ニンジャスレイヤーTRPG：シナリオ案『重金属の流星』

１.始めに

　このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」第２版のプラグイン環境に対応したシナリオである。超えた『成長の壁』の数が３個～成長上限級のＰＣ３人での挑戦を想定している。想定される所要時間は３～４時間程度。

NM向け記号解説
：「ドーモ、ニンジャスレイヤーです」
のような「：」から太字の文章が続く形になっている文は、シナリオの進行に合わせてNMが読み上げる文であることを意味する。「：」の前に発言者の名前や、読み上げるにあたっての条件が書かれていることもある。通常の太さの説明文の中に、太字の「セリフ」が挿入されることもあり、その場合は前後の文章を見てその「セリフ」を、いつ、だれが発するべきなのか判断すること。

「イヤーッ！」（命中判定）「グワーッ！」
のように、内部に判定や条件が書かれた（）で文章が区切られている場合、判定が成功するか、シチュエーションが条件に合致していないと、それに続く文章は読み上げられない。

＜DKKが最も高いキャラクター＞の前に、赤黒い影が現れた。
といった「条件」が＜＞で囲まれている箇所が出現した場合は、そこにその条件に適合するキャラクターの名前を入れる。

　これらの文にはＮＭの判断により、自由に修正を加えて構わないが、重要な情報が失われないように注意すること。

２.募集用テンプレート

第２版セッション：重金属の流星
シナリオの方向性：『ＰＣ次第』
日時：
想定時間：３～４時間程度。
募集人数：３人
募集条件：スペルバウンドとの親交がある超えた『成長の壁』の数が３個～成長上限級のＰＣ。
危険度：★★（キャラロスト可能性あり）
開催場所：
その他：マップとキャラシートにGoogleスプレッドシートの使用を想定。
参加表明：

概要：その日、スペルバウンドとＰＣ達はつかの間の日常を楽しんでいた。しかし、さまざまなしがらみを乗り越え手にした安らぎの時間は、突如として飛来したスナイパースリケンの一射により脅かされることとなる。はたしてＰＣ達とスペルバウンドは、スナイパーとハッカーの恐るべき連携攻撃を乗り越え、つかの間の日常を取り戻すことができるのか？

３.日常

スペルバウンド

◆スペルバウンド（種別：ニンジャ）初期装備：素手&スリケン アイコン：ス 
カラテ　　　　6　　体力　　  12
ニューロン　 14　　精神力　　20
ワザマエ　　　8　　脚力　　 　4/N
ジツ　　　　　6　　万札　　　12

攻撃/射撃/機先/電脳　　6/7/14/14
回避/精密/側転/発動　　14/-/8/20
     緊急回避ダイス　　2
     　　即応ダイス　　4

◇装備や特記事項    
　 ▲▲バイオ武器Lv1、△おそるべき美貌、
 　軍服風装束（ストリートウェア）、軍服風ズボン（レガース）
　『●連射２』『●時間差』『●マルチターゲット』『●ニンジャ第六感』
　『◉◉グレーター級ソウルの力』『◉◉アーチ級ソウルの力』『◉魅了』『◉憎悪：ザイバツ』
　『◉知識：ザイバツ』『◉知識：キョート共和国』『◉交渉：鼓舞』『◉交渉：共感』
　『☆◉マインドブラスト拘束』『☆◉連続発動２』
　『☆ユメミル・ジツ』『★マインドブラスト・ジツ』
　『★★グレーター・マインドブラスト・ジツ』『★★マインド潜行攻撃』

【参照データ】オモイ・ニンジャクラン／ユメミル・ジツ
：https://note.com/koyazawa_ninja/n/nbc50a6515ed9

※ＮＭの情報：このシナリオでのスペルバウンドはＰＣ達の協力によりある程度安定した生活を送れている状態であることが想定されている。ＰＣ達と親交がありザイバツに追われている状態であればこのシナリオは成立するためＮＭ側でシルバーキーやエーリアスに置き換えることも容易だろう。

：このシナリオはあなた達がスペルバウンドと共に束の間の日常を楽しんでいるところから始まる。その内容は基本的に『買い物』『遊園地』『オンセン』のいずれかとなりＰＬ側の相談によって決まる。

・買い物：全ＰＣが【万札：３】の回復アイテム１つと組織系以外の知識スキル１つを無償で得る。
・遊園地：全ＰＣとスペルバウンドが『緊急回避ダイス』を２個得る。
・オンセン：全ＰＣとスペルバウンドが『●気力体力の充実（体力＋２、精神力＋２）』を得る。
　　　　　　このボーナスは通常のオンセンによるボーナスとは重複せずシナリオ終了まで有効。

※ＮＭの情報：選択が終わったらＮＭはＰＣとスペルバウンドがそのシチュエーションで交流を行うための時間を設けること。十分な交流が行われたと判断したら『４.襲撃』に進む。

４.襲撃

：その時！

：あなた達の端末に突如として不調が生じ外部との通信が絶たれる！

：続いて風を切り飛来する一枚のスリケン！

：この場では『ダメージＤ３＋１』を持つ『スリケン』がＰＣあるいはスペルバウンドに向かって飛来する（回避：U-HARD）。スリケンが向かうキャラはランダムに決定される。これ以降の場面で使用した『●アドレナリン・ブースト』の使用権はシナリオ終了まで回復しない。

：ナムアミダブツ！これはおそらく、ハッカーとスナイパーによる連携攻撃！ハッカーが通信の阻害と位置情報のスナイパーへの提供を行い、スナイパーが正確無比なるスリケン投擲によってあなたたちに狙撃を行っているのだ！

：逆探知を行いたい場合はＰＣのうち代表者１人が『ハッキング判定：NORMAL』を行うこと。この判定で累加成功14個を達成した場合、敵ハッカーの位置を特定することに成功し次の場面に進める。成功数が不足していた場合は再度『スリケン』が飛んでくる対象のランダム決定とダメージの処理を行った上で再びハッキング判定を行うことを累加成功数の目標を達成するまで繰り返す。

５.誘導

：逆探知に成功した場合は現在あなたたちの通信を阻害しているのがザイバツ・シャドーギルドのハッカーニンジャ『ヘッジホッグ』であることが分かる。彼はあなた達と一定の距離を保ちながら近辺の映像データを収集し、定期的にスナイパーニンジャにあなた達の状況と座標を提供していたようだ。電子戦でヘッジホッグを上回ったあなたはヘッジホッグへ偽りのデータを送信した隙などを利用し、この情報をザイバツ側に悟られることなく仲間と共有することができる。

：ザイバツの気風故かスナイパーは生体LAN端子を有していないようだ。故に情報の伝達はイヤホンを用いた口頭でのものとなっているらしい。

情報共有後：その時、スペルバウンドが何かに気付いたように目を見開き、あなたたちにテレパスで接続した。それぞれの脳裏に共通のイメージが浮かび、その中でスペルバウンドが口を開く。

スペルバウンド：『皆、ちょっといいか？ただの思い付きだから穴があるかもしれねえんだが……この状況、利用してやれるかもしれねえ』

スペルバウンド：『ジツの行使やハッキングに没入してるやつは、大抵ニューロンに隙ができる。そして俺のユメミル・ジツはそこを突ける』

スペルバウンド：『ハッキング中のヘッジホッグ＝サンのニューロンにアンブッシュさえ通せれば……そうだな。少なくとも相当にかき乱してはやれるだろうし、うまく行けばヘッジホッグ＝サンに乗り移った俺が奴のふりをしてスナイパー野郎をおびきよせるとこまでやれるかもしれねえ』

スペルバウンド：『乗り移ってる間、この身体は無防備になるから色々と面倒をかけることになるかもしれねえが……試してみる価値はあると思う』

ヘッジホッグ

◆ヘッジホッグ（種別：ニンジャ）
カラテ　　　　3　　体力　　 　3
ニューロン　 10　　精神力　　11
ワザマエ　　　7　　脚力　 　　5/E
ジツ　　　　　0　　万札　　　12

攻撃/射撃/機先/電脳　　3/7/12/14
回避/精密/側転/発動　　10/7/7/-
　　 緊急回避ダイス　　2
　　　　 即応ダイス　　2


◇装備や特記事項	
　▶︎▶︎生体LAN端子LV2、▷ファイアウォールx1
　『●連射２』『●時間差』『●マルチターゲット』
　『◉疾駆』『◉常人の３倍の脚力』『◉タクティカル移動射撃』『◉バック転回避』
　『◉忠誠心：ザイバツ』『◉kill-9』『◉killall』
　『◉ニューロン・ブースト/チルアウト』

：この場でスペルバウンドは【精神力】を４消費し『憑依』状態となる。ヘッジホッグの【精神力】は０となる。

『憑依』：この効果が有効な間スペルバウンド本体は『気絶状態』となるが、代わりに対象とスペルバウンド本体は以下の効果を得る。

・対象の操作と『ニューロン判定』『ジツ発動判定』『精神力判定』『精神力消費』『交渉判定』『知識判定』『調査判定』『即応ダイス消費』『緊急回避ダイス消費』はスペルバウンドが代わりに行う。この際、判定難易度を考える上で『状態異常』はスペルバウンドではなく対象のものを参照する。『●アドレナリン・ブースト』の残使用回数はスペルバウンドのものを参照。対象が回避できず受けた『精神力ダメージ』はスペルバウンドへの『精神力ダメージ』に移し替えられる。

・対象の自由選択スキルは既に適用されている副次能力値への影響を除いた効果を使用不可となる。『●連続攻撃』と『●連射』はそのまま用いる。『●時間差』と『●マルチターゲット』は能力値を問わず使用できる。

・対象のジツは使用不可となる。その代わりにスペルバウンドが【精神力】消費と発動判定を行う形での『☆ユメミル・ジツ』行使が可能となる。

・対象が【体力】にダメージを受けた場合、そのフェイズの終わりにスペルバウンドも同値の『精神力ダメージ』を受ける（回避／軽減不能）。

・効果中に対象またはスペルバウンド本体が『爆発四散』し、スペルバウンド本体または対象がマップに残された場合、残された側は【体力】０【精神力】０となり、このシナリオ中、いかなる手段を用いても回復できない『気絶状態』となる。この状態のスペルバウンドの自我がどのような状態になっているかや、シナリオ終了後の経過などはＮＭが判断する。

・スペルバウンドは本体の手番開始時、自発的にこの効果の終了を宣言できる。その場合スペルバウンドは効果の終了と共に対象の自我を破壊し『死亡状態』としてもよい。

：ヘッジホッグの身体を乗っ取ったスペルバウンドはサムズアップし作戦の第一段階が成功したことをあなたたちに伝えつつスナイパーと通信を行う。

アルビレオ：『通信に乱れが生じたが何があった』女性の声が応じる。

ヘッジホッグ（スペルバウンド）：『も、申し訳ありません！敵ハッカーの妨害が入りまして……ハイ。既にKICKしましたので問題はないです』

：ここでスペルバウンドとＰＣ達がうまく狙撃手を欺けるか判定を行う。スペルバウンドはヘッジホッグの記憶を読むことで話を合わせるのに必要な情報は一通り入手できているものとする。

：判定はスペルバウンドによる『交渉判定：U-HARD』として扱われる。能力値から得られるダイスの上限値は６である。この場面でスペルバウンドは、能力値からのダイス６個、『◉知識：ザイバツ』による２個、『◉交渉：共感』による２個を合計し計10個の『交渉判定ダイス』を獲得する。ここに『即応ダイス』を上乗せすることも可能である。加えてスペルバウンドは『◉魅了』を持ち【ニューロン】が７以上であるため【精神力】を１消費しこの判定を振り直すことができる。

失敗：スナイパーは欺かれていることに気付く。位置は特定できているのでこちらから攻めに行くことは可能だがスナイパーのいる場所に到着するまでに『ダメージＤ３＋１』を持つ『スリケン』による攻撃をランダムな１人が追加で１回受けてしまう（回避：U-HARD）。

成功：全ＰＣとスペルバウンドに『即応ダイス』が２個ずつ配布される。

出目【6,6】：得られる『即応ダイス』が２個ではなく３個になる。

出目【6,6,6】：ボス戦の開始時にボスを『崩れ状態』にできる。この『崩れ状態』はターン終了まで持続しターン終了以外の要因では解除されない。

※ＮＭの情報：『◉魅了』による交渉判定の振り直しは記事執筆時点でテスト中のデータであり、正式に実装されるまでは『ニンジャスレイヤーTRPG：プラグイン環境ルールプレビュー（2022年4月号）』の最新データを用いる。

：ＰＣ達はスペルバウンドが『交渉判定』を行う前に以下のような行動をそれぞれ１度まで行える。この場に処理の書かれていない行動を行いたい場合は相談の上で処理を決定すること。

助言や演技：この選択肢を選んだＰＣはテレパスを通じて助言や応援を行う。または自身がスリケンに倒されたかのような演技を行い音声をスペルバウンド経由でスナイパーに送信して敵を欺く。この行動は『交渉判定：HARD』で行う。能力値から得られるダイスの最大値は６である。

成功：この場でスペルバウンドが行う『交渉判定』ダイスが１個増える。

【6】：『交渉判定』ダイスの増加が１個から２個になる。

【6,6】：『交渉判定』ダイスの増加が１個から３個になる。

有効なスキルと増加ダイス：ＮＭはこれに囚われず柔軟に状況判断してもよい。
最も適した交渉スキル（＋２）：『鼓舞』『共感』『卑屈』『駆け引き』『欺き』
次に適した交渉スキル（＋１）：『超然』『理路整然』『煽り』
最も適した知識スキル（＋２）：『ザイバツ』『貴族の流儀』『ハッカーの流儀』『高級嗜好品』
次に適した知識スキル（＋１）：『ファッション』『現代的アート』『犯罪』『古代ニンジャ文明』

戦闘の準備：この選択肢を選んだＰＣは『即応ダイス』と『緊急回避ダイス』を１個ずつ得られる。

６.アルビレオ

※ＮＭの情報：『５.誘導』までの処理を終えた場合、基本的にＰＣ達はヘッジホッグの処遇を決めた上で、待ち伏せまたは位置を特定しての逆襲によりビルの屋上でアルビレオと戦闘を行うことになる。

並んだ二つのビル

◆アルビレオ（種別：ニンジャ）初期装備：素手＆スリケン アイコン：ア
カラテ　　　 10　　体力　　 13
ニューロン　 13　　精神力　 13
ワザマエ　　 12　　脚力　　  6/N
ジツ　　　　  0　　万札　　 24

近接/射撃/機先/電脳　　10/15/16/13
回避/精密/側転/発動　　13/12/11/-
　　 緊急回避ダイス　　6
　　　　 即応ダイス　　6

◇装備や特記事項
　 ツルギ、スコープ付きメンポ（軍用サイバーサングラス）、
　 テック・ガントレット、タクティカルレガース、光学迷彩ローブ
　『●連続攻撃２』『●連射２』『●時間差』『●マルチターゲット』『●ニンジャ第六感』

　：スキルスロット：
　『◉◉戦闘系ソウルの力』『◉スナイパースリケン投擲術』『◉ヒサツ・ワザ：ツヨイ・スリケン』
　『◉ニンジャアドレナリン強化』『◉翻弄』『◉痛覚遮断』『◉シャープシューター』

　：記憶スロット：
　『◉ニューロンブースト／チルアウト』『◉トライアングル・リープ』
　『◉バック転回避』『◉タクティカル移動射撃』

※『◉ニンジャアドレナリン強化』『◉翻弄』『◉痛覚遮断』『◉ニューロンブースト／チルアウト』
　『●ニンジャ第六感』と防具のデータは以下記事に収録されているものを用いる。

ニンジャスレイヤーTRPG：プラグイン環境ルールプレビュー（2022年4月号）
：https://diehardtales.com/n/n95cc828c0e19

アルビレオ：「……ドーモ、アルビレオです」スコープ付きのメンポで顔を覆った女ニンジャだ。その髪は背面で束ねられており、身体は光学迷彩が施されたローブで覆われている。

戦闘描写案

アルビレオ／スナイパースリケン投擲：アルビレオが両手を広げ、左右の手でそれぞれ１枚ずつ、重金属の星が回転しながら成長を始める……！

：「イイイヤァーーーッ！」二枚のスリケンが風を切って迫る！

アルビレオ／ツルギ：アルビレオは懐からツルギを引き抜く！

：「イヤーッ！」イアイめいた斬撃！

７.結末と報酬

　上記の処理と〆のロールプレイを終えた時点でこのシナリオは終了である。成功度の基準と得られる報酬は以下の通り。

Ａ：アルビレオを倒しスペルバウンドを守り切った：【万札】プール＋72
　　全員の【名声】が＋2される。

Ｂ：アルビレオの体力を半分以下まで削りスペルバウンドを守り切った：【万札】プール+54
　　全員の【名声】が＋1される。

Ｃ：アルビレオの体力を半分以下まで削れずスペルバウンドを守り切った：【万札】プール＋36
　　【名声】は変動なし。

Ｄ：スペルバウンドを守り切れなかった：【万札】プール＋0
　　全員の【名声】が-1される。

余暇日数：4日

セッション用Googleスプレッドシート

重金属の流星

おまけ.ニンジャ名鑑と簡易ロールプレイガイド

◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【アルビレオ】◆卓◆
ザイバツ・シャドーギルドの女ニンジャ。マスター位階。フマー・ニンジャクランのソウル憑依者であり数キロ先の強化ガラスをも撃ち抜くことのできる威力、射程、精度共に非常に高水準なスリケン投擲術を武器とする。

一人称：「私」敵対：「お前」味方：「お前」

利用規約

　この記事に含まれる自作データは非商用の場合に限り、セッション中に利用したり、自作シナリオ、自作記事へ流用することができる。ただし当シナリオのデータを流用して作成したものを公開する場合、可能な限りこの記事を引用元として明記することが望ましい。加えて『スペルバウンド』『ヘッジホッグ』などが持つ公式に存在するデータに準拠した個所は公式の引用ルールに従い扱うこと。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は一部の例外を除いて原則不可。

参考資料：「ソウルワイヤード」ダイハードテイルズ