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シナリオライターになろう・前編

noteに限った話ではないが、最近「シナリオライターになるには?」「私がシナリオライターになるまで」みたいな、物書き志望の方からは喉から手が出るほど気になるであろう話題を扱った記事やブログが散見されるようになったと感じている。
中には書籍や有料noteのようにお金を要求されるものもあるため、これらの話がいかに注目を集めているのか、そして貴重なのかということがよく窺える。

しかしだ、そういった話の蓋を開けてみると、読み物としては面白く興味深いものばかりなのだが、大体その人の運の良さを自慢されて終わったり、多くの成功した先人たちの縁の強さを目の当たりにするだけだったりする。
なぜ断定できるのか、それはかつての私がそうやって痛い目……もとい、つらい思いをしてきたからであり、そもそもシナリオライターのなり方なんてパターンが決まっているからだ。

だからそんな勿体ぶって情報を小出しにしている人々に代わって、私がサクッとその秘密を暴いてしまおうじゃないか。もちろん無料で。
……はじめに結論だけ述べておくと、学校の先生になるのに教員免許が必要なように、シナリオライターになるにはどうしても運が必要なのだ。
その詳細を、一つずつ紐解いていこう。


1.シナリオスクールや専門学校に通う

これは、映像作品やゲーム作品のシナリオの書き方を学べる学校へ行くことだ(もちろんラノベや純文学、どんなコースもある)。時間と経済面の問題さえパスしてしまえば、誰でもプロになることを見据えた技術を、一流の講師陣から教えていただけるというもの。
ただ当然ながら、卒業しただけでプロデビューが約束されるわけではない。たとえゲーム会社のグループ傘下にある学校などであっても、全員にそこへの求人枠が等しく用意されているというわけではない。

身につけた技術を以ってテレビ局や出版社が開催しているコンペに応募し、そこで入賞するというのがメジャーだろう、少なくとも一昔前はその方法しか道は無かった。
そこで大賞を獲るないしは最終選考に残る程度の実力があれば、偉い方々に目をつけてもらい「ウチで勉強する?」と囲い込んでもらえることもあるらしいが、そこから一線で活躍するまでも、また険しい道のりになるだろう。
中にはその”入賞技術を学ぶことを主目的とした学校”もあるらしいが……果たしてその知識が実務での執筆にどれほど活かせるのか、中身すら知らない私には判断できかねる。


2.シナリオライターとして就職する

プロの肩書きを得たいなら、これが一番手っ取り早いし、会社員としてある程度の安定が約束される。上司からプロの技術を直接教育していただけるのも魅力だ。
言ってしまえば私がこのルートを経て現在に至っているので、上述のようにメリットはよく思いつく。
良くも悪くも会社員なので、思うように増えない収入だったり人間関係のあれやこれやなど、一般的なそれと短所は同じだろうか。
……そのせいかシナリオライターという生き物は、やたらと独立したがる傾向が強い。そう、シナリオライターは女子アナと同じくらいフリーになりたがるのだ(決して悪いことではないので、詳しい理由はいつか書く)。

ただしこれは、とにもかくにもまず就職口がない。大雑把に言えば正社員を雇い入れる前に需給が一致してしまっているからなのだが(この詳細もいつか書きたいぞ)、新卒向けの就活サイトを見てみてもシナリオライターの求人はほとんどないし、転職サイトを見てみても、その多くが経験者のみの募集だったりする。
私も就活の始めの頃は代わりに(と言っては失礼でしかないが)シナリオ系ゲームプランナーの求人ばかりを探していた。
そして今の会社も、私が大学4年生のときにたまたま未経験可のシナリオライターを募集していたわけで、もし私が高校生の頃マジメに勉強していて浪人していなかったら、巡り会うこともなかったということだ……!
つまり時節の要素が強すぎて、そもそもこの選択肢が存在する状況がほぼないということになる。


3.シナリオライターに転職する

転職サイトでは経験者の募集ばかりと言ったが、そういう話とは少し異なる。例えばイラストレイターさんがその担当キャラのシナリオも兼任してみたり、編集者さんが漫画原作の作成を手伝ったりした際「そのときのシナリオのウケがよくて、こっちメインでやるようになりました!」みたいなケースがなくもない。
私もそれを狙って、ゲーム会社のプログラマーやデバッガー、なんなら総務にまで応募をしたこともあったが、これはゴールにたどり着くまでに不確定要素が多すぎる上、いずれ辞める前提でその仕事に就くなど不誠実にもほどがある。ライターを目指すのなら始めから真っ直ぐに進むべきだったと、いまになって思う。


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本当に目指すための現実的な方法を探ります


ありがとうございます、おいしいチーズを買います。