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書籍「街道をゆく40 台湾紀行」(司馬遼太郎著/朝日文庫)

年末年始に台北と台中を訪れからというもの、
すっかり台湾にお熱になってしまいました。

今回読んだ台湾の本は、
司馬遼太郎が1993年に台湾をぐるっとまわったときの紀行文です。

司馬遼太郎のような知識があると、
同じ場所を旅行してもこんなにも豊かな物の見方ができるのかと、改めて驚かされました。

しかも、司馬遼太郎は、次のような話を、
現地で出会う人々との対話を織り交ぜつつ、しかも読む者を飽きさせることなく、生き生きと描いているので、
その文章技術の高さを改めて思い知らされました。

●"フォルモサ(ポルトガル語で美しい島)"と呼ばれたこの島の大航海時代の話
●オランダによる台南占領時代の話
●鄭成功や清朝の頃の開拓時代の話
●日本統治や孫文の話
●蒋介石の中華民国の到来と戒厳令下の話
●1987年の民主化と李登輝総統の話
●複雑な民族、文化、風俗、産業などの話

そして驚いたことに、司馬遼太郎は、なんとこの紀行の中で、
当時の総統であった李登輝さん(京都大学出身です)と2回も会っているんです。
巻末に、そのときの対談の様子も収録されています。


本当に読み応えがある本で、台湾を知るには必読の書だと思います。


台東や花蓮などの、日本人が通常の観光では訪れない台湾の東側の様子も丁寧に紹介してくれているので、
今後是非、台湾の東側も訪れてみたいと強く思うようになりました。 

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