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映画「MONTEREY POP モンタレー・ポップ」(1967年アメリカ/監督D・A・ペネベイカー)

横浜に引っ越してきて良かったなぁと思うことは、「シネマリン横浜」という名画座に足繁く通えるようになったことです。
https://cinemarine.co.jp/

先週は、この映画館で、「MONTEREY POP モンタレー・ポップ」という映画を鑑賞しました。
1967年にカリフォルニア州モンタレーで開催された「モンタレー国際ポップフェスティバル」を記録した音楽ドキュメンタリー映画です。
https://eiga.com/movie/64146/

どうやら、このイベントは、世界で初めて行われた歴史的なロック・フェスティバルだったようで、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、サイモン&ガーファンクル、ママス&パパスなどの超大物アーティストらが多数出演していました。

そして私は、そういう出演者たちもさることながら、ヒッピームーブメント真っただ中であった当時の若者たちの服装なども楽しみにしながら観たのですが、
不思議なことに、ちょと前まではとても「珍妙」なものに思えていたこの時代の服装が、2020年代の今になって改めて見てみるとなぜか全く違和感を感じなかったのです。
これは、自分が歳をとったからなのでしょうか?
それとも、ファッションには周期があるので、もしかしたら今は70年代に違和感を感じない時期にあるからなのでしょうか?

逆に違和感を感じて驚いたのは、ロック・フェスティバルだというのに、出演者にラヴィ・シャンカルという「インドのシタール奏者」が含まれていたことでした。
当時の若者たちが、それまでの欧米の思想にはない概念を東洋から導き出そうと必死になっていたというのがよく分かります。

また、観客たちが音楽を聴く様子も、今とは全く異なっていたのでとても新鮮でした。
なんと、ロック・フェスティバルだというのに、みんな椅子に静かに座って、黙って食い入るように聴いているんです。
どうやら彼らは今と違って「歌詞」をじっくり聴いている様子で、しかもその歌詞はたいてい世の中を斜に見ている内容が多く、メロディーも暗い短調が多く、出演者や観客たちの表情もどこか憂いがあり、フェス全体がまるで何らかの答えや救いを求めて集まってきた人たちのミサのような雰囲気なんです。

そういう雰囲気のフェスは、今の時代だと「陰キャ」なんて言われて敬遠されそうですが、ロックって、本来はそういうものだったんじゃないかって思うんですよね。

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