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地元を舞台に小説書いてみた。

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高梁川志塾の成果物として書き始めた作品たちを公開します。 たくさんの人に読んでもらえるように、できれば愛してもらえるように、書き続けます。
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#詩

【Episode 1】東雲を待つ

東雲を待つ「おはよう」の一言が連れてくる朝を 今日もひとりここで待っている 人と人とをつなぐことば 木と木がつくりだす黒いかげ 車がとなりを通るときの地面のゆれ 生活のすきま わたしたちの暮らしのそば すぐ近くに朝はある 今は見えていないだけ いつか東雲がこのセカイを包み 朝がやってきたそのとき だれかと「おはよう」と笑い合えるような そんな場所でありますように 写真について 写真は、水島臨海鉄道栄駅のすぐそばにある「朝」という彫刻作品の一部分です。制作年は1994