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デザイナーとして人生再スタートした2020年を振り返る

こんにちは。或いは、はじめまして。こやなみです。

未経験からグラフィックデザイナーとして働きはじめて、10ヶ月。あっという間でした。高校生の頃「デザイナーになりたい!」って思っていたのに、営業職やったり事務職やったり・・・ここまで来るのにずいぶん時間がかかってしまった!

少し前のわたしと同じように、「デザイナー」っていう職業に憧れつつ踏み出せずにいる方の勇気を後押しできたらいいな、ということで文章を書いてみることにしました。(若いグラフィックデザイナーが少ない・・・って弊社ADが嘆いているので、業界の一助にもなればと。笑)

私の中でも長年のモヤモヤにひと区切りついた気がしているので、記録も兼ねて。

ひとまず自己紹介です

・1992年生まれの28歳
・パンフレットやDM制作などDTPのグラフィックデザイナー

・絵は好きだけど美大に入るほどでは……ということで経営学部へ
・諦めきれずデザインの専門学校に通うも、厳しいフィードバックの嵐に心砕かれ
・けっきょく広告会社の営業職としてキャリアスタート
・仕事は楽しいけど、デザイナーさんと一緒に仕事するたび募る憧れ
・今からデザイナーへ未経験転職、できる訳なくない!?でもどうしたら良いか分からない……そうだ、(とりあえず)海外へ行こう(思考停止)
・ニューヨークへ逃避し、日系企業で営業事務職として働く
・営業ツールのデザインを任せて貰えることに
・あれ、デザインってやっぱり楽しい……
・純粋に感じた楽しさを胸に、デザイナーを目指す決意をし帰国
・立ちはだかる「未経験」の壁。紆余曲折を経て、2020年3月に転職成功!

長所は行動力、短所はお豆腐メンタルです。

営業として働いている間、いつも頭のどこかにデザイナーへの憧れがあって、常に焦ってました。本当にこれでいいのかなと。

けれど今になって、営業職で培ったスケジュール管理や調整能力をとても重宝しているので、踏むべくして踏んだステップだったなぁと思います。海外生活では、お豆腐メンタルが厚揚げメンタルくらいに鍛えられました(分かりづらい)。無駄な経験って本当にない!

未経験転職、やる気の保ち方

最初の一歩を踏み出せるか、大切なのは勢い。もちろん、最初の一歩ってすごく大切。ただ本当に難しいのって、歩き続けることだと思うんです。勉強のハウツーはたくさんの人が効果的な方法を紹介して下さっていますが、わたしが苦労したのは続けることの方でした。

SNSを見ていると、「好きだから」勉強も自発的に続けられるし「好きだから」頑張れるって方が多くて、(わたしの「好き」はただの憧れなのかな……)と思うこともしばしば。暇さえあればつい映画見たりマンガ読んだりしちゃって。

でも、こんなに気持ちがモヤモヤするんだから、何か続けられる方法を考えよう。ということで、友達や両親に頼んで無理やり名刺制作案件をいただきました。笑 ここで気づいたのは、自分は相手ありきで初めてやる気が出るタイプということ。一人で考えてないで、さっさと周りに話すべきでしたね。

作りたいものがどんどん湧いてくるタイプの人もいると思うけど、わたしには自発的に作りたいものがない。だから、美大への進学も新卒でデザイナーを目指すことも自信がなくて諦めた。けど、誰かから依頼を受けて作る嬉しさが、わたしの動機になるんだなぁと気が付きました

誰かのSNSやブログを見て触発されることはあっても、やる気スイッチは人それぞれ。こればっかりはいろいろ試すしかないけど、SNSやブログの誰々と違うから(わたしには向いてないんだ・・・)と思うのは時期尚早です。

とにかく作る(まずは自分がアガるものを)

自分の着火点が分かったら、あとは自分なりの方法で続けていくのみ。

先ほど、わたしには自発的に作りたいものがないと述べました。がしかし!作るべきものが決まったら、あとは一刻も早く上達しなければ。いろんな表現方法をいち早く習得して、アウトプットするぞォとなってからはTwitterやPintrestでかっこいい作品を探して、真似してを繰り返していました

真似していたのは本当に基本的かつ部分的な表現方法です。グラデーションや乗算のキレイな使い方とか、フィルターの効果的な使い方とかとか。で、飽きっぽく諦めやすい自分の性質を踏まえ、辿り着いたのが好きな音楽タイトルの作字です。

けっきょく今や続けられてないことを嘆いていますが。笑 

とはいえ、デザイナーを目指していろんな表現方法を模索した1年間で、ベジェ曲線の腕があがったことは確かです。あとは純粋に、週に1・2作品程度の制作でしたが、継続できた自分自身に少し自信がつきました。

ちなみに就職活動時のポートフォリオにも載せたのですが、好きな音楽から趣味・特技の話となり食いついて下さる面接官の方も多くて、作字には助けられました……

「デザインソフト使えます!」の基準とは

デザイナーを目指すぞ、と思って準備を始めてから入社する直前まで、一番不安だったのがこれ。「デザインソフト使えます!」の基準って?

実際にデザイナーとして働き始めた今だから思うのは、結論から言うとどんなことができるか知っていることが大事。わたしも未だに毎日Googleでやり方調べながら仕事しているので。本当に身を助けてくれる能力は検索する力だと思います。

ADやお客さんから「こんな感じで!」ってイメージを渡された時「分かりました!できます!」と答えつつ、心の中でパニックになりながら必死にやり方を探します。本当にGoogle様様様です。この時代に生まれてよかった!

「ネオン管風で!」って言われた時も心底焦った。笑

入社した時点でわたしが使っていたのはツールバーの基本機能のみ。それでも入社試験を通過できたのは「デザインの進め方がよかった」からだそう。

デザイナーになると決めた時点から自分なりに勉強してきたつもりですが、入社してからの方が学ぶ速度が早い!濃い! やっぱり早く会社に入って先輩にビシバシ鍛えられていくのが、成長への近道っぽいです。

専門学校で学ぶということ

話が逸れますが、今の会社で合格を貰えた理由「デザインの進め方がよかった。」の「進め方」を身に付けられたのは、大学在学時に通っていたデザイン専門学校(夜間部)での経験が大きいと思っています。

印象的だったのは、デッサンの授

デッサンは、絵を描く技術云々以上に、目の前の対象を俯瞰的に見る力を養う勉強でした。机の上にいろいろな物、例えばリンゴや瓶や布が置いてある状況を描くわけですが、リンゴ→瓶→布の順番で完成させていくと怒られる。「3つの関係性が見えてないでしょ?」と。だから今度は、影→濃淡→光→影→濃淡→光……と全体に目を配りながら繰り返していくと、いつの間にか物の輪郭が見えてくる。

冊子デザインを作っている時はもちろん、小さなバナー やDMのデザインを制作する時に「ページや要素単体では良いけど、総合的に見るとバランスがおかしい。修正!」とよく注意されます。進め方は合っているけど、もうちょっとだね、と。

正直、大学との両立で精一杯で、ポートフォリオ制作まで頭が回らず、新卒デザイナーになる夢は諦めてしまいました。これは本当に後悔。ただ、多くの現役デザイナーさんから直接話を聞く機会に恵まれ、デザイナーである以上に「社会人」としての考え方を学ぶことができた貴重な経験でした。

独学でデザイナーになり活躍している人も沢山いらっしゃるので、技術を学ぶだけなら学校やスクールは行かなくてもいいのかな……というのが個人の感想です。

とはいえ、学生という立場で、プロフェッショナル に教わる経験は何にも変えがたい貴重なもの。現役で活躍する方々の話を聞く機会や、デザインや経営・マーケティング、さらにはアートの「考え方」に重点を置く学校なら、この先どんな分野でも活きてくるのでおすすめです。本当余裕と体力があればって感じ。たぶん、この究極が大学ってことなんですね。 

ただしデッサンだけはやってみる価値ありです。

ちなみにわたしが通っていたのは、桑沢デザイン研究所の夜間部デザインコース。高卒の子から30代の社会人までごちゃまぜのクラスで、とっても刺激的でした。

ポートフォリオの作品について

わたしが掲載したのはこんな内容です。

・友達や家族に依頼してもらった名刺とロゴのデザイン
・友達のバンドのフライヤーとCDジャケット
・作字
・前職で作った営業ツールや広告
・前前職でディレクションを手掛けたグッズ

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全体的にデザイン部分は目を瞑りたくなるクオリティですが、恥ずかしがってる場合じゃない!「コンセプトをしっかり提示すること」と「デザインを文章で説明すること」に注力してポートフォリオを作り上げました。全ページにわたってこんな感じです。

webデザインの方に興味があったのですが、HTMLの勉強はさっさと挫折。笑 とにかく早く就職したくて、持ち合わせのグラフィック作品だけで面接に乗り込んじゃいました。散々な言われようで心はバッキバキ。笑

そんなこんなでしたが、これで営業職や事務職に戻ったらきっとまたモヤモヤする日々なんだろうなと、折れた心を何度もガムテープで補強してはポートフォリオを送り続け、結果3社から内定をいただきました。神はいた!

2020年の総括!

「未経験」「経験不足」が理由で、行きたかった会社は全滅しましたが、捨てる神あれば拾う神ありです。応募した会社の数はもう忘れてしまったよ。最終的に印刷会社・飲食の事業会社・DTPメインの制作会社から内定をいただきました。そして2020年3月から3つ目の会社で働いています。

今の会社を選んだ理由は、一番成長できそうだったからです。

他の二つの会社はわたしの今までの経験やポートフォリオを褒めて下さったのですが、選んだ今の会社では酷い言われようでした……けれど、企業の中でデザイナーとして働きたいと考えた理由は、自分のデザインに、デザイナーの上司や先輩からフィードバックを貰いたかったから。作字をしている時にも思っていた(なんか違う……でも何が違うか分からない……)を脱却するには厳しい意見が必要でした。もちろんたまには褒めてほしいけど! 厳しいこと言われるたび、この会社を選んだ理由を心の中で唱えます。笑

毎日必死に働いて厳しい言葉をもらい、精神をすり減らしながらやっとこさ制作していると、つい社畜に成り下がってしまいます。今この場所、環境を選んだのは誰でもない。わたしなんだ。って肝に命じて、2021年も爆進していきます!苦しいことも多いけど、このドラマの主人公は自分なので!負けないぞ!楽しみながら、みんな、がんばろ!おー!

以上、拙いながらに振り返ってみました。最後まで読んで下さった方、本当にありがとうございました……!

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