ジャックローバッツ

4枚のカードを使います
表向きに広げて見せ、一度閉じてからもう一度広げると
1枚裏向きになっています
また閉じて、再び広げると、今度は別のカードが裏向きになっています
これを何度か繰り返したあと
全てのカードの裏の色が変わります
更に、もう一度1枚ずつ裏に返していくと
4枚とも全て別々の柄に変わっています

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意外と最近は演じる人が少ないトリックですが
大変演じやすく効果的なトリックです
DPグループからは『パニックカード』の名前で販売されています
この他にも『ジャンピングジャック』と呼ばれる場合もあります
『ジャンピングジャック』という名前自体は
「ピョンピョン飛び跳ねる人形」のことのようで
カードのジャックとは関係無いようですね

ジャックという名前が冠されていますが
他の数字で演じられることも多いものです

演技後は全てのカードが手渡しでき
ギャフはトリック中に省くことができる点も
大変優秀です

テーブルホッピングなどでは特に効果的でしょう

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マジシャンは日々トレーニングをしています
今日はその練習をご覧になっていただきましょう

人によって練習トリックは様々ですが
私はこれからやるトリックを気に入ってよく練習しています

マジシャンにとって大切な技術は
お客様に気づかれないようにカードを組み替えたりすり替えたりすることです
どうぞご覧ください

(デックをケースから取り出し、さり気なく広げてみせます)

トランプには1から13までの数字があります
どれでも良いのでお好きな数字をおっしゃってください

Aですか?
では4枚のAを使いましょう

(デックを表向きに広げ、4枚のカードを取り出します)
(取り出したあとは残りのデックは脇に置いておきます)

ご覧の通り4枚のカードがありますが
一度閉じて魔法をかけると・・・

1枚のカードが裏向きになっています

裏向きのカードは・・・♡ですね

もう一度閉じます
再び魔法をかけると・・・
♡は表向きに戻り
今度は♧が裏向きになりました

再びやってみましょう
今度は◇が裏向きになりましたね

では最後
♤が裏向きになりました

でも、また魔法をかけると・・・
全部表向きに戻っています

これはどうやっているのかというと
実は気づかれないように巧妙に入れ替えているんですよね
密かに抜いてひっくり返して入れ直しているんです

さぁもう一度見てみましょう
おや?
何も変化がないように見えますね?

でも実は今度は4枚まとめてすり替えたんですよ
その証拠に、裏を見てみると
全て別の色のカードになっています

早すぎて見えなかったですかね
今度はゆっくりやってみましょう

こうやってゆっくりやると・・・抜き取っているのがわかりますね
(カードを1枚抜き取ります)

これをポケットに入れていまします
当然こちらは3枚になっていますね
でも・・・
次の瞬間には4枚に戻っています

(4枚のAを広げてみせます)

さて今カードを戻した際に
実はもう1つ密かにやっていたことがありました

全部のカードをひっくり返してあげると・・・

全ての裏面が別の絵柄のカードにすり替えたのです!

あ。そうそう。
ついでではありますが
こちらに置いていたトランプ
実はこちらも・・・
全てすり替えておきました!

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数枚のカードのみを使って演じるトリックをパケットトリックと言います
これはそのパケットトリックの典型ですが
私はスペクトラムデックというものを使い
最後にデックの方も変化を起こしています
レインボーデックを使っても良いでしょう

現象としては複数の現象が連続で起きるので
少々ボリュームが大きいと思います
そこで私は様々なトリックの練習をしているという演出にしました

また、その現象を全て「カードのすり替えで行っている」と言い
現象の統一化を行っています

1つのトリックの中で
リバース、変化、移動など複数の現象を起こしてしまうと
かえってややっこしいものです
あくまで「密かに抜き出し入れ替える」という同一のことを行い
様々な現象に見せている
とした方が観客から見てわかりやすくなると思います

最初は
カードを引き抜き、ひっくり返して戻す
次は
4枚まとめて別のものとすり替える
次は
ゆっくりやってみせますが、気づかない
最後は
全然また別のものとすり替える
そしてついでに
脇の物もすり替えていた
という流れです

演者側からすると様々な現象を示した方がバリエーションができると考えがちですし
事実同じことの繰り返しより飽きが来ないのも確かです
しかし
多くの現象を混ぜてしまうと
結果的にはわかりづらさを生んでしまいがちなので
その点に対しては配慮が必要だと思います


ちなみに
このトリックのように
「パケットの全ての裏面がそれぞれ違う色になっている」
というクライマックスはパケットトリックでよくあるクライマックスです

しかし、赤と青だけならともかく4色や5色となると
なかなか用意するのが難しいかもしれません

そこで
このトリックで使ったスペクトラムデックやレインボーデックを1つ買っておくと
A、J、Q、Kと4セット手に入ります
1デック1800円程度ですから1セット500円以下と思えばリーズナブルかもしれません

もしくは緑デック、オレンジデックを1つずつ買っておきます
そして使用するカードの裏面にそれぞれの色のカードを貼り付けるという方法もあります
カードは厚くなってしまいますが、パケットトリックですから特に気にならないでしょう
手渡して注目された場合は素直に「4色作るために貼りました」と言えば良いだけです
赤と青のカードも厚くしておけば、全部同じ厚さなので逆に気にされないかもしれません

カメレオンカード系のトリックもこういった形で揃えておくと
良いかもしれませんね

【マジックウォンド】

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