見出し画像

キャリアに迷いがあるけど転職活動するほどではない人へ【キャリア理論超訳まとめ】

何度か書いたことはあるのですが、キャリアに迷いがある人への処方箋として、キャリア理論を学ぶことをお勧めしています。

とはいえ、馴染みがない人にとっては、何をどう学んだらよいやらわからないという感想を持ってもごもっともな話です。

ところでつい先日、キャリアコンサルティング技能士2級の資格試験のために、キャリア理論を勉強し直しました。せっかく学んだので、いま覚えているものだけ、エッセンスだけでも書き残しておこうと思います。

あくまで私的なまとめなので、超訳です。ただそんなまとめであっても、もしキャリア理論についてわずかなり興味のある方にとって意義ある情報として受け取ってもらえるのなら、こんな一挙両得なことはありません。

軽い気持ちで眺めてもらえたら嬉しいです。

スーパー

人は複数の役割を持っている。それぞれの役割を、自分の思うようなバランスやレベル感で成せている状態が、いいよね。という考え。

役割はライフロールと言われていて、例として、親、子ども、配偶者、仕事人、余暇人、市民、学生などがある。
すべての役割を100%しっかりこなすのは無理。時間もエネルギーも有限。だから、自分が思うような配分で生きられているかどうかが大事。

キャリアを仕事だけでなく、ライフ全般で捉えているから、現代人でも受け入れやすい考えだと思う。

ホランド

自分に合った職業に就くのが一番いいでしょ、という考え。

自分にも得意や不得意の特徴があって、職業にも求められること求められないことの特徴がある。その互いのでこぼこがうまく合致するような職業選択がいいよね、と。

いわゆる適性診断ツールの祖のような人。キャリア理論家というよりは、診断ツール開発に力を注いだ人。

ただ「自分に合っているではなく、やりたいことにチャレンジしたい!」という人には、適用しにくい考え方ではある。有用であるけど、決して万能ではない。

クランボルツ

描いた計画通りのキャリアを進むことはほぼあり得ない。だからこそ、偶然を積極的に取り入れたキャリア形成を考えた方が現実的だという考え。

とはいえただ偶然に期待して何もせずに待つというわけではない。
こだわりすぎず柔軟性を持つ、ある程度楽観的に捉える、好奇心を持つ、など5つの行動特性を持つことが大事。

また、学習することも重要。ある機会や出来事から、何を学んで、次にどう活かすか。その蓄積があることで、あるときに偶然チャンスが舞い降りたときに、適切にチャンスを活かせる自分になる。

先のことが読みにくい現代だと、広く受け入れやすいキャリア理論の一つだと思う。特に、いますぐ大きな選択に迫られていないときに、平時の心構えとしては限りなくベターな考え方だとおすすめしたい。

シュロスバーグ

人生の中で起こる転機に対してきちんと対処すれば、転機による悪い影響は最小限にできるという考え。

転機に対応するための4S(状況situation、自己self、協力support、戦略strategy)を整理した。

かなり実用度が高い理論。クランボルツが平常時に適用しやすい理論であったのに対して、こちらは有事(転機そのもの)の際に頼りにしたい理論。

転職活動を開始するときは、何かのきっかけがあることがほとんど。日々不満はあっても、何か具体的なトリガーがないと動き出さない人がほとんど。
例を挙げるなら、希望しない職種への異動があった、せっかく苦労して完了したプロジェクトなのに期待したような社内評価(賞与)にならなかった、とか。どちらもシュロスバーグの言う転機にあたる。

非常時にはなかなか冷静な判断を下せないもので判断ミスも多くなるのがふつう。でもシュロスバーグの理論が少しでも頭にあれば、困ったときの拠り所になると思う。

ハンセン

仕事だけが良くなるんじゃなくて、人生全般が良くなることを目指そうよという考え。

スーパーの理論をもとに発展させようとする人。人生の役割には、労働、愛、学習、余暇があると定義した。

個人的には、理解が深められていない。実用化しにくいような気がして、具体的にどうしたら?って思ってしまう。スーパーの方がしっくりくる気がしている。

番外 ナラティブアプローチ

どんな出来事があったかではなくて、その出来事にどんな意味づけができるのかが大事。人生に一貫した意味や物語が見出せると、キャリアの方向性がわかるよね、という考え。

いわゆる「過去は変えられる(解釈次第で)」というスタンス。
過去も現在も、解釈によって肯定できる部分を見出すわけだから、幸せな生き方につながるんだと思う。

さいごに

意外とどの理論にも少なからず納得できる部分があると思うので、気分や状況に合わせていいとこ取りができるといいですよね。

忘れてしまってもいいけど、困ったときには、「なんか自分の状況に合う理論がなかったかな?」と調べ直すくらいには、なんとなく頭に置いておけると十分なんじゃないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?