見出し画像

2024年7月15日刊行、岡崎友紀さん書き下ろし単行本『なんたって70歳!』より「だまらっしゃい!」《前編》

年齢ってどう考えればいいんでしょうか。
岡崎友紀さんは70歳。
書き下ろし『なんたって70歳!ーだから笑顔で生きる』が刊行になります。
老いも病気もなんのその! で明るく生きる。
刊行を記念して、ほんのちょっとですが本文より先読み公開します。


「だまらっしゃい!」《前編》

 8歳の初舞台から始まった私の芸歴ですが、皆さん、どのあたりからご存知でしょうか? 年齢によっては私のことを知らない人もいるでしょうし、もしかするとこの本のタイトルを見た時に、「たしか昔は18歳だったよなぁ」なんて、青春時代のプレイバックが脳裏をかすめた方、多いかもしれませんね。
 齢七十だなんて、ホントかしら? と我ながらビックリです。こうして70歳になってはいるものの、気分は、若い頃とそう変わりませんし、いくつになろうが、なってみると別に大したもんじゃないんだなぁと言う感じで、なかなか渋めの長老キャラにはなりきれません。
 世の中、今でも「劣化」だの「アンチエイジング」だの、私から言わせれば『だまらっしゃい!』なことを言ったり書いたりしていますが、私の若い頃は、もっと女性に対しては失礼でしたね。例えば「25歳はお肌の曲がり角」だの、「女と畳は新しい方がいい」だの、酷いセクハラが普通にまかり通ってたんですから恐ろしい。
 なもんだから、私なんか20代のピチピチの頃に、既におばさん呼ばわりされて、30代じゃ「もう終わりだ」かなんか言われて、40代では順調に婆さん扱いされ、50代以降は言わずもがな……でした。
 あるテレビ番組に出演した時のこと。クイズみたいな特番だったと記憶していますが、収録直前、スタジオ横の控え室で待機させられていたら、そこにその番組の司会者が、ポケットに手を突っ込んで、かなりいい加減な態度で入ってきました。一応「今日はよろしく〜」と言いつつ、出演メンバーを見回して、誰にともなく「ふっけたなぁ〜〜」と馬鹿にした笑いと共に捨て台詞を吐いたのです。
 バカモノー! 若い頃に私のファンだと公言していたくせに! 幼い頃からベテランの俳優、喜劇人、歌手の方々から素晴らしい教えをいただいて、心も技術も磨くことができた私からすれば、こんな情けない威張り方をする一流の人には出会ったことがないので、興醒めもいいところ。先輩たちへのリスペクトの気持ちも無く、歳を重ねたことをせせら笑ったこの男、サイテーです。
 ま、たまにはいますよ、嫌なヤツ。自分に自信が無い人は、それを見透かされたくないものだから、その前にケムにまこうとして威張る傾向があります。
 お金と権力を手に入れても、何かしらの自分のコンプレックスを抱えている人間は、他人を妬んだり、勝手に恨みを持ったりすることがあるようですね。要するに、事あるごとに人のせいにして、自分を正当化するタイプ。

(『なんたって70歳! だから笑顔で生きる』岡崎友紀/興陽館より抜粋)


『なんたって70歳! だから笑顔で生きる』岡崎友紀 著
興陽館 2024年7月15日発売 定価1,400円+税 ISBN978-4-87723-326-6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?