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ダンジョンズ&ドラゴンズ:シナリオ案『オークの集落とジャスミンリバーの人々』

◇自作記事総合インデックス

始めに

 このシナリオは「ダンジョンズ&ドラゴンズ」第5版に対応したシナリオである。基本はレベル4のPC4人での挑戦を想定しているがオプションを用いてレベル5~7のPC向けに難易度を調整することも可能である。オンラインセッションで使用した場合、想定される所要時間は3時間半~5時間程度。

DM向け記号解説
:大通りにはヒューマンの他にも多種多様な種族が行き交っている。
のような「:」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてDMが読み上げる文であることを意味する。「:」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。

エルフの射手は的に狙いを定め矢を放った。(攻撃ロール)矢は見事に的の中心を射抜き周囲から拍手の音が響く。
のように、内部に判定や条件が書かれた()で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。

治療を受けた男は《治療を行ったPC》に感謝を述べ金貨袋を手渡した。
といった「条件」が《》で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合する単語を入れる。

※DMの情報:この宝箱はミミックが化けたものである。
のように『※DMの情報』から始まる文が枠に覆われている場合その枠内の情報が少なくとも最初のうちはPLに開示することが想定されていない情報であることを意味する。

 これらの文にはDMの判断により、自由に修正を加えて構わないが、重要な情報が失われないように注意すること。

シナリオの背景

 このシナリオでPC達は山賊による襲撃の増加に悩まされている山の麓の村『ジャスミンリバー』を訪れ、村の有力者から山賊への対処を任されることとなる。この案件は『真正面から戦って壊滅させる』という形での対処も可能だが、望むならPC達は襲撃の頻度が増した理由を探り別の方向から問題解決を計ることもできる。

 襲撃の頻度が増した理由を探る試みがうまく行けば、PC達は山賊として略奪を行っている『スクラグ族』のオーク達が、山に住む獣の殆どを山に住み着いたモンスター『ブレイ』に食いつくされ大きな食糧問題を抱えている事を確認できる。故に討伐隊を差し向けられるリスクを増やしてでも略奪の頻度を上げざるを得なかったというわけである。そこに戦士を引き連れてブレイの討伐に臨んだ族長が命を落とすという事態も重なり、現在のスクラグ族は進退窮まった状態にある。

 PC達がブレイの討伐に協力すればスクラグ族の多くはそれをありがたく感じるだろう。あるいはスクラグ族が文明圏のものたちと争いを起こすやり方を見直し頼れる隣人となるきっかけになるかもしれない。しかしスクラグ族のオーク達が危険な存在であり人々を襲っていることもまた事実だ。その上で、PC達はシナリオ中に得られた情報から自ら判断し、己がどのように振る舞うか選ぶ必要がある。

 当シナリオは様々な背景世界で使用可能だが、舞台となる土地の発展具合が近世の水準から離れすぎている場合や背景設定の都合でオークとの対話が困難な場合は背景に応じた修正を加える必要が出てくる可能性も相応に高くなるだろう。

山の麓の村『ジャスミンリバー』

:山の麓にあるヒューマンとハーフリングが多く暮らす村。その名の通り川沿いに存在し周辺には美しいジャスミンの花が咲いている。人口は数百人程度。代表的な産業は農業や牧畜。

人口比
ヒューマン     71%
ハーフリング  26%
ノーム     3%

プロローグ

※DMの情報:このシナリオにおいてPC達はオークの山賊に悩まされている山の麓の村『ジャスミンリバー』の村人達に手を貸し問題への対処を受け持つことになる。そこに至るまでの流れについて基本的なものは以下の2通りだ。

1.旅の中でジャスミンリバーに立ち寄り村人達が困っていることに気付く。

2.村人達の側からPC達の目につく形で依頼を出す。PC達は依頼を受けるため村に出向く。

 どちらの場合もシナリオは基本的にPC達が村の有力者であるトールフェロー家の夫婦に話を聞く場面から始まる。この一家は広い農地を管理しておりPC達への報酬を問題なく支払えるだけの資産を持つ。農民が自身の土地を持てない舞台設定の場合は単に領主の信の厚い一家とすればよい。

村人からの依頼

※『TrinArt』を用いて用意した画像。

農家の夫婦。データは基本的に『モンスター・マニュアル』あるいは無料の『ダンジョン・マスター用ベーシック・ルール』にある『一般人』のものを用いる。


※『TrinArt』を用いて用意した画像。

◆ヒューマンの農民『メライナ・トールフェロー』、中立にして善

尊ぶもの:信頼。自分が他の村人達から信頼される存在であるよう務めることは巡り巡って子供達のためにもなる。

弱みや秘密:反抗期の長男に対してどう接すればいいか苦悩している。

関わり深いもの:息子と娘が一人ずついる。また小型種族が暮らしやすい村を作るための活動をしており村のハーフリングやノーム達から信頼されている。

一人称:「あたし」 二人称:「あんた」

※『TrinArt』を用いて用意した画像。

ヒューマンの農民『リノス・トールフェロー』、中立にして善

尊ぶもの:家族の健康。自分を含む家族が長く健康でいられるように気を使っている。

弱みや秘密:魔法を学んでウィザードになることが夢と語る娘に対して夢を応援すべきか迷っている。

関わり深いもの:息子と娘が一人ずついる。また牧場で飼っている牛に強い愛着を抱いている。

一人称:「僕」 二人称:「あなた」

メライナ:「じゃあ、まずは自己紹介と行こうか。あたしはメライナ・トールフェロー」

メライナ:「で、こっちが旦那のリノスさ」

リノス:「はい、よろしくおねがいします」

メライナ/依頼を受けずに来た場合:「聞いての通り、今うちの村は山に住んでるオーク共の襲撃で随分と迷惑してる。これをあんた達がなんとかしてくれるってんなら、私達としても報酬は惜しまないよ」

メライナ/依頼を受けずに来た場合:「具体的には……そうだね。依頼内容はオーク共の襲撃を止めること、とした上で……成功したら合計200gpを一括払い、でどうだい?その上で、オーク共の集落で見つけた品はあんたらの好きにしていい」

メライナ/冒険者達が契約に応じた場合:「決まりだね、じゃ、こっちの契約書にサインしときな」そう言うと彼女は2枚の契約書を出した。片方は彼女らが、もう片方は君達が保管するもののようだ。

メライナ:「後は仕事を進める上で必要な情報についてだけど……ちょっと待ちな。今回の件に詳しい奴がいるから、そいつへの紹介状を書いてやるよ」

:メライナは羊皮紙を取り出し、そこに簡単な地図と紹介文を書く。

メライナ:「この店の店主を訪ねな」

メライナ:「こいつの店は町から商人ギルドの人達が運んできた商品を売ってたんだけどね。オークの連中のせいで安全に商品を運べなくなっちまったからギルドの方で対処が決まるまで休業中なんだよ」

メライナ:「で、こいつは商売のために熱心にこの辺の情報を集めててね。多分、土地についての知識はあたし達よりも上。オーク共にも大分イラついてるみたいだし、事情を話せば力になってくれるだろうさ」

ライトフットの店

※『TrinArt』を用いて用意した画像。
◆ライトフットの商人『エディ・ビッグハート』:小型・人型生物(ハーフリング)、中立にして善

AC:12 HP:8 ヒット・ダイス:2d8 移動速度:7.5m(25フィート)

【筋】:6(-2)
【敏】:14(+2)
【耐】:10(±0)
【知】:12(+1)
【判】:14(+2)
【魅】:14(+2)

技能:<隠密>+4、<知覚>+4、<動物使い>+4
道具習熟:地図作成用品、乗り物(陸)
感覚:受動<知覚>14
言語:共通語、ハーフリング語
セーヴ:<敏捷力>+4、<判断力>+4
脅威度:1/4(50XP)

■■■ アクション ■■■

ダガー:近接攻撃:攻撃+4、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。
ヒット:4(1d4+2)ダメージ。

◇特記事項

ハーフリング(ライトフット)
-ハーフリングの幸運
-ハーフリングの勇気
-すり抜け移動
-隠密の天性

個別獲得
-警戒(PHB167p)

特筆すべき持ち物:地図作成用品、地図・巻物入れ、オーブ・オヴ・ディレクション

オーブ・オヴ・ディレクション(ザナサーの百科全書135p):その他の魔法のアイテム、コモン

概説:このオーブを手に持つものはアクションを使いどちらが北かを確認できる。物質界でのみ有効。

プロフィール:ライトフットの独身男性。上昇志向が強く好奇心旺盛。契約した町の商人ギルドから送られてくる品物を村で販売するのが今の仕事だが、いつかは町に立派な家を持ちたいと考えている。現在は一人暮らし。

尊ぶもの:名誉。いつか立派な偉業を成して歴史に名を残したいと考えている。

弱みや秘密:町にある実家に住む家族との関係があまり良くない。

関わり深いもの:町に本部のある商人ギルドに所属している。また一頭のラバと荷車を所有している。

一人称:「俺」 二人称:「お前」「あんた」

:地図に記された場所には『エディのよろず屋』という看板を掲げた小さな店を目にすることができる。

エディ:「なんだ?ウチは休業中だぜ」店の奥から不機嫌そうなライトフット・ハーフリングの男性が姿を現す。

エディ/事情を聞いた場合:「……なるほどな、そういうことなら俺も手を貸すよ。入ってきな」

:エディはあなた達を店の中に案内し人数分の茶を出してくれる。

エディ:「まずは自己紹介と行くか。俺はエディ。エディ・ビッグハート。歳は二十七。町の生まれだが、この辺の土地については誰よりも詳しいつもりだ」

エディ:「なんでかっつうとだな。ウチのギルド、店のある土地についてしっかり調べて定期的に報告しないといけねえルールがあるんだよ。商品を運ぶ際のリスクとか、品揃えの土地に併せた選定とか、色々あるからな。分かるだろ」

エディ:「勿論、オークの連中の集落がどこにあるかもバッチリ把握してる。信頼していいぜ」

エディ:「さて、何か質問はあるか?」

※DMの情報:ここでDMは質問や情報開示が行える時間を設ける。彼の持っている情報は以下の通り。

・あの山に住むオーク達は『スクラグ族』と名乗っている。
・これまでスクラグ族のオーク達が周囲に被害を与える頻度はここまで高いものでは無かった。
・襲撃の際は主に食料品が狙われているらしい。
・自分は護身術こそ学んだものの戦闘は専門外である。

エディ:「よし、出発するか」

作戦会議

:この場でエディはあちこちに情報の書き込まれた自作の地図を片手にあなた達を案内してくれる。

エディ:「オーク共の集落はこの山道をまっすぐ行った先だ」

エディ:「で、俺はここで待機させてもらう。これ以上は危険すぎるからな」

エディ:「けど、今のうちにプランを立てておきたいなら相談には乗るぜ」

:この場において貴方達が用いることのできる基本的なプランは以下の通りだ。これ以外のプランを用いたい場合は適時DMに提案を行うこと。尚、HPを0にしたオークを気絶させるか死亡させるかは基本的にHPを0にしたものが任意で決められるものとする。ただしHP0で気絶状態のオークにさらにダメージが入った場合はそのまま死亡する。死亡セーヴや容体安定化の処理は基本的に省略する。

交戦して壊滅させる:オークの戦士達と戦いこれを壊滅させることを目指す。

交戦して士気を砕く:オークの戦士達と戦い士気を挫くことを目指す。士気を挫きたい場合はまず、族長でない『オークの戦士』の全員が気絶または死亡しているか『オークの族長』が気絶している必要がある。その上で代表者は任意のキャラクターのターン処理が終わったタイミングで<威圧>または<説得>を用いた難易度10の判定を行うこと。この際は【魅力】だけでなく【筋力】も使用できる。成功した場合は戦闘を終了させることができる。一度この判定に失敗した場合は次のラウンドまで再挑戦できない。

平和的に事情を聞く:戦闘の前に平和的に事情を聞くこともできる。この場合は代表者が<説得>または<ペテン>を用いた難易度10の判定を行うこと。<説得>を使用する際は【魅力】だけでなく【筋力】も使用できる。失敗した場合は戦闘が始まる。その場合は基本的に他のプランに移行する形となるだろう。

スクラグ族のオーク達

※DMの情報:山奥には山賊行為を行う『スクラグ族』の集落がある。平時は狩猟で食料を集めつつ、必要に応じて他のオーク達や在野のゴブリンとの取り引き、そして略奪行為によって物資を集めるスタイルで生活していたが山に住む獣の殆どを山に住み着いたモンスター『ブレイ』が食いつくしてしまったため食料が足りなくなり、略奪の頻度を上げざるを得なくなった。恐ろしい集団ではあるが、殺戮ではなく生存を目的として動いているため、互いに利のある提案ができるなら交渉や共存の余地はあるだろう。尚、家屋の建材には煉瓦を使用している。

コマを配置していない素のマップ。
通常の場合におけるPC達が初期配置可能な範囲とオーク達の初期配置。

【使用させて頂いたMAP素材】
#TRPG 【D&D第5版】フォーゴトン・レルム探訪:紅蓮の炎の中で - 山田野郎&佐藤真裸のイラスト - pixiv ※グリッド線は後から追加。

オークの族長

※ファンコンテンツ・ポリシーに則って切り抜いた公式画像
◆オークの族長『モーグ・スクラグ』:中型・人型生物(オーク)、真なる中立

AC:17 HP:40 ヒット・ダイス:4d8 移動速度:9m(30フィート)

【筋】:18(+4)
【敏】:10(±0)
【耐】:18(+4)
【知】:10(±0)
【判】:14(+2)
【魅】:10(±0)

技能:<威圧>+2
感覚:暗視18m(60フィート)、受動<知覚>12
言語:オーク語、共通語
セーヴ:<筋力>+4、<判断力>+4
脅威度:2(450XP)

■■■ アクション ■■■

グレートアックス:近接攻撃:攻撃+6、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。
ヒット:10(1d12+3)[斬撃]ダメージ。

ジャヴェリン:近接攻撃:攻撃+6、間合い1.5m(5フィート)または
射程9m/36m(30/120フィート)、目標1つ。
ヒット:7(1d6+3)[刺突]ダメージ。

戦の雄叫び(1回/日):モーグから9m(30フィート)以内にいて、モーグの声を聞くことができ、
まだ戦の雄叫びの効果を受けていないクリーチャーのうち、モーグが選択した者たちは皆、
モーグの次のターンの開始時まで攻撃ロールに有利を得る。加えてターン終了まで
モーグはボーナス・アクションとして1回の攻撃を行える。

◇特記事項

猛進:ボーナス・アクションとして、自分が見ることのできる敵対的なクリーチャーに
近づくように、最大で自分の移動速度までの移動を行える。

プロフィール:オークの山賊『スクラグ族』の族長。彼は山に住み着いたブレイに手勢を率いて挑み命を落とした父親から長の座を引き継いだばかりであり、族長としての経験は薄いが、自分なりに頼れる長であろうと努力している。

尊ぶもの:一族。一族を守るため強くあろうと務める。また、一族を守るためであれば感情を抑えて理性的な判断を下すことができる。

弱みや秘密:生存競争に負け一族が滅ぶことを強く恐れている。また現状のままでは生存競争を生き残ることは難しいとも考えている。

関わり深いもの:グレートアックス。これは先代の族長であった父から授けられた由緒ある品だ。

一人称:「俺」 二人称:「お前」「貴様」

オークの戦士

※ファンコンテンツ・ポリシーに則って切り抜いた公式画像
◆オークの戦士:中型・人型生物(オーク)、真なる中立

AC:13 HP:15 ヒット・ダイス:2d8 移動速度:9m(30フィート)

【筋】:16(+3)
【敏】:10(±0)
【耐】:16(+3)
【知】:6(-2)
【判】:10(±0)
【魅】:8(-1)

技能:<威圧>+1
感覚:暗視18m(60フィート)、受動<知覚>10
言語:オーク語、共通語
脅威度:1/2(100XP)

■■■ アクション ■■■

グレートアックス:近接攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。
ヒット:9(1d12+3)[斬撃]ダメージ。

ジャヴェリン:近接攻撃:攻撃+5、間合い1.5m(5フィート)または
射程9m/36m(30/120フィート)、目標1つ。
ヒット:6(1d6+3)[刺突]ダメージ。

◇特記事項

猛進:ボーナス・アクションとして、自分が見ることのできる敵対的なクリーチャーに
近づくように、最大で自分の移動速度までの移動を行える。

その他のオーク

※DMの情報:スクラグ族のその他のオークは基本的に家の中に隠れている。もはやこれまでと見ると子供を連れて逃げ去る。これらのオークのデータが必要になった場合は基本的に『モンスター・マニュアル』あるいは無料の『ダンジョン・マスター用ベーシック・ルール』にある『一般人』のデータに『ダンジョン・マスターズ・ガイド』282pの『NPCのデータ・ブロック』にある『オーク』としての種族特徴を適用したものを用いる。

オーク達の事情

※DMの情報:『平和的に事情を聞く』判定に成功した場合や『交戦して士気を砕く』ことに成功した後でPC達が事情を聞く姿勢を見せた場合はオーク達は事情を話してくれる。ただし『平和的に事情を聞く』ことに成功した場合と『交戦して士気を砕く』ことを選択しオーク側に死者を出した場合ではオークの態度が異なるであろうことには注意が必要である。ただし、どちらの場合も事情を聞きブレイを討伐することに同意したならばオークの族長『モーグ』はブレイとの戦闘に同行してくれる。他のオーク達は基本的に前の討伐部隊が壊滅した事例を踏まえ村で待機する。

オーク達から山に住み着いた巨大な怪物についての話を聞いた場合:この場でPC達は難易度15の<自然>判定に挑戦できる。

成功:成功者は『ブレイ』と呼ばれるモンスターのことを思い出せる。ブレイは力強い爪で地下を掘り進んで狩りをする大型の肉食獣だ。異常な食欲を持ち、出会った動物や人型生物は何でも食べる。特に好むのはハーフリングの肉である。ドワーフやエルフの肉は好まないとされているが、相手の種族を確認せず食らいつくことも少なくない。子供の個体は殆ど観測されておらず、どのように繁殖しているのかも不明だが一部の賢者は世界のどこかに秘密の巣があり、そこで大人になったブレイが地上へやってくるのだという説を唱えている。この情報を知っている場合このシナリオで戦うブレイのイニシアチブが-3される。

※DMの情報:既に遭遇したことがある場合など、明らかに既に知っている場合は自動成功としてよい。

集落の資産

※DMの情報:スクラグ族の集落で見つかる財宝は『宝の山表:脅威度0~4(ダンジョン・マスターズ・ガイド137p)』を用いて決定するか単純に200gpとする。これらとは別に『パール・オヴ・パワー(ダンジョン・マスターズ・ガイド184p)』も存在するがこれは用心深く集落内部の地面に埋められておりその場所は族長一家しか知らない。

パール・オブ・パワー:その他の魔法のアイテム、アンコモン(要同調;呪文の使い手のみ同調可能)

概説:この呪術的な紋様が刻まれた紫色の真珠を持ち歩いている間、君は1回のアクションを使用して『力を』と唱えることにより、消費した3レベル以下の呪文スロット1つを回復できる。1回使用すると次の夜明けまで再使用できない。

奇妙な性質”荒々しい魔力”:手に持つことで内部で渦巻く荒々しい魔力を感じることができる。

山に住む怪物

※DMの情報:オークの話を聞いてブレイの討伐に向かった場合、PC達は問題なくブレイを見つけることができる。その他の場面においてブレイとの遭遇を挟むかはDM判断となる。

コマを配置していない素のマップ。
通常の場合におけるPC達とモーグが初期配置可能な範囲とブレイの初期配置。

【使用させて頂いたMAP素材】
#TRPG TRPG向けスクエアマップ:崖と街道 - 山田野郎&佐藤真裸のイラスト - pixiv

※ファンコンテンツ・ポリシーに則って切り抜いた公式画像
◆ブレイ:大型・怪物、無属性

AC:15 HP:100 ヒット・ダイス:9d10  移動速度:12m(40フィート)、穴掘り12m(40フィート)

【筋】:19(+4)
【敏】:11(±0)
【耐】:21(+5)
【知】:2(-4)
【判】:10(±0)
【魅】:5(-3)

技能:<知覚>+6
感覚:暗視18m(60フィート)、振動感知18m(60フィート)、受動<知覚>16
脅威度:5(1800XP)

■■■ アクション ■■■

噛みつき:近接攻撃:攻撃+7、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。
 ヒット:30(4d12+4)[刺突]ダメージ。

死の跳躍:移動の一部として4.5m(15フィート)以上の跳躍を行ったならば、
その後にこのアクションを用いて、他のクリーチャーが1体以上存在する場所に、
足を下にして着地できる。そこにいたクリーチャーはみな【筋力】または
【敏捷力】で難易度16のセーヴに成功しなければ、ブレイと重なったまま倒れて
伏せ状態になり14(3d6+4)[殴打]ダメージおよび14(3d6+4)[斬撃]ダメージを受ける。
成功した場合はダメージが半分となり、さらに1.5m以内に開いているスペースがあれば
そちらに押しやられることで伏せ状態を回避できる。

◇特記事項

立ち跳び:助走の有無に関わらず最大9m(30フィート)までの幅跳びと
最大4.5m(15フィート)までの高跳びを行える。

オークのつけた傷:右半身の装甲にはオークがグレートアックスで
付けた傷跡が残っている。このブレイは戦闘が開始してから最初のアクションで
オークを優先して攻撃する。攻撃できる範囲内にオークがいないなら他のキャラを狙う。
またこのブレイに対する攻撃ロールでは本来の発生条件より1低い出目でもクリティカル・ヒットが
発生する。この効果はチャンピオンの『クリティカル率上昇』などとも重なりうる。

:ズン、ズンと地を踏みしめ、巨大な何かが歩く音がする。

:木々をかきわけ、音を立て。全長3m(10フィート)を優に超す怪物が坂の上に姿を現したのが見える。

:怪物は獲物を求め周囲を探っている。その光沢を放つ外皮は土のような色をしており、その地面を掘るのに適した四本の脚は力強く大地を踏みしめている。特筆すべき点として、その右半身の装甲にはザックリと何かで斬りつけられたような跡が残っていた。

:全長の三分の一ほどはあろうかという大口ががばりと開き、鈍い咆哮が周囲に響く。

※DMの情報:この傷はスクラグ族の先代族長がつけたものである。

以下の情報はマップへのPCとモーグの配置を行う前に開示すること。

ブレイ/オークのつけた傷:右半身の装甲にはオークがグレートアックスで付けた傷跡が残っている。このブレイは戦闘が開始してから最初のアクションではオークを対象にした攻撃あるいはオークを巻き込む攻撃を優先する。攻撃できる範囲内にオークがいないなら他のキャラを狙う。またこのブレイに対する攻撃ロールでは本来の発生条件より1低い出目でもクリティカル・ヒットが発生する。この効果はチャンピオンの『クリティカル率上昇』などとも重なりうる。

モーグ/戦の雄叫び(1回/日):モーグから9m(30フィート)以内にいて、モーグの声を聞くことができ、まだ戦の雄叫びの効果を受けていないクリーチャーのうち、モーグが選択した者たちは皆、モーグの次のターンの開始時まで攻撃ロールに有利を得る。加えてターン終了までモーグはボーナス・アクションとして1回の攻撃を行える。

エピローグ

 事態が解決した場合は基本的に以下のような処理と〆のロールプレイをしシナリオ終了となる。

殲滅ルート

・村からは事前の契約通り200gpの報酬が得られる。

・PL側の提案等によりスクラグ族を壊滅させつつブレイも倒す展開となった場合はその分のボーナスが加わり200gpではなく300gpの報酬が得られる。

共闘ルート

・村からの報酬にはブレイを討伐した分のボーナスが加わる。これにより200gpではなく300gpの報酬が得られる。

・オークと協力的な関係を築きブレイを討伐した場合は『戦士と認め力を借りたものには相応のものを送るのがならわし』であるとして『パール・オヴ・パワー』を譲ってもらえる。これはソーサラーであったモーグの祖母が使っていたものである。尚、現在のスクラグ族は魔術師が所属していないためこのマジック・アイテムを使用できない。

・共存の道を探るか『多くの獣がいる他の地へ移り住む』ことを促すかは任意である。どちらの場合でもスクラグ族は基本的に応じてくれる。

高難易度オプション

レベル5以上でプレイする場合は以下のような形で難易度を調整できる。尚『宝の山表』はレベル5以上でプレイする場合も基本的には脅威度0~4のものを使用した方が集落の規模に合っているだろう。

・オークの人数を増やす。
・オークのHPを上昇させる。
・オークに『複数回攻撃』を持たせ2回の攻撃を行えるようにする。
・ブレイを特別な個体とし超大型の伝説的クリーチャーに改変する。

※DMの情報:以下のデータは脅威度を10にまで上昇させたい場合に使用可能な強化案である。DMはオプションを採用していない状態のデータとこのデータの間を取ることで様々なレベル帯に対応したブレイのデータを用意することができるだろう。尚、ブレイを以下のように強化する場合はモーグのHPは倍とし『複数回攻撃』も持たせることが推奨される。

◆ブレイ(伝説的個体):超大型・怪物、無属性

AC:15 HP:170 ヒット・ダイス:15d10  移動速度:12m(40フィート)、穴掘り12m(40フィート)

【筋】:19(+4)
【敏】:11(±0)
【耐】:21(+5)
【知】:2(-4)
【判】:10(±0)
【魅】:5(-3)

技能:<知覚>+8
感覚:暗視18m(60フィート)、振動感知18m(60フィート)、受動<知覚>18
脅威度:10(5900XP)

■■■ アクション ■■■

噛みつき:近接攻撃:攻撃+8、間合い1.5m(5フィート)、目標1つ。
 ヒット:31(4d12+4)[刺突]ダメージ。

死の跳躍:移動の一部として4.5m(15フィート)以上の跳躍を行ったならば、
その後にこのアクションを用いて、他のクリーチャーが1体以上存在する場所に、
足を下にして着地できる。そこにいたクリーチャーはみな【筋力】または
【敏捷力】で難易度16のセーヴに成功しなければ、ブレイと重なったまま倒れて
伏せ状態になり14(3d6+4)[殴打]ダメージおよび14(3d6+4)[斬撃]ダメージを受ける。
成功した場合はダメージが半分となり、さらに1.5m以内に開いているスペースがあれば
そちらに押しやられることで伏せ状態を回避できる。

◇特記事項

立ち跳び:助走の有無に関わらず最大9m(30フィート)までの幅跳びと
最大4.5m(15フィート)までの高跳びを行える。

オークのつけた傷:右半身の装甲にはオークがグレートアックスで
付けた傷跡が残っている。このブレイは戦闘が開始してから最初のアクションで
オークを優先して攻撃する。攻撃できる範囲内にオークがいないなら他のキャラを狙う。
またこのブレイに対する攻撃ロールでは本来の発生条件より1低い出目でもクリティカル・ヒットが
発生する。この効果はチャンピオンの『クリティカル率上昇』などとも重なりうる。

不完全な伝説的抵抗力(3回/日):このブレイはセーヴィング・スローに失敗した時、
HPを20消費してそれを成功したことにできる。

伝説的アクション:このブレイは1回の伝説的アクションを行える。
伝説的アクションを行えるのは他のクリーチャーのターン終了時に限られる。
伝説的アクションの使用回数は自分のターンの開始時ごとに回復する。

伝説的アクション/噛みつき:『噛みつき』での攻撃を行う。

※HPと攻撃回数を2倍にした場合オークの戦士の脅威度は2にモーグの脅威度は3になる。

臨機応変な対応

※DMの情報:当記事に収録されているシナリオデータは以上である。ただしDMはここまでに書かれたシナリオデータに拘らず冒険者達の行動やダイスロールの結果に応じて臨機応変に展開を変えることができる。

おことわり

 当記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。

©Wizards of the Coast LLC.

参考:ウィザーズ・オブ・ザ・コーストのファンコンテンツ・ポリシー

記事作成に利用した画像生成AI:「TrinArt」

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