医療事務が脳梗塞で入院した話・その16
SCUに入って、途中でベッドの位置が変わりまして、窓際に行きましたが、その時の向かいのベッドにいたおじさんが、なんか結構ゆかいなおじさんでした。見た感じ、おじさんもさほど重症ではなさそうでした。よくわからんけど。
ベッドの名札を見ると、わたしと同じ日に入院したようです。
風呂から帰ってくると、そのゆかいなおじさんが、一般病棟に移るというので引っ越しの準備をしていました。
えー。わたしはまだ一般病棟に行けないのー?
つか、おじさんが一般病棟に行けるんならわたしだって行けそうじゃーん。トイレもだいぶ前からフリーだしー。
ゆかいなおじさんは荷物をまとめて立ち上がったのですが、そこへナースが
「ベッドに乗ったままでもいいですよー」
というので、ベッドに寝っ転がったまま手をひらひら振って、ベッドごと転室していきました。いいなあ一般病棟。
わたし一般病棟の「い」の字も出てこないんですが、どういう事なんでしょう。
一般病棟に行ったら、速攻でネットつないでこの退屈な入院生活の改善を試みたいのですよ。
と思ったけど、頭が痛いのでどこまで改善できるかわかりませんが。
入院1日目にして枕が合わなくて、入院2日目に、
「枕が高すぎてダメーしんどくて眠れませーん」
と訴えましたら、
「家から持ってきてもらっていいですよ」
と主治医があっさり言うので家から枕を持ってきてもらっていたのだけど、なんと、家では心地よく使っていた、通販生活で買った「メディカル枕」というヤツなんですが、それが合わなくなってたんです。
ちょうど良かった枕が、高すぎる枕になってしまったとか、もう絶望的。
という話を実家の母にしましたら、妹が使っている「トゥルースリーパーセブンスピロー」はどうだろう、と言われたので取りあえず注文してもらいました。ほら、ネット使えないから自分で通販注文できないのよ。
妹は首が長くてしょっちゅう寝違える人で、実家ではそれを「ぎっくり首」と呼んでいたりしまして、普通の枕では対応出来ず、良くないと知りながらも枕を使用せず寝ていた時期もあったらしいのですが、「トゥルースリーパーセブンスピロー」で上半身で支える感じの枕にしてから枕ありで寝られるようになったそうでおすすめなのだそうです。
まあ、わたしに合うかどうかわからんし寝てみてやね。
せっかく持ってきてもらった枕を頭に使えないので身体を支えるように使って枕はバスタオルで代用。
ここで、意外に困ったのがですね、頭も痛いし首も痛いとなると、
髪が! 重い!!
髪が長いと髪が重い。髪が長い人って、つい癖で髪を振り払うのにぶんっと首を振ったりするのですが、主治医に厳命されて首を動かさないようにしていると、髪を振り払うことが出来ず、いや、振り払おうとした時点で髪のあまりの重さにへこたれました。
退院したら、美容院に行って、髪を減らしてやる!
基本、髪がごついので、美容院に行くといつも「伸びましたね」じゃなくて「増えましたね」と言われていたので、長さは後ろで結べる程度まで切って、量を減らすために梳いてもらっていたので、今年の美容院は思いっきり梳いてもらうか思い切って短くしようと決心しました。
髪を洗ってすっきりしたけれども、洗ったからと言って髪の重さはほとんど変わらないのでした。
■
リハビリ以外にできることは相変わらずそんなにないので、ダンナちゃんに持ってきてもらった積ん読を消化するとか、そんな感じで過ごしていました。
このラインナップを見たダンナちゃんが「病院でそういう本を読むとかどうなのよ」と呆れていました。わたしはそんなことは一切気にせず一般病棟に移ってから赤い本も読みました。
すみません、積ん読を消化していただけです。
積ん読には他にも漢方の入門マンガみたいのとか、普通の小説とかもありましたよ。ありましたけど、退院してから、なんというか、置き場所のことを考えて、2作品(シリーズもの)を除いて、紙の本はほぼ売ってしまいました。つまりここに載せた本はもう持っていません。
わたし、この入院を機に、基本的に電子書籍に移行することにしたのですが、こういう入院が一度きりとは限らない、むしろ今後、加齢につれて入院の機会は増えると考えました。その時に最初から一般病棟なら電子書籍も読めますが、こんな風にSCUとかに入れられた日にゃネット使えないので、最低限の紙の本は必要だなと思いまして、2作品だけ残しました。
まあ、昨年(2019年)の時点ではkindleを持っていなくてiPadで電子書籍を読んでいたのでそう考えたわけですが。
ちなみに、今もまだkindle持ってません。
■
そんなSCU生活にも終わりが来ました。
ゆかいなおじさんが転棟した翌朝、わたしも朝の診察で転棟と言われました。
「じゃ、今日の午後から、回復期リハビリ病棟へ」
わたしもついにお引っ越しのようです。
え? ちょっと待って!
一般病棟じゃなくて、いきなりそっち!? まだエダラボン1日2回は続いてるのに、もうDPC外れちゃうんですか?もったいない!!
回復期リハビリ病棟に入院の場合、DPCという計算方法の対象外になります。ただ、普通に全てが出来高算定と言うのも正確ではなく、DPCとは違う感じで投薬や採血、画像診断などの診療行為が包括になるらしいです。回復期リハビリ病棟の算定やったことないんでよくわからないんですが。
ていうか、わたしの認識では、まず一般病棟に移ってからいずれ回復期リハビリ病棟に行くって流れかと思っていたのですが、いきなり回復期ってありなんですか!?
と思いつつ、朝迎えに来たPT1さんに「今日、回復期行くんだって」と言ったらえらい驚かれました。いやわたしも驚いたよ。
PT1さん、かなりうろたえた感じだったのですが、なぜかというと
「回復期に行くと、担当が変わるので…」
あら、PT1さんとは今日でお別れなの!?
なんかどうも、入院階ごとに担当が違うらしい。まあ入院階ごとに病床設定が違うみたいなので、そうした方がわかりやすいんだな、多分。
PT1さん、1週間どうもありがとう。
あれ?ということは、かわゆいOT1さんや、ST1のお姉さんともお別れですか?? えええー。
ところが、である。
リハビリから戻ったら、ナースのちょっと上の人が来まして、
「今、個室が空いたので、今から一般病棟に移動になります」
って言われまして。
「はーい、一般行くよー」ってナースと助手さんがわらわらっとやってきた。
え?注射は?え?午後からって聞いてたよ?しかも一般?やっぱり一般?流れとしては正しいけど、もう行っちゃうの??
午前のエダラボンもまだなんですがーって言ったら、向こうの部屋に行ってからやります、というので、慌ててそこら辺にあるものを旅行カバンに詰めて、入りきらない物はベッドに乗っけて、ベッドごと個室へGO!
わたしはさすがにベッドに乗ったままではなく、ベッドと一緒に歩いて行きましたが、旅行カバンのキャスターをゴロゴロいわせるから「なんか旅行に行くみたい」と言われながらSCUを出ました。そもそもなんで旅行カバンなんて大げさなことになってるのかというと、ダンナちゃんが旅行カバンにものを詰めて持ってきたからですよ。
まあ、なんというか、とにかくSCUにはホントにお世話になりました。
で、移動先に到着し、ベッドに乗っけていた荷物を下ろしたら、速攻エダラボン開始でした。
いやなんというか、実にスピーディーでしたのう。
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