koyama

文章とイラストが上手くなりたくてnote始めました。美術系学校→バックパッカー→代理店…

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文章とイラストが上手くなりたくてnote始めました。美術系学校→バックパッカー→代理店制作→webの仕事(今)をしています。死ぬまで笑って酒が飲める人生を目指しています。ペンタブが買えないのでアイコンはマウスで描いたイラストです。

最近の記事

集中治療室の皆さんが満面の笑顔で迎えてくれた話

10年近く前の今頃、春の話です。 義母が100万人に1人といわれる難病になり、15時間にも及ぶ大手術を行いました。 翌々日、まだ集中治療室から出られずにいる義母の術後の様子や、今後の情況確認のため、一人でお見舞いに行くことになりました。 かなりレアな症例だったようで、発症してすぐに地元の大学病院から今の国立病院送りとなった義母。気丈に振る舞っていたものの高齢のこともあり、さぞ不安でいっぱいだったことでしょう。 今後の事はどうあれ、とにかく明るく振舞おうと心に決め、服装

    • 版下にFAXでもらった ロゴを貼った話

      昔の話をすると ヤレヤレと煙たがられそうだが、 オブジェクトからトリムマークとか、 パッケージしてからアウトラインとか、 ボタン一つであっという間の作業をしていると あの、いちいち面倒くさい版下作業が とても懐かしく感じる時がある。 今でもQ数表が引出しに入っているので、 どなたか!お客様の中で Q数表からの写植発注できる方いらっしゃいませんか! などと言われたら、おずおずと手を上げ 「私でお役に立ちますでしょうか」などと答えるだろう。 代理店制作スタッフとして

      • イランでエッチな本を売ろうとした話(後編)

        世界の半分がある都「イスファハン」 アラベスク模様の青いモスクが 青い空によく映える本当に美しい街。 本当にやるのか?何度も自問自答した。 アラーの神の怒りをも恐れぬ所行だが、もはや戻れない。 「やるしかない」 私は、強い決意を胸にバッグの底のビニールテープをビリビリに破き、 中から神々しく光り輝く、エッチな娘を取り出し 自分のお腹のTシャツの下へ隠した。 ヒジャブをまとい、伏し目がちにホテル近くのバザールへと向かう。 ものを売るなら、店へ持っていくと話が早いのでは

        • イランでエッチな本を売ろうとした話(前編)

          これを僕だと思って、イランに持っていって欲しい。 彼は一冊の本を私に手渡した。 開くと東洋系の娘が、セクシーなポーズを決めている、 しっかりとしたエッチな本。 これはあなたですか? これは僕ではない。 言葉のあやであることを説明させないで欲しい。 僕はこの雑誌を香港で購入した。 購入した理由はいろいろあるがそのうちの一つが、イランでこれを売ろうと思ったからだ。 しかし僕はここパキスタンから、インドへ行くことにした。 だからイランでこの本を売り捌くことができない。

        集中治療室の皆さんが満面の笑顔で迎えてくれた話

          カルテにホッケの骨と書かれた話

          ご飯を飲み込めば、トゲは抜ける ほとんど噛まないごはんの塊を、涙目になりながら何度も飲み込む土曜日の朝。私は先人の知恵を何度も試していた。 これは逆に、ご飯が骨を体内へ押し込んでいるんじゃないか?       そう思わせるほどに痛みが増し、いつまでも違和感が喉奥に残ったままだ。 今朝はホッケだった。                         油がよくのっている美味しい北海道産ホッケだった。 骨の大きさは確かではないが、皿の上の残骸から小〜中程度であろうと推定され

          カルテにホッケの骨と書かれた話