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データが動く時 SONY 「C3 Portal」

ちょっとした引越しのためしばらく記事が書けていませんでしたが、今日からまた週一ペースで書いていきたいと思います。ちょうどnoteもエディタ機能のベータ版が出ていましたので今回試しています。色々な意味で心機一転していきます!

今日はSONY「C3 Portal」を話題にしてみたいと思います。

C3 Portalって何?

C3はCamera Connect Cloudの3つの「C」を表します。現場のカメラがクラウドと繋がることで様々なソリューションへ展開してく基本インフラです。

現在は各メディアなど法人向けのサービスです。法人ではチームで活動することが前提となっているためクラウドを活用した連携で価値を生み出しやすいことが理由です。

データを単にクラウドにアップして作業をするということではなく、チームでデータを共有すること、さまざまな判断やコミュケーション、現場のパフォーマンスアップにつなげていくような価値創造を目論んでいるところが重要なところです。


データが動く3つのタイミングと方向

現場のアクションに対して撮影はリアルタイムでおこなわれますが、データがクラウドに移動するのにはいくつかのパターンがあります。


リアルタイムフィードバック

カメラ内の処理能力もムーアの法則に沿って上がってきており物体認識など高度な処理をカメラ内でおこなえるようになってきていますが、より高度な処理によって撮影をサポートするためには、リアルタイムにデータをクラウドにアップしてデータ処理をした後にファインダーへ情報を返す必要があります。また映像を使って何かの操作のアシストをしようとするのも同様の処理が必要です。

これを実現するためには低遅延の通信が必要であり、自動運転車などの実現でも重要な役割を果たします。各社がクラウドを使ったソリューションに投資をしているのは、このパターンによって大きな付加価値を生み出せると考えているからです。


リアルタイムアップロード

いくつもの話題を構成して放送する毎日のニュース番組や、野球中継のような多地点中継のような現場では、撮影データをリアルタイムに編集センターへ集めより早く処理をおこなう必要があります。

また編集自体はもう少し遅いタイミングでおこなわれるにしても、撮り逃しを防止するための現場への指示はサポート体制としても価値があります。

複数地点やアングルの同時撮影などではチーム内のコミュニケーションが重要ですが、映像をリアルタイムに共有することでより的確なやり取りができるようになります。


事後アップロード

さまざまな現場では常に通信環境が確保されている訳ではありませんので、1日の撮影を終えてホテルに戻ってからデータをアップすることもあります。

これまで多くのデータアプロードはこの方法が取られてきましたが、撮影で疲れている状態でこの作業をおこなうのは辛いものでした。(本当はシャワーを浴びてビールが飲みたい!)

リアルタイムアップロードと同じように現場で処理をしておくことで自動アップロードを実現するなどワークフローを変えずにタイミングのパターンを増やすなどの工夫が考えられます。


IoT/ソリューションの基本形


チーム/みんなのために

個人で撮影するだけであれば自分の勘や経験と大容量の記録メディアがあればどうにかなりますが、より広い視点や話題を同時に扱うためにはチーム活動が不可欠です。

スタジオで顔を見ながら共同作業をしているのではなく、より広い現場に分散した場合には仮想的なスタジオのような、各自のアウトプットが共有できる仕組みや、さまざまなコミュニケーションの手段が必要となります。

これまでのビックデータの活用イメージは、過去のデータを処理して未来を予想するような感じで捉えられていましたが、これからセンシングと通信環境が整うことで小さなチームの中でも高速なリアルタイムデータ処理によってチームで共有するような処理サイクルが実現します。

一つのカメラが捕らえた被写体の特徴を瞬時に他のカメラへ共有するなど、複数カメラの頭脳が繋がったかのような動きを実現できるのです。


リアルタイムでサポートに繋げる

カメラのAF動作の全てをクラウドで処理することが現実的かどうかは分かりませんが、少なくとも最初の物体認識まではクラウドを活用できるはずです。(その後の追尾はカメラ内で処理)

特にチームで目標に向かう活動では自分のタスクをサポートしてもらうだけでなく、他のメンバーとの連動性が重要になってきますので、ディレクターやタイムキーパーの役割が必要です。

その瞬間にしか撮れない映像やデータを、確実にするためのシステムはこれからより充実してきますので、チーム全体の状況把握のためにもリアルタイムの通信が重要になってきます。


クラウドを常にアップデート

カメラのファームウェアやスマホのOSをアップデートすることは当たり前のことになってきましたが、毎日毎週おこなうとなると非現実的です。それに対してクラウドコンピューティングでは非常に高い頻度で処理能力を向上させていくことができますので、大量データによる学習を反映させていくのには理想的です。


自動車、医療、メディアのデジタルトランスフォーメーションが始まった、そして個人の遊び領域へ

ファクトリー4.0として工場やプラントで始まった「現場のデジタル活用」は、その空間的・状況的制約を大きく超えて、自動運転を目指す自動車産業、安全と効率を伴う高度医療、YouTubeの放送局化と放送局のYouTube化を進める情報・文化メディアが、人間の介在というより複雑な状況に対してもデジタル技術を使ってデジタルトランスフォーメーションを進めようとしています。

何年かづつ表現は変わってきていますが、人間不在によるオートメーションだけでなく、人間とコンピューターの協調によって私たちの働き方や生活が直接変わる時代になろうとしています。

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今回の法人向けソリューションに注目するのは、それがいずれ個人の遊びや趣味の領域を変えていくと思っているからです。オママゴトだけでなく多くの遊びは社会活動の疑似体験になっています。少数のその分野のプロフェッショナルやオリンピアンを頂点としたピラミッド構造の土台ば個人の遊びや趣味の世界でツールだけでなく楽しみ方自体が影響を受けます。

法人・産業界が変われば、それを憧れとする趣味層の人に変化が現れ、やがて子供のオモチャにも影響していきます。

イングレスというソーシャルネットワーク型ゲームを御存じでしょうか?

見知らぬ者同士が同じチームとなり、陣地を取るという一つの目的に対して連動して作戦を作り実行するそんなゲームです。プレイヤーの主な活動は歩くことです。

ゲーム設計とストーリーを上手く作りプロモーションすることで、会社や学校組織以外でも、人々は協力し目標を達成し、そこに喜びを感じることができる大きな社会実験でした。

このことを上手く利用することで、例えば今回のC3 Portalが一般向けに公開されたとき、皆が何かを楽しむことができるのではないかと想像しています。皆んなで協力して撮影を楽しみ、それを作品に残す。そんな楽しみ方です。

この写真集は、100名のカメラマンが53の地域で同じ日に撮影した写真によって作られています。時間という切り口からアフリカの姿を見つめる記念すべき写真集となりました。

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世の中では2020年に向けて様々な研究がおこなわれ最初の製品たちが登場しました。こんどは2030年を目指して社会実装・人間とのより最適化されたコミュニケーション(UIによるインタラクションではなく、AIペルソナとのコミュニケーション!)が進んでいくはずです。

SONYの「C3 Portal」のニュースを見ながら、そんなことを考えてみました。


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