会話解説【にじ札】

「そうねぇ。今、流行っているのだと・・・
にじ札かな?」

「『にじ札』?すみません。知らないです」

「最近急に出てきて、シンプルな上に色々やれるので
割と人気なのよ」

「どんなゲームなんです」

「えっとね・・・あ。これ。これ」

京香はカードの束を取り出した

「わぁ!可愛い!え?これ手書きの絵?」

「そう。このゲームはね。適当に描いた手書きの絵を使って遊べるゲームなのよ」

「適当に描いた絵でどうやって遊ぶんです?」

「この札自体で今のところ公式では7種類のゲームが遊べるんだけど
とりあえず今回は『タグマッチ』ってのをやってみようかな」

「『タグマッチ』?」

「この絵の下のところにこの絵のタイトルみたいな文字があるでしょ?」

「【[風船]と[魔法使い]】とか【[魔法使い]の[失敗]】みたいなやつですね」

「そう。このゲームではそれぞれのプレイヤーが手札3枚を持って
場札として出された札のタグと手札のタグがいくつマッチするかを競うゲームなのよ」

「タグ?」

「あ。タグっていうのはこのタイトルで[ ]に囲まれた文字のこと
例えば【[風船]の[魔法使い]】が手にあって、場札に【[魔法使い]の[失敗]】があるとするでしょ?
この場合、[魔法使い]がマッチしているので1点取ったことになるの」

「なるほど」

「最終的に場札は4枚になる。その4枚と手札の3枚を比べて一番タグがマッチした人が勝ち!
簡単でしょ?」

「そうですね」

「まぁ習うより慣れろよ。軽くやってみましょう」

京香は3枚ずつ札を配り
残りの札はテーブルに山札として置いた
そして山札の1番上をその隣に表向きに置いた

「まず第1ターン目。【[魔法使い]の[練習]】か。まずまずね
一応言っておくね。今使っている山札の中身は
多いタグと少ないタグがあるの
[魔法使い][ウサギ][魔法][失敗]などが多いわね
[謎][時][おどろき]などはちょっと少ないわよ
もちろん他にもタグはあるけど、特に目立つのかこれくらい
こういうのを覚えておいてこれから何が出そうかも予想するのよ」

「予想してどうするんです?」

「実は1つルールがあって
手札が気に入らない場合は
1ターンに1度、いらない札を捨てて、捨てた分を補充することができるの
これを【トレード】って言うわ」

「じゃあ、手札が少ないタグばかりだった場合は
修正できるんですね」

「そう。ただしトレードのチャンスは各ターンに1回だけ
ターンが進むごとに場札が1枚ずつ増えていく
それを見てどれをトレードするか決めるわけ
基本的には場札とマッチしたものは取っておいて
残りはトレードしちゃうわね」

「さっき場札は4枚でるって言っていましたよね
じゃあ今は出ていなくても手札に魔法使いとかがいっぱいあれば
後ほど合う可能性があるから取っておいても良いんですよね」

「そう!飲み込みが早いわね。
そういう予想を立てながら、トレードしたりしなかったりをして
ターンを進めていくのよ
さぁこのターンはどうする?」

「私は1枚交換するわ」

「3枚全部交換交換しても良いんですか?」

「もちろん。1度に交換するなら、何枚でもOKよ」

「よし。まぁまぁかな」

「さぁ、全員トレード終わったわね
そうしたら第2ターン目よ
【[魔法使いの]の[旅」】ね
可もなく不可もないって感じかぁ
さぁトレードどうぞ」

「私は1枚にするわ」

「私はまた全とっかえ!」

「羽矢ちゃん苦戦してるみたいねw
じゃあ3枚目行くわよ!
【[謎]の[怪物]】!
微妙な奴があ来たわね
トレードどうする」

「んー。私はこのままでいいわ」

「私も。」

「あら。さっきまで全部交換してたのに
今度はトレード無しなんだ。
ちなみにこれが3回目のトレードなので
最終チャンスだけど大丈夫?」

「えぇ。」

「多分。大丈夫」

「OK。次が4枚目
この4ターン目はトレード無しで
即結果を確認するからね。行くわよ
【[魔法]の[失敗]!】
悪くないカードね!
さぁ!みんなどうなった?」

「私は【[風船]と[魔法使い]】と【[魔法使い]と[ウサギ]】の
2枚が当たった感じですね」

「すごいじゃない!合計6点ね!」

「私は【[謎]の[怪物]】2枚と【[ウサギ]の[魔法]】1枚…これって5点?」

「そうね。ちょっと届かなかったみたいね。でもすごいわよ
私なんて3点だもの」

「お!にじ札やってるのかい?」

賢吾が飲み物を持ってきた

「ええ。ちょうどタグマッチを教えていたところ」

「どうだい?このゲーム面白いでしょ?」

「わかりやすくていいわね」

「カードを捲るたびにドキドキするわね」

「チップは使ってるの?」

「それはこれから教えるところ」

「チップ?」

「このゲームは単なる点数の大小を競うだけでも良いんだけど
チップ制にするとより駆け引きが面白くなるんだよ」

「どうやるんですか?」

「各プレイヤーがそれぞれ7枚のチップを持つ
ゲームに参加すると1枚場に出す
各ターン毎に1枚ずつチップを上乗せしていってもいい
勝てないと思ったら出したチップを放棄して降りてもよい
勝てると思ったら自分も上乗せしていってターン続行
最後に勝った人が場のチップを総取り
って感じだね」

「負けを減らすために途中でやめることができるんですね
確かに駆け引きが必要そうですね」

「1ターン毎に競りがあるって盛り上がりそうね」

「じゃあ今度は僕も入れて4人でやってみよう!」




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