その年、私たちはがよかった話

Netflixに加入して韓国ドラマを身漁る毎日。

良作を見つけてしまった。

『その年、私たちは』

韓ドラは基本頭空っぽで幸せに浸れる王道ラブコメが好きなのだけど、たまに心を動かすヒット作に出会う。

その年、私たちは は、緩やかに過ぎ去る日々にきゅんと切なさと笑いが詰まったそんな作品だった。
(※以下ネタバレあり)

高校生の頃に学年ビリ(ウン)と学年1位(ヨンス)が一ヶ月一緒にいたらどうなるか?というドキュメンタリーを撮影して恋人関係になり別れを迎えた10年後、突然動画がバズってもう一度ドキュメンタリーを撮ることになった2人のお話。

主人公2人とその同級生(ジウン)の3人が軸でストーリーは展開するのだけど、それぞれが家庭に問題を抱えててそれが故にみんなどこか孤独を感じていて、自分を卑下する描写が切ない。

家庭って本当にその人の人格を形成するものなんだなあと改めて感じた。

さらに主人公2人の同級生ジウン(ウンの親友)は10年後のドキュメンタリーを撮影する側の立場になるのだけど、実は高校の時からヨンスが好きでなんでも持ってるウンに対してずっと劣等感を感じてるんだよね。(ジウンは親から愛情を受けずに育った子でウンは親に大事に大事にされてきた子どもだったのも含め)

ジウンのその劣等感は最後まで続くし、さらに追い打ちをかける辛い出来事があるしで本当に報われなくて悲しくなる。

それに、それぞれ3人ともなかなか自分の気持ちを素直に言えなくてすれ違っちゃうのもつらい。

そんな切なさが散りばめられた中にも素晴らしい胸きゅんポイントはたくさんある。

まず、とにかく高校生時代のドキュメンタリーはザ・青春できゅんきゅんするし、大人になった2人の関係性も普遍的でありながらも愛情いっぱいの描写がたくさんでぎゅんぎゅんする。 

それから、キムダミちゃんとチェウシクしの組み合わせが素晴らしすぎる。

これぞ韓国の美男美女!!!って感じではないけれど(お二人とも美人だしかっこいいのはもちろんだけど)2人とも味のある役者さんだし、とにかくお似合い感がすごい。良い。というか、素晴らしく出来すぎたカップルじゃないからこそ、応援したくなるしめちゃくちゃ癒される。

その他、このドラマの良さは以下の四つ。

まず、悪い人が誰一人でてこない。

まじで出てこない。というか、いい人しかいない。

特に、ウンのご両親。韓ドラでは類を見ないほど2人ともウンを愛していて優しくていつも幸せそう。愛が深すぎて泣きそうになる。

それから、主人公2人に想いを寄せているジウンとNJ(国民的アイドル)を含め一応4角関係なのに、まったく修羅場にならない。

ただ、それはみんながいい人であまり主張が強くないからではあるんだけど、主人公2人が圧倒的にお互いだけで他に興味がないっていう面もあるから、少し可哀想ではあるんだけれどね。

二つ目が、ラストに向けて普通の王道ラブコメでは記憶喪失になったりえぐい強キャラの親に振り回されたりするけど、それが全くない。(全体を通してもあまり韓ドラあるあるは出てこないかも。)

淡々と物事が過ぎていって、その流れの中でみんながいろんな気持ちを抱えながらいつも通りすぎていく。最後まで。それが、なかなか感ドラでは見たことなくて落ち着いて観られたというか、リアルでよかった。

というか韓国の恋愛ドラマって、基本最終回四話前ぐらいにして何かしらが起きて別れることが多いと思うのだけど、このドラマは復縁してまた別れる、ではなくて「絶対に別れない」という前提でどうやってお互いがお互いと自分自身と向き合っていくか、にフォーカスされているのが素晴らしかったと思う。

キャラクターみんなが淡々とした流れの中で成長していってるのがわかるんだよね。

三つ目は、キャラクター性やストーリーに根拠があること。

何様かよ感はあるけど、韓ドラに限らずドラマって割と辻褄が合わない部分とか、なんでこの人こんな性格なっちゃったんだろうとか、恋愛ドラマだと え、いつ好きになった?とか思う作品割と多くて。

だけど、この作品は、それがあまり感じられずスムーズに入り込めた。

例えば、ヨンスの性格。最初はめっちゃ気が強くてあまり思いやりのない性格で正直好きじゃなかったんだけど、それは親がいなくて小さい頃から自分でなんとかしなきゃと思いながら育ったから。誰かに甘えることに慣れてなかったから。貧困でお金もなくて生きることだけに精一杯だったから。というのがわかる描写がされている。

し、正反対のウンと関わることでどんなふうに心が動いて変わっていったのか、というのもわかるようになってる。

そしてヨンスだけじゃなく、全てのキャラクターに背景が落とし込まれているし、ストーリーも奇抜な出来事が起きないからリアルに感じる。

そういう、背景だとかが最後までこれだけ丁寧に描かれているのは本当に稀な気がした。作品が大事にされていて好きってなった。

感情移入しまくりだった。

(素人が語っちゃって申し訳ない)

最後は映像美。言わずもがな。めっちゃ綺麗。ドキュメンタリーの映像も爽やかですごくいいし、ドラマ自体が綺麗でずっと観てたくなる。

そんなこんなで、二人に癒され、それぞれのキャラに感情移入して、みんな大好きになる。切なくも幸せなドラマだった。

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