転職エージェントの私自身は「漂う」キャリアを選びたい
いま30代後半の私ですが、思えば学生の頃から、夢やら理想やらを描いてそこに向かって突き進むような考え方は、あまりしっくりこなかった気がします。
2023年現在では、そんな人も少なくないかもしれませんが、
私が高校〜大学生だった2000年代には、「夢を持とう!」系の人は今よりもっと多かったです。繰り返しますが、私はしっくり来ませんでしたが。
なぜなのか?
改めていま言語化してみるならば、
自分が考えつく程度の夢や理想って、その時点での狭い範囲の考えでしかないような気がしたのだと思います。
夢や理想を描くには、外の社会を知らなすぎる。
そんな感覚です。
だからわざわざ、いま思いつく範囲の夢なんて、人生を賭けて追いかける値打ちがあるようには思えなかったんです。命をかけて打ち込みたいこと、なんて設定できるわけもありません。
(夢というものは、そこまでの決意で打ち込むべきものだという思い込みもありました)
とはいえ、理想像を一切描かなかったわけではありません。
「いまがどうだったらもっと嬉しいかな」ということは、むしろ周りの人よりも考えてきたように思います。
ただ、それは夢や理想というほど重たくはなくて。
あくまで、いまをより充実させるためのものにすぎません。
少し思い悩んだりマンネリ感があったりしたら、その度に現状を打開するヒントやエッセンスとして、
「いまがどうだったらもっと嬉しいかな」と考えてきました。
転職エージェントをしていると、「以前からずっと抱えていたやりたいこと」をとても強く持っている人に出会うことがあります。
・昔から〇〇に興味があった
・結局進まなかったけど、新卒時には実は〇〇業界を志望してた
それだけ一つのことにずっと関心を持てるということを、すごいなあと素直に思います。本当に素直に心から思います。
一方で、とはいえそっちの道は選ばずにきたんですよね、とも思います。
そこまで大事な思いだけど、なんかうまく巡り合わせがなかったんでしょうね、と。
あくまで私個人の志向としては、固執していたくないんです。
いままでのキャリアを捨てて昔からの夢を追うといえばかっこいいのかもしれませんが、不要なリスクがデカすぎるなあと思ってしまいます。
そんないまの私の結論としては、理想像を自分1人で決めすぎない方がいい、です。
いまの道がたとえ当初自分が思い描いた通りではないにしても、そもそも自分が思い描いた通りの道なんてつまらないでしょう。
周りの人が、なんらかのかたちで自分の人生に関わってくれて、影響を与えてくれて、いまの自分の道があるわけで。
いまの自分の道は、周りの人みんなとの合作なわけで。
そんな周りからの影響をきちんと受け止める。そんなキャリアが、自然なんじゃないかなあと思ったりします。
私個人のことを振り返れば、いまの自分があるのは、
そもそも相談を受ける仕事への興味を与えてくれた元上司の影響があったからで。
もちろん私が全てをコントロールしてそんな場面を作ったわけではなく、たまたまその会社に入ったらその上司と出会ったというのが大きいです。
いまの自分というものは、自覚してようとしてまいと、いろんな偶然の重なりやら周りの影響やらで、できあがってるんですよね。
でも、私はできればちゃんと周りの影響を受けていることを自覚していたい。
節目節目は自分で意思を持ってデザインをするにしても、固執しすぎずうまく流されるキャリア。
そんな「漂う」キャリアが、自然体で好きなんです。
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