見出し画像

ごまとうふ作り教室。

お声がけをいただいたりご縁があったりで時々ではありますが「ごまとうふ作り」教室を開いています。
主には当方の飲食店を利用して作っておりまして、対象は小学生が多いですが、中学生・高校生・大学生、そして大人の方を対象にするときもあります。また出張ごまとうふ教室も開催ておりまして、よく高野山麓の高野口や橋本市に行くこともあります。

作り方はいたってシンプル!
皮をむいた胡麻・吉野葛・水。材料はこれだけ。道具はすり鉢・すりこ木・コンロ・鍋・濾し布。あとはごまとうふを流し込む型ですけど、この型によって形が変わりますので、星型に入れたりハート形に入れる方もおられます。
お水を加えながらすり鉢で磨り潰す⇒濾し布で濾す⇒吉野葛を加えて煮る⇒粘りがでてきたら型に流し込む。これだけ(*^^*)

画像1

一見簡単そうに見えて実は奥が深い!
作業・手順そのものは実はそんなに難しくなく単純。でも実は単純だからこそ一つひとつの作業を怠ると出来上がりはイマイチになるのです。
胡麻は硬い殻に包まれていますので、その栄養をしっかりと吸収しようと思うと念入りに磨り潰さなければなりません。このすり鉢での作業を"しんどい""疲れた"とあまり擂らずに終えてしまうとそれだけの栄養しか手に入らないということ。
吉野葛を混ぜる作業の時も同じで、火をかけたあとは熱気と蒸気で熱い中をひたすら手を止めることなく混ぜないといけませんが、これを怠ると舌触りが悪かったり、方に流し込んだ時に崩れたりします。

画像2

精進料理は作ることも修行
精進料理は作ることも修行の一環であるといわれています。私の個人的な解釈では修行とは自分自身と向き合い他者と向き合うということだと思います。ごまとうふは精進料理の一品ですが、前述のように胡麻を擂ることを怠ると"それだけ(少ない量)の栄養しか手に入れることができず"吉野葛も同様にしっかりと混ぜ合わさなければ滑らかな食感を得て美味しく召し上がることができません。これは先様にお出しするときも同じです。手を抜けば相手先の健康も美食もそれによる満足も得ていただく事ができないということになると思います。
高野山の精進料理は五法、五味、五色、すなわち調理方法、味付け、色彩バランスを大切にした料理。そのなかにおいて、自分と向き合い、先様と向き合い、食材と向き合って、一品一品を丁寧に作りあげていく。
そこにはご参拝の皆様や観光で訪れた皆様をお迎えする心が詰まっているのかもしれませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?