涙の捉え方。

涙が出るのは、自分と向き合えているから


涙を想像したときに、ネガティブな印象を持っている人は多いです。
それは、今までの人生の中で涙を流しているとき、つらい・悲しい・悔しいという感情が思い出とセットになって記憶されているからです。
相談業を生業にしていると、クライアントが話しながら涙を流してしまうことも珍しくありません。
クライアントが泣いているときに、私は必ず次の言葉をプレゼントします。

「涙は自分と向き合えているときにしかできません。だからもっと泣いていいんですよ」


その言葉を聞いた途端、溜め込んできた重荷を降ろすように、滝のように涙を流される人が大勢います。精神的に10キロ分の重荷を降ろしたと言って頂けることもありました。
涙は、自分と向き合えているときにしか出ません


現実逃避しているときは一切出ないのです。現実を直視して、このままの自分では嫌だと、心のベクトルが外側から内側を向くことで涙が出るのです。
涙について、ネガテイブな印象も多いですが、私はポジティブなものだと理解しています。

涙は「変わりたい」のサインだと思うからです
体の内面は、外から見ることができません。見えないので謎も多いですが、涙は内から溢れ出しているサインを具体化して表していると私は思います。涙が無色透明なのは、自分と向き合うことで純粋な気持ちに触れているからです。
医学的、科学的に証明されているわけではありませんが、私はこのように考えてから一気に心が軽くなりました。


クライアントと会話を繰り返していくと、
「泣いたら負け」
「泣いたらだめ」
と心の中で思っている人はとても多いです。涙を流せない人は、自分の話をすることが苦手という特徴があります。

それは過去に「強くなりなさい」や「強くならなければならない」など言われてきて、涙を流さないように、必死に強がり背伸びしてきたことが原因です。
「泣くなよ」とバカにしたり、からかったりする人がいますが、無視で構いません。「泣く」ことと「弱い」をイコールで結びつけている人もいますが、これは声を大にして違うと私は断言します。

涙を流せるのは、事実を受け入れている人だけです
事実を受け入れられるのは、弱いどころか強い証拠なのです。本当に強い人は、自分の弱い部分を認めている人だと思います。
涙を流せるのは、強い人なのです。

泣いてもいいと思ったら、体の緊張がほぐれます。弱い自分を見せてもいいと理解するのです。
恋愛にも通じることですが、魅力的な人ほど弱い自分を見せることができます。背伸びしない等身大の自分でいることを、堂々と受入れているからです。
今後、涙を流したときは、体からのポジティブな合図を受け取ろうと意識してみてください。

涙は、自分を変える機会になります
この機会を生かし、具体的に「今、どんな自分が変えたいのか?」「どんな自分になりたいのか?」を考えるようにするのです。
過去に私は「変われない自分」が悔しくて涙を流しました。「変わりたい」とは思いましたが、具体的にどのように変わるのかを考えることをしませんでした。
せっかく体から送ってくれた「自分を変える」チャンスをフイにしてしまっていたのです。
 自分を変えるチャンスをフイにしてきた私が、その原因を考えると
「変わりたい」という”抽象的なまま”で終わらせてしまったからです。
生命のエネルギーが宿るときは、抽象的から具体的になったときです。抽象的から具体的にするのは、ロボットに心を入れるようなイメージです。やる気スイッチを押すのが、具体的に考えることなのです。
体が送ってくれる信号をキャッチして、抽象的から具体的に変えていくことで、自分のことをアップデートするのです。

涙がどういうものなのかは、学校では教えてはくれません。
「泣いたら、負け。涙を我慢したら、勝ち。」
と思っている人もいるのでしょう。これは男女問わずにです。

メンタルトレーナーの私は、このように考えます。


「泣けたら、成長。涙を我慢したら、後退。」


もっと気軽に涙を流していいのです。

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