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メディアと人権

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表現の自由と編集権、報道による人権侵害、番組制作のプロセスに潜む危うさ、BPOなど、メディア関連の記事をまとめています。
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記事一覧

メディアの大いなる勘違い~「寄り添い」という免罪符

寄り添う、という言い回しをこの頃よく目にするが、安易に使われすぎて陳腐化している。他者へ…

NHKが“リスク”になる日

NHKの不祥事は今さら珍しくもないですが、ここ最近は次元が違います。例えば8月にはこんなこ…

”報道の自由”を考える

澤康臣 著「事実はどこにあるのか~民主主義を運営するためのニュースの見方」(幻冬舎, 2023)を…

大型犬脱走のニュース再考:「咬まれた」のか「歯が当たった」のか?

NHKの報道には、前回のnoteで指摘した以外にもあやふやな点があります。 犬が8日に脱走して17…

大型犬脱走!のニュースでNHKが誤報

飼われている動物が逃げ出すのはよくあることですが、大型犬の場合はシャレになりません。 つ…

NHKの経緯説明に見られる荒唐無稽さ~ラジオ国際放送乗っ取り事件

先月発生した国際放送の事案について、NHKは当初「不適切な発言」としていましたが、「放送の…

「アナウンサーが頭を下げて終わり」はもうやめませんか

去年の9月6日、NHKに番組内で訂正・謝罪をされたときに、私が感じたのは、「アナウンサーが頭を下げて終わりなのか……なぜ番組責任者が出てこないのか」ということでした。アナウンサーに謝られても仕方がないんですよ。ただの身代わりですからね。責任を取るべき人間は、陰に隠れて出てこない。テレビ局の不祥事あるあるです。 私の取材を担当したディレクター、その上司であるプロデューサー、番組責任者……誰ひとり「お詫び」映像には出てきませんでした。そういう発想が彼らにはないのです。かといって

NHKラジオ国際放送”不適切発言”の謎

NHKの公式発表を中心に、報道記事も入れて時系列でまとめました。 8月19日(月)事件当日▼13…

NHKラジオ国際放送”不適切発言”問題:マスコミ報道リンク集8/19-8/23

NHKのラジオ国際放送の中国語ニュース番組で、アナウンサーがニュースと無関係な発言をしたこ…

メディアの危機と置き去りにされる市民:クロ現「おわび」から1年経って思うこと

去年の9月6日、NHKは「クローズアップ現代」の中で、私に対する ”おわび” を流しました。そ…

封殺される言葉と取り残されるメディアの良心

言葉が封じられている。とりわけ批判の言葉が。 対立を好まない人が多いのは世の常として、こ…

捏造報道から偽・誤情報対策へ~NHKの欺瞞をたどる旅

去年の4月にクロ現に出て捏造報道されたことが、すべての始まりでした。すったもんだの末に同…

マスコミ報道で無限増殖した分身がゾンビのごとく徘徊する

分身の誕生突然ですが、ドッペルゲンガーを見たことがありますか?いわゆる「分身」です。二…

偽・誤情報対策もSNS規制も余計なお世話だよ、という話。

私は専門家でも何でもない一般人ですが、総務省の有識者会議「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会」を傍聴しています。この会議では学者さんやメディア業界の人たちが、「デジタル空間の健全性」について議論しています。要はいかにネットの世界(特にSNS)に規制をかけるか、という話なんですよね。 詐欺やなりすましといった明らかな権利侵害や犯罪行為を取り締まるのは、当然のことです。でも、それ以外のものまで「社会的な影響がある」という曖昧な理由から、”偽・誤情報“