京案内」。

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 ヌマ伯父さんは、私が大学生の頃、「東京人」という雑誌で「ぼくの伯父さんの喫茶店案内」を毎月執筆していた。「東京喫茶憩写真手帳」のページは、喫茶店紹介なのであるが、ハーフサイズカメラで撮ったであろう純喫茶の店内や店構えの写真をベタ焼きのように載せていた。ヌマ伯父さんが好きなのはカワイイもの、憩いのあるもの。別の号では、「オレンジ列車でお買い物。」特集で、中央線の魅力をカワイイものを通して伝えていた。ヌマ伯父さんが紹介したものを買ったり、喫茶店に行きたくて、私は1999年大学2年生の夏休みに亀戸のウィークリーマンションを借りた。

 ヌマおじさんの紹介するものや喫茶店は本当にカワイイ。だけど、沼田元氣の魅力はそれだけじゃない。自分の哲学を貫く強さ、自分のやり方で世の中と戦っていると思う。

 例えば、「ぼくの伯父さんの商店散歩」での一節。

 「伯父さんは、生活の必要品を極力近所のコンビニやスーパーで済ませずに、こんな商店(注:下町銀座の個性的な店)で買うことにしている。わざわざ電車賃かけて、近所にもありそうなタワシや、せっけん、バターやパン、和菓子、チリ紙など大荷物しょって帰るのである。なぜかと云えば、伯父さんの、大好きな行為としてのお買い物がノルマになってしまうのが嫌だからだ。伯父さんにとって、生活のあらゆることがお楽しみであっていわゆる何事においてもやらされてやることぐらいツマラナイものはないと思っている。」

 ファンキーだ。仕事をすることも、ご飯を作ることも、掃除をすることも、やらされてやっている自分に、強烈に、でも、優しく刺さってくる。仕事始めの朝、「コザカナ、お前は、生きたいように生きているのか」と、大学生の私にも問いかけられたようだった。

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