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労災事故で会社に請求をしてもそのまま会社で働くということは可能か?

労災事故で会社に請求ができるということは、前回のコラムでも取り上げさせていただきました(労災事故で泣き入りしないこと)。

労災で会社に対する請求を行った場合の大きな心配事は、会社に請求をしたら、「会社を辞めないといけないのか?」「会社で働き続けることは可能なのか?」という問題だと思います。

もちろん労災事故の後の会社側の対応に不信を持ち、辞めてしまうという方もおられますが、労災事故による賠償請求は会社に対して行った上で、会社で働き続けるという方もおられます。

今回は、(フォークリフトに轢かれるという労災事故で会社に請求を行い1000万円で示談をし、働き続けている事例)具体的な解決事例をもとに見ていきましょう。

労災事故の状況

相談者の方は、工場の倉庫内で勤務をしたいたところ、後方から同僚が運転していたフォークリフトに足を轢かれ足首を骨折してしまいました。

手術を受けましたが、回復は思わしくなく、足首が曲がらず、歩くことにも支障があります。

会社からは、労災保険での対応をしてもらい、療養給付や休業給付の支給を受けました。

後遺障害は10級が認定

足首の骨折後、足首が曲がらなかったため、医師と面談を行い、精度の良いMRI、CTでの足首の画像の撮影、足首の可動域の測定(足首の曲がり具合の検査)を行ってもらい、労災に後遺障害の申請(障害給付)の申請を行いました。

後遺障害申請の結果、足首の可動域制限で後遺障害10級が認定されました。

勤務先(さらに元請会社にも)に対する損害賠償請求

通常はこれで終わりという方も多いのですが、弁護士が勤務先会社元請会社(倉庫自体を所有している会社。倉庫には複数の下請け会社が入っていました)に対して損害賠償の請求を行いました(運転手を使用しているという使用者としての責任に基づく損害賠償請求)。

双方弁護士同士が話し合いを行い、元請会社(工場を所有)と、勤務先とで、労災保険とは別に500万円ずつの賠償金(合計1000万円)を支払うという合意が成立しました(労災の給付金を併せると約1500万円を獲得)。会社側は保険も使用しています。

労働者の方は、示談の前後を通じて、同一の勤務先で勤務を続けています。

このように、同一の会社に勤務を継続しながら、労災事故の賠償金について会社に請求を行い、会社側と1000万円の和解が成立し、その後も同一の会社で働き続けるという事例もあるのです。

このように、会社に勤務を継続しながら、会社に対して労災事故の損害賠償請求を行うという事例もあるのです。

本件のように会社側で保険を使用できる場合などは、会社の理解を得やすいこともあります。

もちろん、労災ではしっかりとした補償をしてもらいたいが(後遺障害の認定など)、会社には請求をしたくないという相談者の方もおられます。

そのような場合には、労災保険の手続きや医学的な立証をしっかりと行い、会社に対する損害賠償請求は行わないなどの対応も考えられます。

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