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競馬場の風来坊田原成貴とは…?

かつて競馬界を沸かせたスーパースター田原成貴…。マヤノトップガンやトウカイテイオーなどに騎乗し、1990年代の競馬ファンなら知らぬものはいないスーパージョッキーであろう。しかし、とある事件をきっかけに突如として競馬の表舞台から消えることとなり、現在では東スポのG1予想にたびたび出演しているジョッキーだ。

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ゲームでも田茨となっていたり、久保村と誤魔化されていたり…となかなかアンタッチャブルなものとして扱われているが、果たしてそんな破天荒ジョッキー田原成貴とはどんな人物なのであろうか。解説していきたいと思う。   騎手田原成貴が、競馬に関心を持ったのは第40回日本ダービーである。当時大井から来て競馬ブームの先駆け的存在になるハイセイコーが人気であったが、そのダービーで勝ったのはハイセイコーのライバル、タケホープであった。田原はそんなスターホースのハイセイコー…ではなく、あの「ハイセイコー」を破った嶋田功のタケホープを見て
------これだッ!
その時田原が騎手になることを決意した瞬間(トキ)であったらしい。
そんな近所の竹藪を手にオンボロ自転車に乗って騎手のマネをした少年時代の田原は、天才騎手として中央競馬で名を挙げることになった。
騎手となった田原は初年度から勝ちまくると、1983年・1984年にリーディングを獲得し、リードホーユー、ハッピープログレス、マックスビューティ、トウカイテイオー、マヤノトップガンなどの名馬に騎乗し、競馬史に残るジョッキーとなった。

マヤノトップガン


そんな田原は人望にも熱く、「社長」と呼ばれ田原から気に入られていた藤田伸二を始め、幸英明など様々なジョッキーとの親交もある面倒見の良い性格をしており非常に人望も厚くかっこいいジョッキーであった。特に気に入られていた藤田伸二に関してはかなり田原に影響を受けている部分もたくさんあり、綺麗な騎乗スタイルにこだわったり、時にはド派手な行為をしたりするものはおそらく田原に影響を受けたものだろう。そのことは「特別模範男」で詳しく書かれているためまた解説できる機会があれば、解説していきたいと思う。

藤田伸二ジョッキー


また騎手でありながら執筆活動にも専念し、参考資料として用いられている「競馬場の風来坊」や「あれゃ馬これゃ馬」など漫画の原作からエッセイに到るまでを手がけるくらい多様な才能を持ち合わせていたのである。
しかしトラブルもかなり多く、八百長疑惑をかけられたサルノキング事件や、(サルノキング事件は濡れ衣であり田原本人も八百長は否定)サンケイスポーツのM記者と揉めたサンエイサンキュー事件(救いようのない馬主と記者と現場が衝突した報われない事件)、そして後述する競馬界から消えることとなる犯罪行為など色々な意味で豪快なジョッキーであった。しかし騎乗スタイルはとてもマジメかつ馬のことを思った真摯なものである。
田原の騎乗スタイルとしては、「力より技で馬を御す」というものだ。水が高いところから低いところに自然に流れていくような、そんな騎乗を目指していたという。もっとカッコよく、いいフォームで乗れるように…。もっと柔らかく馬にそってやれるのに…。と常に馬のことを考えて乗る。それが田原の騎乗スタイルなのであろう。そして騎手としての魅力も著書で田原は語っている。
「騎手とは打ち上げ花火のようなもの」。一瞬しか咲かない美しさは、一瞬だから美しい。レースは一瞬一瞬で勝負が決まる。やり直しが出来ない。それゆえに騎手は大変だが、その一瞬に賭ける“気”そして“心技体”。一瞬の緊張感は私にとってたまらなく魅力的なものだ。
このたとえのうまさはまさしく詩的であり、天才・田原成貴が持ちあわせていた騎乗での感性というものなのだろう。
さらに田原は、「こんな俺でも誰かのために」。そんな精神でレースに臨んでいたらしい。レースで少しでも前の着順に馬を持ってこれた時の関係者のうれしそうな顔を見る時、半端者の田原でも誰かのために少しは役立っていると感じていたそうだ。

田原 トウカイテイオー


そんなジョッキーとしての喜びがあったからこそ田原は一流のジョッキーとして続けてこれたと語っている。そんな田原は、1998年に騎手を引退。その後調教師に転身するも覚醒剤を使用したことが発覚してしまい、2017年1月18日までの間、当時最大であった15年間の競馬への関与を停止されてしまった。その後、2010年にまた覚醒剤をやって再逮捕されてしまう。しかし、近年では東スポの紙面で復活。G1の時には競馬予想にたびたび出演している。グランアレグリアをガッキーに例えたりするなど独特の感性は健在で、多くの東スポ読者をうならせている。
JRAや世間を騒がせた天才。田原成貴。まだまだ書けることもたくさんあるし、田原成貴という人間自体が、JRAでアンタッチャブルなものとなっておりネットでも情報も少ない。今回僕は田原関連の著書を手に入れたので様々な視点で紹介していきたいと思う。そして東スポYouTubeでは田原成貴語る。シリーズでインタビューを受けている。田原ファンなら見て欲しい。そんな内容となっている。
ということで以上です。動画版もぜひよろしくお願いします。


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