かじゅあるげーむ(ストーリー)

「あれ?真知?」
「あ。羽矢。」

茶髪ロングでラフな格好をした背の低い女の子が
黒髪ショートカットでシックでスレンダーな女の子に声をかけた

「真知の家ってこっちだっけ?」

「いいえ。私は○○町よ。今日はいとこの家に借りてた本を返しに行くところなの」

「へーそうなんだ。真知ってよく本を読んでいるよね。私はダメだなぁ。マンガばっか」

「別にマンガも小説もそんなに変わらないと思うわよ。小説だってコミカルなのもファンタジーもあるし」

「そーいうことじゃなくて、文字ばっかりってのがもうアウトなのよ。読んでて疲れちゃう」

「そうかなぁ。慣れじゃない?」

「真知はなんで小説ばかりを読むの?」

「単純に安いからかな」

「え?そんな理由?」

「ええ、たぶん小説の1冊ってマンガの3冊分くらいの内容よ。っで値段は一緒だもの」

「そっかぁ。安いのは魅力だなぁ」

「あとラノベとかはほんとマンガと同じような内容よ」

「そうなのよね。アニメの原作はラノベだったりするんだから、話自体は好きなはずなのよ」

「ちょうど今借りているのも、今やっているアニメの原作」

「あ!そのアニメ見てるわ!ん?てことは、そのいとこさんて私たちと同じような世代?」

「3つ上かな。今年大学に入ったって言っていたし。」

「この辺の大学って・・・もしかして●●大学?」

「うん。そう。」

「なんだ!やっぱり頭が良いんじゃん!本を読む人は結局頭良いのかぁ」

「べつにそういうわけでは・・・」

「そのいとこさんとは仲が良いの?」

「最近ね。前は離れていたからあまり交流なかったんだけど
今年、大学が近いからこの辺に引っ越してきてね。
家も近いし、お互い本が好きだし、それから貸し借りするようになった感じ」

「家近いって・・・駅3つくらい離れてるじゃん」

「そ、それはそうだけど、前よりは近くなったってことよ」

「ふーん。そのいとこの人って・・・男?」

「な、なによ急に!関係ないでしょ?!」

「ごまかしたか」

「ごまかしてないわよ!男性よ。でも別にそういうんじゃないから!」

「そういう?w」

「もう、知らない!急ぐからまたね!」

「ほう!急いで会いに行きたいと・・・」

「くっ!もう!!」

「じょうだん。じょうだんよwちょっとからかっただけじゃん!」

「まったく・・・。」

「ねぇ、私もついていって良い?」

「はぁ?!なんで羽矢がついてくるの?」

「いやぁその人、本をいっぱい持っているんでしょ?
私も本にちょっと興味を持ったし、なにかおすすめを聞けるかなって思って」

「でも・・・」

「二人っきりの時間を邪魔されたくないっていうなら
野暮はしないけどね♪」

「そんなわけじゃぁ・・・」

「じゃあ決まり!いこー!」

「も、もう・・・。」


2人はいとこのいるアパートに向かっている

「ホントについてくるなんて・・・」

「だって、真知が足しげく通う男は興味あるもんw」

「足しげくって、そんなんじゃないって言っているでしょ!」

「あはは。冗談よw」

「ホント余計なこと言わないでよね」

「言わないわよ。ちゃんと暖かく見守っているわ♪」

「はぁ・・・まったく・・・。」

真知は3階建のアパートの前で立ち止まった

「ついたわ。ここよ」

「へぇー。綺麗なところじゃない」

真知たちは2階に上がり、端の部屋まで来た

「ここ?」

「そう」

真知は呼び鈴を鳴らす
・・・しかし反応がない

「あれ?」

「でないの?」

もう一度鳴らしてみる

「おかしいなぁ」

「今日来ることは伝えてあるんでしょ?」

「うん。買い物にでも行ったのかなぁ?」

「すぐに戻ってくるんじゃない?」

「そうね。少し待ってようか」

その時、ガチャリと扉が開いた

「ん?どなた様?」

中から出てきたのは
黒髪ウェーブヘアの大人っぽい女性

「え?!あ、あたし・・・すみませんでした」

「え?え?」

うろたえる羽矢

「行くよ」

「うん…」

羽矢の手を取り、真知は立ち去ろうとする

「ねぇ、あの人誰?」

「・・・知らない人。」

「あの部屋なのは間違いないの?」

「うん。」

「じゃあ・・・カノジョさん?」

「・・・知らない。」

その時背後から男性の声が聞こえた

「おーい!待ってよ!真知ちゃん!」

短髪細身でメガネをかけた男性が駆け寄ってきた

「ごめんごめん。今ちょっとトイレに入ってて
本を返しに来てくれたんでしょ?
どうぞいらっしゃい」

「でも・・・。さっき人が・・・」

「ああ、彼女は大学の友達さ。
彼女も貸していたDVDを返しに来たところだよ」

さっきの女性もこちらにやってきた

「あ、やっぱ、賢吾の知り合いだったんだ
どうぞいらっしゃいよ。お茶でも出すわよ」

「おい。なんでお前は我が物顔なんだ」

「あはは。まぁいいじゃん
賢吾にこんな可愛い女の子の知り合いがいるなんて
興味あるしw」

「彼女はいとこ。」

「二人とも?」

賢吾は羽矢の方を向いた

「えっと・・・君は・・・??」

「あたしは羽矢って言います。真知の友達です」

「ごめんなさい。賢吾さん。さっき、そこで会ったら、勝手についてきちゃって」

「勝手についてきたって・・・人を犬みたいに・・・」

「私は京香よ。まぁとりあえず二人ともいらっしゃいよ」

「・・・本を返しに来ただけなので
すぐに帰りますね」

「ゆっくりしていきなよ
こいつのことなら気にしなくて良いよ
すぐに帰るし」

「えー。わたし追い出されちゃうの?!」

「人聞きの悪いことを言うなよ
今日は先に約束があるって言ってただろ?
急に来たお前が悪い」

「賢吾の友達なんてどうせ巧くらいだって思っていたし」

「人を友達少ないみたいに言うなよ」

「その子達だっていとこじゃない」

「ま、まぁそうだけどさ・・・」

「京香さんと賢吾さんて、どういったご関係なんですか?」

「羽矢!!」

「ふーん♪気になる?」

「もったいつけるなよ
単にサークルの仲間だよ」

「サークルって何サークルです?」

「ボードゲーム研究会よ」

「ボードゲーム研究会?珍しいですね」

「まぁ、まだ最近作られた同好会みたいなものだけどね」

「ボードゲームってあれですか?チェスとか、将棋とか?」

「そういうのもあるけど、どちらかというと
最近作られたゲームとかが多いかな
人狼とか、犯人は踊るとか、ゴキブリポーカーとか」

「なんか聞いたことありますね」

「あと、うちはトレーディングカードゲームも含んでいるわ
遊戯王とかポケモンカードゲームとか
研究とは名ばかりで、ずっと遊んでいるだけよw」

「あ、遊戯王は弟がやっています」

「最近は個人製作でも色々なゲームが作られていてね
僕らはそういうのを色々やっているんだよ」

賢吾はその辺りからいくつかのゲームのセットを広げて見せた

「えっと、とりあえず何か飲む?
コーヒー、紅茶、緑茶。何が良い?」

「あ、お構いなく」

「私、アイスコーヒーで」

「羽矢!」

「えー。いいじゃん。」

「そうだよ。直知ちゃんもくつろいでいいからね」

「あ。はい。じゃあ私もアイスコーヒーで」

「私はビール!」

「京香は帰れ!」

「いやよ。私はJK達とお話がしたいの♪
ねぇ。若い子って今、何が流行っているの?」

「若いって言っても3つくらいしか違わないじゃないですか
普通に動画を見たり、ゲームしたりですよ」

「ゲームはアプリのゲーム?」

「そうですね」

「ボードゲームとかはお嫌い?」

「好きとか嫌いってわけじゃなくて
単に周りにやっている人がいないですね」

「じゃあせっかくだからやってみる?」

「あ、でもあんまりゲーム知りませんし
ルールとか難しいんじゃないんですか?」

「ボードゲームはその場で覚えられるような簡単なルールの方が多いわよ」

「そうなんですか?」

「うん。じゃあとりあえずなんかやってみようか!」

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